柏木さんを、意識したんだ。
それは、恋とかじゃなくてね

(順平の話では、
ミクちゃんはやけに
これを強調したらしいのですが、
ほんとのところ、恋愛なんて、
始まる前はひどく曖昧で、
どちらでもよいのかもしれませんが)

とにかくさ、ちょっと気にしちゃったから
それが行けなかったのかな、
あと、倉庫であんなとこ見て、
話したりしちゃったから。

柏木さんね、なんかあると、
他の人に話さないような、
要は、会社の愚痴とか、
田舎馬鹿にしたような話を、
わたしによくするようになったんだ。

わたし、自分の地元のこと、
馬鹿にされてるのわかってて、
ほのかに嫌な感じしてたんだけど、
それでも、彼が話す時は、
ただ黙って聞いて頷いたりしてた。
なんでだろう…、
嫌な気持ちしてたんだけどなあ、
なにも、言えないっていうか、
なんだか、柏木さん、
孤独で独りよがりで、
だからわざと言ってんじゃないのかな、
とか思ったりしちゃって、
否定とかしないで、
ただ聞いてなくちゃいけない、
そう思うようになってた。

あの倉庫でのことあってから、
もう2ヶ月くらい経ってたかなあ、
誘われたのね、
そう、デート、なのかな、
気晴らしに
休みの日ドライブ行かないかって、言われて、

わたしの勤めてたとこ、
量販店だから、土日とか休みじゃないのね、
シフトでみんな休むんだけど、
わたし、柏木さんに合わせて、
お休みとったんだ。

それで、どこ行くってなって、
浅間山の方か、
軽井沢行くことになったんだ。
わたしのほんと地元、嬬恋から、
浅間山のふもとのとこ通ってって、
北軽井沢の方まで、
彼の運転で出かけたんだ。

行ったの、馬鹿だったって思う?

(ここで、
ずっと背中を向けて話していたミクちゃんは、
ベッドのわきに座る順平に振り返りました。
順平は、何も口にはせず、
ただ、わかんない、みないなこと答えました)

わたし、すごいね、馬鹿だったなって、
今では思ってんだ。
あれがなかったら、
また他に、なんかよくわかんないけど、
なかったらね、
人生変わってたんだろうなって思うから。
 

プロジェクト579日目。

 

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2020/2/8 579日目

■kindle 本日0冊 累計75冊 達成率0.71% 

■文学賞公募作品の執筆状況 1作目半分くらい ※まだ賞は未定

■kindleアップのため『桜の闇』を推敲中

 158ページ中50ページくらい了

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『僕を知らない君へ』オープニング 1日目

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