「羅生門」の、
ラストシーン、その本当に
最後のところが思い出せずに、
僕は山門の前で、
ヘルメットおじさんと対峙しています。
大男は、
「お前、なにした!」
と、大渇すると、
仁王立ちになって、
僕の前に立ちふさがりました。
僕はじりじりと下がりながらも、
なぜか、身のうちから、
ふつふつと勇気が沸いてくるのを
抑えきることができません。
「うるせえなあ!お前こそなんだ、
俺をこんなとこに連れてきたのは
お前だろうが!」
「そりゃ俺じゃねえ、命令されたんだ」
僕が再び一歩前に出ると、
今度はおじさんが
じりっと後ろに下がります。
僕は勢いづいて、
「まあだれでもいいや、だけどな、
お前に止められる筋合いはねえんだよ」
このヘルメットを目深に被った、
屈強な男に、
僕はどうにも
恐怖を感じられなくなっていました。
ラストシーン、その本当に
最後のところが思い出せずに、
僕は山門の前で、
ヘルメットおじさんと対峙しています。
大男は、
「お前、なにした!」
と、大渇すると、
仁王立ちになって、
僕の前に立ちふさがりました。
僕はじりじりと下がりながらも、
なぜか、身のうちから、
ふつふつと勇気が沸いてくるのを
抑えきることができません。
「うるせえなあ!お前こそなんだ、
俺をこんなとこに連れてきたのは
お前だろうが!」
「そりゃ俺じゃねえ、命令されたんだ」
僕が再び一歩前に出ると、
今度はおじさんが
じりっと後ろに下がります。
僕は勢いづいて、
「まあだれでもいいや、だけどな、
お前に止められる筋合いはねえんだよ」
このヘルメットを目深に被った、
屈強な男に、
僕はどうにも
恐怖を感じられなくなっていました。
そんな自分への驚きと
ないまぜの高揚感の中で、
僕は地面に足を強く打ちつけました。
「お前、」
男はちらっと僕の抱える衣服と、
門の階段の方に目をやると、
「俺のおっかあに何した?
なんかしたのか?」
「おっかあ?あのばばあが、
お前の母親?」
僕はそう言いながら、
なぜか唐突に笑いがこみ上げてきて、
高笑いに笑い転げてしまいました。
それを、おじさんは
成すすべもなく見ていましたが、
ようやく僕の笑いがおさまったところで、
「どうしたんだ?うちのおっかあ」
「馬鹿じゃねえのか、見りゃわかんだろう、
身包みはいでやったんだよ、」
僕はその衣類を頭上に掲げ振り回して、
「今頃すっぽんぽんで
きったねえ老体さらしてんぞ」
出てくる出てくる、
悪態ばかりが、
「お前、」
男はちらっと僕の抱える衣服と、
門の階段の方に目をやると、
「俺のおっかあに何した?
なんかしたのか?」
「おっかあ?あのばばあが、
お前の母親?」
僕はそう言いながら、
なぜか唐突に笑いがこみ上げてきて、
高笑いに笑い転げてしまいました。
それを、おじさんは
成すすべもなく見ていましたが、
ようやく僕の笑いがおさまったところで、
「どうしたんだ?うちのおっかあ」
「馬鹿じゃねえのか、見りゃわかんだろう、
身包みはいでやったんだよ、」
僕はその衣類を頭上に掲げ振り回して、
「今頃すっぽんぽんで
きったねえ老体さらしてんぞ」
出てくる出てくる、
悪態ばかりが、
湯水のごとく口から出てきます。
大男は、メットの影になった顔を歪め、
「勘弁してくれよ、なあ」
と、哀願の表情を見せるのです。
「かんべん?なにを」
「助けてくれよ、おっかあは、
それじゃあ風邪ひいちまうから」
「はははははっ」
なぜ、こんなに笑いが
こみ上げてくるのでしょうか、
僕は哄笑して、
また一歩でかい男に近づいていきます。
ヘルメットおじさんは、
その場にばたっとしゃがみこみました。
僕はそれを見下ろします。
おじさんの目には、涙が溢れています。
「俺とおっかあは、貧しいながらも、
2人で懸命に生きてきてんだ、
お前にもわかるだろ、」
こいつ、何を言ってんだ、
僕はそう思いながら、
彼をじろっと睨みます。
一体、「羅生門」のラストシーンは、
こんなだったのか、
そんなこと考えながら。
大男は、メットの影になった顔を歪め、
「勘弁してくれよ、なあ」
と、哀願の表情を見せるのです。
「かんべん?なにを」
「助けてくれよ、おっかあは、
それじゃあ風邪ひいちまうから」
「はははははっ」
なぜ、こんなに笑いが
こみ上げてくるのでしょうか、
僕は哄笑して、
また一歩でかい男に近づいていきます。
ヘルメットおじさんは、
その場にばたっとしゃがみこみました。
僕はそれを見下ろします。
おじさんの目には、涙が溢れています。
「俺とおっかあは、貧しいながらも、
2人で懸命に生きてきてんだ、
お前にもわかるだろ、」
こいつ、何を言ってんだ、
僕はそう思いながら、
彼をじろっと睨みます。
一体、「羅生門」のラストシーンは、
こんなだったのか、
そんなこと考えながら。
プロジェクト619日目。
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2020/3/19 619日目
■kindle 本日0冊 累計75冊 達成率0.71%
■文学賞公募作品の執筆状況 1作目半分くらい ※まだ賞は未定
■kindleアップのため『桜の闇』を推敲中
158ページ中50ページくらい了
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kindleでは「セノイピープル」「バスストップ」「悲しきウスバカゲロウ」が読めます→
『僕を知らない君へ』オープニング 1日目
