僕には、
文章を意識して初めて書いた記憶が鮮明にあります。
小学3年生の時でした。
ごんぎつねの童話、
この作品の続きを書くという宿題でした。
ごんぎつねは、
知多半島出身の作家新見南吉の代表作です。
はじめに、ごんぎつねのあらすじを~~~~~~~~~~~~
ごんは早くに両親を亡くした孤独なこぎつねでした。
村でいたずらをしてよく村人たちを困らせます。
ある日、兵十が川で漁をしていると、
その捕った魚やウナギを逃してしまいます。
まあ、他愛もないいたずらのつもりだったんですが、
それから数日して、ごんは葬儀の列に出くわします。
兵十の母を弔う葬儀でした。
ここで、
兵十が病の母のためにウナギを捕まえていたことを
ごんは知るのです。
ここから、涙ぐましい、
ごんの償いがはじまります。
まず、魚屋から鰯を盗んできて、
兵十の家に投げ込む。
これは失敗。
翌日、どろぼう呼ばわりされた兵十は
魚屋からぶん殴られます。
それを知ったごんは再び反省。
なるほどね、自分の力でやんないとだめなんだ。
ようやく気づいたごんは、
自力で栗やマツタケを採っては、
兵十の家にこっそりと届けます。
兵十はごんがくれているとは知らず、
神様のおかげだと思い込みます。
それを知ったごんは寂しくなります。
その翌日、ごんが家に忍び込んだ気配に気づいた兵十は、
このいたずらきつねめ、とばかりに、
外に出ようとするごんを撃ってしまいます。
兵十がごんに駆け寄ると
その土間には、倒れたごんと栗やマツタケが散乱していました。
「ごん、おまえだったのか。いつも、栗をくれたのは。」
問いかける兵十に、
ごんは目を閉じたままうなずいて、そして絶命します。
兵十の手から火縄銃が落ち、筒口から青い煙が出ている
と、ここで物語は終わります。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
さて、この続きを書くというのが課題です。
子どもには、
寓話が意味するところを考えるなんて気持ちはもちろんなくて、
ただかわいそう、だと思うばかりでしょう。
今なら、この作品の底流にある南吉の孤独感であるとか、
人間が全て正義の成せる技では行かない難しさがあって、
大人になってからでも、
読むものにある種の感懐を引き起こさせるでしょう。
まあ、とにかくちびっ子であった僕は、
ひとまず、ごんを生き返らせました。
兵十が看病して、ごんは見事に怪我から立ち直りました。
それから、、、
旅をさせました。
なぜ知多半島の片田舎から、
オリエンタルな旅に出たのか、
その目的は憶えていません。
とにかく船に乗せたり砂漠をラクダに乗ったり、
古代生物と戦ったり、火山に落ちそうになったりと、
それはもう壮大な冒険談にしたてました。
原稿用紙に鉛筆を走らせます。
手を真っ黒にしながら、
どうにもこれは楽しい、と思っていました。
そして、
いよいよ発表の日です。
先生はよかったもの何作かを朗読すると言っていました。
僕は不思議なくらい、
自分のがいつ来るのか、
ただ自然に待っていました。
みんながワッとびっくりすると思っていたんです。
それこそ大冒険に驚く友達を想像していました。
ところが、
いくつかの作品を先生が読み上げ、
授業はあっ気なく終わりました。
あの時の呆然とした気分は、
今でも忘れられません。
昼休みにサッカーをやっていても、
どうも心ここにあらずになってました。
ぶっちゃけ言ってしまえば、
なってなかったんでしょう。
はっきり言って、
作文に関しては、全然だめでした。。。
小学校の卒業作文で、
お世話になったランドセルに語りかける、
というのを書いてみたんですが、
大好きだった当時の先生からは、
あなたは最初はいいんだけどねえ、だんだんだめになっちゃうんだよね、
みたいなことを苦笑いしながら言われていました。
この幼少期の、作文を書くという僕の思考プロセスは、
今でもたまに思い出すものです。
着想から、徐々に磨耗するようになって、力尽きる、
はて、こんなんじゃなかったのに、となる感じが、
小説家を目指し始めた最初の頃は、よくありました。
まあ、今思い起こしても、全然なってないんですよね。
結局僕は、
小学校の頃の苦い思い出を、
本当にトラウマみたいに意識して、
小説を書いているといっても過言じゃないんです。
今、10何年の執筆修行を経て、僕には、
「灯台サム」
「桜の闇」
「歪んだ絆」
「さまよう夏の日」
「カモシカララ」
「その目と耳をふさいで」
「鉢の中の金魚」
「セノイピープル」
「ロマンTV」(現在執筆中)
といういくつかの長編作と
4作ほどの短中篇があります。
子どもの頃の蹉跌を相当意識しています。
だからどの作品も、
かなり緻密なテロップを構成してから書き始めています。
けしてロマンチックではないんですが、
話が途中から変貌をとげて意外な展開に、
みたいなことはまずありません。
もう、最初から僕の中では決まっているんです。
書き出しから、
最後のシーンへ向けて始まっている感じです。
しかも書いているシーンは、
前後はけっこう言ったり来たりします。
思いついた箇所から書き足していって、
あとで繋げるような作業もしています。
これも全て、最初から構成があるから出来るわけでして、
多分これからも、このスタイルを崩すことはないでしょう。
若い頃に、
酔った勢いで書きなぐるように話を進めたこともありました。
しかしながら、
芸術がほとばしる!あふれる感性!
みたいなことは全然なくて、
しらふになって読み返したら、あほらしさに苦笑しか出ませんでした。
いやこれも否定じゃなく、
そんなふうに書けたらどんなにいいだろうな、とは今でも思っています。
僕の作品を評して、
客観性と一環した安定感のある文章
と評価していただいたことが何度かありました。
それを聞くと、僕は、小学校の頃を思い出して、
よかった、バレてないな、とほっとするわけです。
今では、とにかく助走するプロセスが成せる技だと思っています。
もちろん、
これが絶対的によい方法なんだと決めているわけじゃないんですが、
長編という長丁場の作業の中で、
僕にはこのやり方が性に合っていると思っています。
それから、
子どもの頃のトラウマは、
僕にふつふつとした情熱を沸き立たせてくれます。
そう、
これは、何年もかけたリベンジに違いないんです。
そういうエンジンを心に積んで、
今日も延々と空想と執筆を繰り返す、
うだるような暑さの6日目
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<span style="color:#ff0000;"><strong>2018/7/15 6日目【残り495日】
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