シチリア島、『ニューシネマパラダイス』の村へ(その2) | 西方見聞録(旧パリレポート)

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2015〜2020年パリ、2020年4月に本帰国しました。帰国後も”これは!”と思うものを探し、レポートしています!!

シチリア島、

『ニューシネマパラダイス』の村へ、
その2です。
 
話が長くなってしまっているので、
分けています。。
 
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前回のブログでは
ナポリからフェリーで
シチリア島のパレルモに入り、
レンタカーを借りて出発するところまで
書きましたが、
今回はそこからです。
 
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いざ、ニューシネマパラダイスの世界へ!
 
ニューシネマパラダイス、
見たことがない方にとっては
なんのこっちゃですが、
 
ざっくり言うと、
こんな感じの映画です。
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舞台は
第二次世界大戦で敗戦したイタリアの
貧しいシチリアの田舎町。
 
何もない街にある
たった一つの娯楽は
街に唯一ある映画館に行くこと。
 
その名も「パラダイス座」。
 
そこに足繁く通う
少年トトと、
 
映写技師のアルフレード。
 
2人の父子にも似た友情、
やがてトトに訪れる初恋、
そして映画全編に流れる
映画への深い愛情を描いた作品です。
(説明が下手ですいません、、、)
 
私は何度見ても泣いてしまうほど
大好きな映画ですが、
奥さんは映画が始まって20分も経たずに
船を漕いでいました。
 
人によって感想は
まちまちかも知れません(^^)。
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そんなニューシネマパラダイス、
撮影はシチリア島の
幾つかの場所で行われたようですが、
 
メインとなったのは
シチリア島の内陸部に位置する
"パラッツォ・アドリアーノ"という村。
 
シチリア島の位置はこちら
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そして、そのシチリア島をズーム!
こちらがシチリア島。
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パラッツォ・アドリアーノは内陸部、西側にあります
 
シチリアの中心部パレルモから
山間の道を入っていくこと
約2時間。
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シチリア島、結構緑が豊か
 
到着しました、
ニューシネマパラダイスの
舞台となった
パラッツォ・アドリアーノ!!!
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こちら! おーーー! 村の広場。映画のまんまです!!
 
内心、
結構近代化してるんだろうなー
と思っていたら、
全く映画のまんま!!
 
ここは、時間が完全に
止まっているようです。
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映画に出てくる噴水、水汲み場もそのままです
 
これは
ニューシネマパラダイスが
好きな方には堪りません!!
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ここは、トトのお母さんが、トトが買い物のお金を映画に使ってしまって怒るシーンの場所!

映画に出てくる映画館は
この映画のために作ったものなので
今はありません。
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広場に面した建物に
映画の記念館(ミニ博物館)があります。
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街の案内所に行ってチケットを買います
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案内所内は、ニューシネマパラダイスに関する写真などが展示されています
 
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こちらは来場者ノート。もう約30年前の映画ですが、未だに来る人が絶えないようです。私たちが行った日の2、3日前にも日本人だけでも3組ほどがノートに名前を書いていました
 
1ユーロのチケットを買って
映画で使われた道具などを
保管してあるミニ博物館へ!
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映画で使われた小道具が飾られています
 
部屋の中に入ると、
案内してくれた方はテープのボタンを
スイッチオン!
 
すると、
あのニューシネマパラダイスの
テーマ曲が流れてくるではありませんか!!
 
何とも心憎い演出!
エンニオ・モリコーネの名曲たち。これだけで泣けます、、
 
一瞬で映画の世界に
連れて行かれました。
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おおおおー!! これはアルフレードの自転車!
 
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ここのハンドルにトトが乗ったわけですね!
 
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これはアルフレードの杖!
 
涙が出そうでしたが、
ぐっと堪えて見ていると、、、
 
おっ! 監督!
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ジュゼッペ・トルナトーレ監督。左の青い服を着ている方です(腕を組んでない方)
 
何と、驚くことに
トルナトーレ監督のこの時
(ニューシネマパラダイスを作った時の)
の年齢、
 
29歳!!
 
