「死ぬまでに見るべき絵」を見に行ったら、強烈な絵に出会ってしまった件 | 西方見聞録(旧パリレポート)

西方見聞録(旧パリレポート)

2015〜2020年パリ、2020年4月に本帰国しました。帰国後も”これは!”と思うものを探し、レポートしています!!

《死ぬまでに見るべき50の芸術作品》
 
先日ウェブを見てると、ふと
「イギリス・ガーディアン誌が選ぶ
"死ぬまでに見ておくべき50の芸術作品"」
と言う見出しが飛び込んできて、
 
"なになに、《死ぬまでに見ておくべき》って、
どんな絵だ?"ぶー
 
と見てみると、
1番目に載っていたのが
ロンドンのナショナルギャラリー所蔵
キリストの洗礼」
ピエロ・デラ・フランチェスカ)。
 
おっ! ロンドンのナショナルギャラリー!
 
ちょうどロンドンにいるし、
ナショナルギャラリーは無料だし、
ちょっくら行って見てみるか!もぐもぐ
 
と仕事が始まる前に
ちょちょっと行ってみることに。
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無料なので、気軽に入れるナショナルギャラリー!
 
「ナショナルギャラリー」は
ロンドンで最も有名な美術館で
所蔵作品はなんと2000点超。
 
有名作品も多く、
例えば、ゴッホの「ひまわり」。
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ナショナルギャラリーで最も人が集まってる絵です
 
モネの「睡蓮」。
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ジヴェルニーの池を描いてます。"日本の橋"が描かれています

レオナルド・ダ・ヴィンチの「岩窟の聖母」
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ダヴィンチが2枚書いたこちらの絵。もう一枚はパリのルーヴル美術館にあります
 
フェルメールの「ヴァージナルの前に立つ女」
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フェルメール晩年の作品。晩年と言ってもアラフォーのとき。借金地獄で、大変な晩年だったようです
 
ファン・エイクの「アルノルフィーニ夫妻像」
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ナショナルギャラリーが誇る作品のひとつ。よく見ると、非常に細かく精巧に描かれています
例えば、二人の奥にある凸面鏡
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この小さな鏡の中に、部屋の雰囲気が描かれています!

細かい、、、
 
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ナショナルギャラリー所蔵の
《死ぬまでに見るべき》3枚の絵
 
と、キリがないので
この辺りでそれはいいとして、
 
《死ぬまでに見ておくべき》作品の
「キリストの洗礼」はと言うと、、
こちら!
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こちらが、英ガーディアン誌が選ぶ《死ぬまでに見ておくべき》作品のひとつ、「キリストの洗礼」
 
ふーむ、、、
んー、、、
 
よく分からない、、、
 
解説をいくつか読んでも、
入ってこない、、
 
これはキリスト教のことを
よほど熟知してないと分からないかもです。
 
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そして、その
《死ぬまでに見るべきアート50》の
リストには、
ナショナルギャラリー所蔵の作品が3点あり、
他にあったのが、
 
ターナーの「雨、蒸気、速度−グレート・ウェスタン鉄道 」。
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モネの「印象 日の出」より50年前に描かれた作品。ターナー晩年の傑作です
 
しかしターナーと言えば、
個人的にはすぐ近くに掛けられている
解体されるために最後の停泊地に曳かれてゆく戦艦テメレール号」
の方が好きです!
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上の晩年の作品より、まだ輪郭があります。夕日がとても美しい!!
 
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もう一点が、
コンスタブルの「乾草の車」。
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イギリスの豊かな田舎が描かれています
 
とんでもなく金持ちで
とんでもなく広い家に住んでいたら
ぜひ部屋に飾りたい一枚です!ニコ

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一瞬で心を奪われた、危険な一枚!
 
と、《死ぬまでに見るべき》絵を見て、
ふらふら他の絵も鑑賞していると、
目に飛び込んできたのは、
この絵!!!
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フランチェスコ・アイエツの「スザンヌの水浴」
 
この絵の何に惹きつけられたかって、
彼女の目!!
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ひっ!滝汗 この冷ややかな目、、、
 
解説を読むとこの作品は、
 
若い女性(スザンヌ)の入浴を覗き見する
ふしだらな長老連中に対し、
(すけべじじいたち)
 
スザンヌが不安げで、蔑視するような、
それでいてかなり魅惑的な表情で
こちらを見ている
 
絵、と言うわけです。
 
これは旧約聖書にある
ひとつのエピソードを元にした
絵なのですが、
(長老連中が、若く美しいスザンヌに「自分たちと関係を持て! さもなければ、あらぬ罪で死罪にするぞ」と脅すシーン)
 
これと同じシーンを描いた絵は
実はかなりの数で描かれているようです。
(それだけ人気のシーンということ)
 
この絵は長老の視点に立っている絵なので、
この絵を見ると自分がスザンヌを
 
覗き見しているような
いやらしい感覚に陥り、
 
またスザンヌに対して支配的な
感情も沸き起こり、
 
さらにスザンヌにその美しさゆえに
誘惑されているような
 
そんな気持ちになります。
 
何とも巻き込んでくれる絵な訳です。
 
これは家に飾りたくないですねー。
心がざわついて仕方がないので!おーっ!おーっ!
 
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と、他にも
まだまだ素晴らしい作品が
てんこ盛りのナショナルギャラリー。
 
こんな美術館が無料な
ロンドンが羨ましいです。。