マラケシュの"革なめし職人地区"で、リアルな革作り方を目の当たりに!! | 西方見聞録(旧パリレポート)

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2015〜2020年パリ、2020年4月に本帰国しました。帰国後も”これは!”と思うものを探し、レポートしています!!

1月7日(土)

天気:極寒(マイナス3度)。。
 
モロッコ旅行7日目。
といっても、もうパリに戻ってますが、
モロッコから戻って疲れが出て、
ブログの続きを書けませんでした。。
 
7日目は夕方にパリに戻る便だったので、
午前中はマラケシュの観光名所、
バヒア宮殿を見て回り、
 
その後、個人的に行ってみたかった
マラケシュ名物"革なめし職人地区"へ!!
 
"革なめし職人地区"とは、
マラケシュのメディナ内にある
"革を作り出す"作業をしている地区。
 
もともと"革"が大好きで、
その"革"が生み出されるところを
ぜひ見てみたい!!
 
と昔から思っていたこともあり、
かなりワクワクして現地に赴きました。
 
現地は、メディナの中心地から
少し離れたところ。
迷いながらなんとかたどり着き、
現地の案内人にチップを払い、
"革なめし地区"の中へ!
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おおお! これが革を作るところです!!
 
そもそも"革なめし"って
何ですか?
 
という方がほとんどだと
思いますが、
※ここからちょっとウンチクです。。
 
"革"について
サクッと説明します。
※すいません、偉そうで。。
 
"革"は元々動物の"皮"からできていますが、
"皮"はそのまま使うと、
腐ったり、乾燥してカチカチになり
製品としては使えません。
 
そこで、"皮"を腐らないよう、
そしてバッグや服などの
製品として使用できるように
処置を施す必要があります。
 
その処置を"なめし"と言い、
その"なめされた皮"を
"革"とよぶのです。
 
そして、その"なめし"には
大きく2種類の方法があって、
 
一つは昔からの方法で、
天然の植物などを使用する
「植物タンニンなめし」。
 
もう一つは、
化学薬品を使用する
「クロムなめし」です。
 
※もう一つ、それらを組み合わせた
「混合なめし」もあります。
 
現在の主流は、「クロムなめし」。
ざっくり言うと、
流通している革製品の
8割は「クロムなめし」で処置したもの。
 
というのも、
「クロムなめし」でできた
「クロムレザー」のほうが、
用途が多様で品質が優れており、
また、なめし費用が安価で、
大量にできるからです。
 
※「クロムレザー」は、〈品質が長期間安定〉〈メンテナンスしやすい〉〈薄くて軽い革を作れる〉〈染色加工しやすい〉というメリットがあります。
 
 
一方、
「植物タンニンなめし」でできた革は、
・時間の経過とともに、色が変わりやすい
・メンテナンスが必要
・厚くて重い
のが特徴。
 
作る費用も高いので、
この方法で革を作る業者は、
今では世界中でたった1割ほど。
 
しかし!
植物タンニンなめしで生まれた革
(植物タンニンレザー)は
・時間の経過とともに、飴色に変化する
・自分の手入れ次第で、美しい革に変化する
ため、
使い込むほど味が出ます。
 
そのため、世界中の革好きからは
とても重宝されているのです。
 
 
さらに細かく言うと、
植物タンニンなめしにも
「ピット製法」と「ドラム製法」の
二つの製法があります。
 
簡単に言うと、
「ピット製法」はタンニン液が入った
水槽に皮を漬け込んで
なめす方法。
 
これは最も原始的な製法で、
手間と場所とコストがかかりますが、
型崩れしにくい堅牢な革に仕上がります。
 
もう一つの「ドラム製法」は、
巨大な洗濯機のような「ドラム」に
タンニン液と皮を入れて、
強制的に液を染み込ませる製法です。
こちらの方がコストと時間は
カットできます。
 
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と、長々革の製法について
書いてきましたが、
何が言いたいかというと、
 
マラケシュの"革なめし地区"では、
「植物タンニンなめし」かつ、
「ピット製法」で革を作っているということ。
 
つまり、場所と時間と人手がかかる
最も原始的な方法で作られているということ。
 
そのため、
高品質で、味わい深い革が
ここで生み出されているのです。
 
さらに、革本来の作り方を
見学することができます。
 
これはかなり貴重なことです!!
 
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さっそく見ていくと、
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皮をタンニン液に漬け込んでいます
 
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水槽に入って、皮を取り出しては、べつの工程の水槽に移したりしています
 
そしてこちら、
なにが凄いかって、
とにかく臭いが強烈!!
 
皮の腐った臭いや、
タンニン液の臭いがエリアに
充満しているので、
これは大変です!!
 
そのため、
観光客には案内人から
ミントが手渡されます。
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このようなミントです
 
観光客はみな、
このミントを鼻に付けて
ここを見学します。
 
本当に大変な仕事です!!
 
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このように漬け込まれた皮を
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乾かして、
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干して"革"にします!

水槽には様々な植物から採取した液が
使われますが、
何とこちらは鳩の排泄物の水槽!
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そんなものも使うのですね!!
 
鳩の排泄物って、、
どうやって採取したのか。。
 
鳩の糞の成分が
革を柔らかくするそうです。
 
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と、革なめしを見学し、
そのあとはランチを食べに
レストランへ。
 
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出来立てホヤホヤのレストラン『ラ フェルム La Ferme』
 
こちらの『ラ フェルム』は
宿泊したリヤド『ダルグラワ』と
同じオーナー。
 
つまり、オーナーのご婦人は
日本人(桜井さん)です。
 
レストランであり
ホテルでもあるこちらの『ラ フェルム』、
コンセプトは"農場"。
 
田舎の自然の中にある
ホテル&レストランのイメージです。
 
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庭にはロバがいます(^^)
 
料理は、マラケシュ名物
『タンジーナ』を注文。
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『タンジーナ』。壺の中で煮込んだ肉料理です。こちらは鳥です
 
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このように、皿に出してくれます。こちらは牛肉です

肉がホクホクして柔らかく
美味しい!
 
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スープも美味しい!(^^)
 
こちらの『ラ フェルム』は
スークの近くにあり、
観光にもかなり便利!
 
清潔で快適にマラケシュで
滞在したい方にはぜひオススメです!!
 
以上でモロッコの旅は終了!
パリに戻ります!!