信じられません。。
 
29歳でこの作品を、、、
(監督だけでなく、
脚本もトルナトーレ氏が書いてます)
 
天才。。
 
29歳にしちゃ
老けてるけど、、、
 
トルナトーレ監督はこの映画で
・アカデミー外国語映画賞
・カンヌ国際映画祭審査員特別賞
を受賞。
 
その後の作品、
『海の上のピアニスト』でも
数々の賞を受賞しました。
 
すごい人です。
 
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話は戻って、
パラッツォ・アドリアーノ巡りです。
 
博物館を出て、
スタッフさんが映画館があった場所を
教えてくれました。
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映画館があった場所に、書き込んでみました(^^)
 
こんな感じで、
あったようです!
 
スタッフの方に
街の案内図をもらい、
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きちんとビニールケースに入って紐まで付いて、首からぶら下げられるようになってました、、、
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広げると街の地図です
 
地図には番号が振ってあって、
その番号通りに行くと、
映画の撮影場所を巡ることができる
というようになっています。
 
まずは、
アルフレードの家から。
 
路地を入っていくと、。
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んー! それっぽい雰囲気!
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ありましたー! アルフレードの家! この階段、映画で使われてます!
 
さらに行くと、、
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完全に時が止まってます。何度も言いますが、これはセットではありません!
 
ありました!
トトの家!!
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ここです! フィルムが燃えて、トトがお母さんにこっぴどく怒られるシーンです!
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凄い、、映画のままです、、、
 
いやー、
本当に凄いです。
 
こんなに変わってないとは
思いませんでした。
 
広場に戻ってきて、
見たかったのは、
やはりここ!!
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ここは、アルフレードが映画を外に映し出した場所!
 
ちょっと変わってますが、
この家の壁をスクリーンにして
映画を映したわけです。
 
 
映画館の中は、
街の教会の中を映画館にして撮影しました。
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こちらの教会です。残念ながら、この日は閉まってました。。
 
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街で見つけた、ここで撮影が行われたことを物語るタイルの絵
 
そして、
入ったカフェで「映画に出てた」という
おじいさんに遭遇。
 
ほんまかいな、
と思いながらも、
写真を撮らせていただきました。
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自称、ニューシネマパラダイスに出てた、というおじいさん
 
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そして、もう一箇所、
行ってみたかったのが
主人公のトトがローマに
旅立つシーンが撮影された場所。
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別れのシーン。アルフレードがトトに言うセリフ「自分のすることを愛せ。子供の時、映写室を愛したように」。泣けるセリフです
 
このシーンは、
"パラッツォ・アドリアーノ"ではなく
海沿いの街"チェファル"郊外の駅、
"ラスカリ"で撮影されました。
 
車を走らせ行ってみると、
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あ、ありました。"ラスカリ"駅の標識。でも、、、
 
駅がない!!!
 
と言いますか、
めっちゃ工事してます!!!
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げーーーっ! 駅が、、、跡形もなく取り壊されてる!!!
 
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ぐわーっ! これは一体、、、
 
これは、、
新しい駅舎に建て替えしてるんだな、、
 
と思い、近くにあった
売店に行って聞いてみると、
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ラスカリ駅前の売店。多分昔からあった売店

店主は英語が話せなかったのですが、
客の1人が
「あー、ここの駅はもう
取り壊されたんだよ。
新しい高速鉄道が走る予定なんだ」
 
「どこから来たんだ? 日本?
あー、日本もだいぶ変わっただろ。
イタリアだって同じさ」
 
とのこと。
 
 
ちーん、、、
 
 
というわけで、
別れのシーンの駅は
もう2度と見れなくなってしまったわけです。。
 
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と、ニューシネマパラダイスの
ロケ地巡りはこんな感じです。
 
取り壊された駅は残念でしたが、
パラッツォ・アドリアーノは
本当に時が止まった村でした。
 
映画で兵役を終えて帰郷したトトに
アルフレードが言うセリフ、
 
「村を出ろ。
ここにいると何もかも不変と感じる。
一度村を出たら、長い間帰るな。
年月を経て帰れば、
懐かしい土地に再会できる」
 
そして、別れのシーンで
アルフレードが言うセリフ。
 
帰ってくるな。
ノスタルジーに惑わされるな。
私たちを忘れろ。
手紙も書くな。
我慢できずに帰ってきても
私の家には迎えてやらない」
 
アルフレードのトトへの愛が
詰まったセリフですが、
 
なるほど、
監督がこの街を選んだ理由が
わかるような気がしました。
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村周辺の道沿いにたくさん生えていたサボテン。トトとエレナがこれを皿にして、サラダを食べてましたが、確かにこの村の風景なのですね! それにしても、劇中のエレナの美しさって言ったらありません