ロシアによるウクライナ侵攻 2年経過 状況記録
直近の1年は膠着している。
ウクライナによる反転攻勢はロシアの築いた防衛線に疲弊し
奪還した都市からの撤退が最近言われている
・制空権(航空優性ではなく)はウクライナ側対空兵器が概ね支配している
今ニュースで2機目の?A50撃墜
●空
・ウクライナ側航空機はかなり少ないらしく、海外援助の航空機がそろそろ投入される情報はあるが、パイロット不足は見えているので今後もウクライナ側の航空作戦は難しい。
・ウクライナ側ヘリコプターの前線での使われ方は全く情報なし。
・航空ドローンは主に索敵と観測で活躍している。
ウクライナ側前線兵士がドローンの音に注意している動画が多い
ロシア側ドローンに発見されると砲弾が来る為。
・手榴弾を落とすタイプのドローン映像が多く出ている
・対ドローン兵器で対空車両を見直す動きが出ているが決定的では無い
・ロシア側航空機は現在、遠距離からの滑空爆弾発射母機として使用されている
ウクライナ側の対空ミサイルにより前線には近づけない。
・ロシア側ヘリコプターは撃墜映像は出るので前線でまとまって使用されている雰囲気はあるがmanpadsに撃墜されている。今後は対ドローン兵器の充実が予測されるため、高度が被るヘリはますます前線での活動が難しくなると予測される。
●海
・黒海はウクライナ側の水上ドローンが支配しロシア艦隊は完全に沈黙した
これによりウクライナから黒海を利用した輸出が再開されている
●陸
・塹壕戦、歩兵戦の様相を呈しており、第一次世界大戦状態。
現在は砲弾の物量差によってロシアが優位。
・ロシア側戦車や戦闘車両が破壊される映像は多く出ており、
開戦当初にあった機動力を使った作戦は行われていない様子。
・ロシア側兵員は周辺国からの傭兵で賄われている模様。
・ロシアは大規模動員令を模索したが国民の反発が非常に強く諦めた。
・ウクライナ側の砲弾不足はかなり深刻なようで、二言目には砲弾不足が出てくる状態 万発レベルの155mm砲弾を必要としている。
・索敵ドローンと連携した砲撃システムが構築されている
・ハイマース等の長距離兵器は戦果が伝えられているが配置が限定的
・一部ハイマース車両の米国修理画像が出ているのでコンバットプルーフに最適。
・西側戦車がそろそろ投入されているっぽいが具体的な戦果の情報は無し
ロシア防衛ラインは戦車では抜けないか
併せてドローンによる密な索敵を考慮すると戦車は使えない模様
・ウクライナ兵員は開戦当初は外国人志願兵のニュースが多かったが現時点で増加しているニュースは無し。兵役逃れのウクライナ人男性がニュースになっている。
●他
・アメリカの支援は共和党の反対で滞っている。共和党の主義主張としてではなく、トランプ大統領候補への手柄争いの面が強い。
アメリカから遠い前線でロシアの体力を削る絶好の機会であり、ロシアへの協力国を明確にし、アメリカが同盟国に対してリーダーシップをしめす機会でもある。米国にとってウクライナ支援はメリットが大きいし、現時点では一番の支援国であることに変わりはないので、この共和党に起因する停滞と印象の悪化は悪手。
●勝利条件
・ロシアにとっての勝利条件を考察する
・当初はウクライナへの傀儡政権樹立だったが現状では不可
キエフ占領は現状では不可
開戦当初様子見していた外国は支援を決めている
・ウクライナのNATO加盟申請は確定
現時点でこれを覆す手段は無い
・ロシア周辺国のNATO加盟は確定
現時点でこれを覆す手段は無い
・黒海の制海権 優位性を完全に失った
・開戦前の兵器は概ね使い切った?
収支は完全にマイナス。石油で国力を取り戻せるか?
石油プラントの補修部品不足(禁輸で入手できない)の情報あり
外国製工作機械の稼働可否に関する情報は無いが時間の問題
・ロシアの軍事的能力が概ね明らかになった
指揮作戦能力がバレた上に開戦前の通常兵力を使い切っている
軍の立て直しまで次の戦争は不可
・ロシアの国際的印象と立場が悪化
その点ではイスラエルも同様だけど敵の強度が違うし 後ろ盾も違う
結果として現在のロシア支配地域の切り取りだけでは全く割に合わない状況
それ以上を望めない状況でもある
・戦争継続資金がロシア側のタイムリミットとなりえる状況
アメリカ+NATO側としてはロシアを資金面で破綻させるチャンスでもある
中国がロシアを資金面で支援するか?は不明
ウラジオストクを含む地域の割譲でもあれば別だけど、まぁない
あとはロシアの資源外交による外貨獲得の規模がどうなるか
米大統領選挙待ちもアリか...
もしトラ(もしもトランプが大統領に再任したら)問題として取り上げられている
トランプはウクライナ支援中止を明言しており、プーチンはそれを待つ手もある
・ウクライナ側の勝利条件としては
・国家の継続
・国土の奪還
というか
プーチン退場待ち が一番わかりやすい
ロシア国内でのプーチン支持率は高いけどプーチン退場後にこの戦争を続ける理由もモチベーションも無いとみています。
ウクライナ兵員不足、NATOの支援疲れと米国のトランプ共和党による支援打ち切りの可能性もありますが、戦場をウクライナに限定した状態でロシアの弱体化を図れるのであれば、NATOにとってこれ以上のシチュエーションは無いので支援は続けるメリットは大きいです。なんならこっそり志願兵を送り込んでもいいぐらい。
定石で考えれば黒海の制海権 制空権があるのでもう一度クリミア半島の橋を含めたロシア軍補給路(兼クリミアからの退き口)に圧をかけて、ロシアが南部に兵力を集めるなら東部奪還、さもなければ残った補給路にいやがらせしてクリミア半島の兵站を絞って時間をかけて攻略すればいい。ロシア軍の防衛線を抜くのは大変だって知見は得ましたよね。