パリでユダヤのコンサートに行って思ったこと | 西方見聞録(旧パリレポート)

西方見聞録(旧パリレポート)

2015〜2020年パリ、2020年4月に本帰国しました。帰国後も”これは!”と思うものを探し、レポートしています!!

11月9日(月)
天気:晴れ


昨日、家の近くで
ヨーロッパユダヤ音楽協会主催の
コンサートがあったので
行ってまいりました。

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ヨーロッパユダヤ音楽協会のコンサート、どんなものでしょう

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SALLE(Theatre) ADYAR。7区エッフェル塔近くにあります

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中は大変な賑わいです。アジア人は、ほぼいません

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キッパ(ユダヤ教徒が被る、小さな帽子です)を被ったユダヤの方もいらっしゃいます

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ホールは小さく、こじんまりとしています

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素晴らしい演奏です

演奏は、特にユダヤの民族音楽
ではなく、
ヨーロッパのクラシック音楽です。

久しぶりに
素晴らしい音楽を聞き、
感動しました。

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コンサートのあとは、ロビーで軽食やデザートのサービスも

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これはユダヤのお菓子でしょうか? 美味しい!


と、素晴らしい
演奏会を終え、
家路に着きました。


さまざまな文化に
触れ合えるのも
パリの大きな魅力です!










・・・・・・・・・・・・・・・・・
と、今日はここで終わり
ではありません。

ここからは
かなり長く、
また真面目な話なので

長い話が苦手な方は
ここで終わりにされた方が
いいかもしれません。






パリには多くの
ユダヤ人の方がいらっしゃいます。


ユダヤの方もいれば
アフリカ系の方もいる、
アジア人もいる、
様々な人種の方が
パリには多くいらっしゃいます。


今日は少し真面目ですが、
フランス人とは何か。

このコンサートのあと、
もう一度
考えてみました。


フランスに来るまで
よく知らなかったのですが
(まだよく分かってませんが)
フランス人とは
民族的な定義ではありません。

フランス人というと
白人のおしゃれな人たち
と思っていましたが、
とんでもありません。


フランス人とは(になるに)
過去を捨てることではなく、
フランスの文明を理解し、
フランスに加盟すること。
フランスと文化を共有すること。

とサルコジ元大統領が
言っていました。

自由、平等、博愛
このフランスの理念を共有し、
フランス語を話し、
共に生きることです。


つまり、血・民族では
ありません。


ゆえに、
本当に色々な人がいて
価値観もバラバラです。


なので、
フランス人はこんな人々!
と特徴を言うのは
かなり難しいと
感じています。


実際、
このたった4か月ですが、
私が知り合ってきた
フランス人は、
見た目は私などにはまったく
分からないのですが、
イタリア、ユダヤ、ロシア、
アラブ、ベトナムなど
様々な血が入った方々で、

彼らの親は
それらの国々から
きた人々だったりするので
実際親の国の文化の影響を
強く受けていると
思われます。


実際話をすると、
やはりみなさん自分のルーツは
誇りにしていらっしゃいます。


その誇りを胸にしながら
フランスの理念とともに生きる、
それがフランス人だと思います。


確かに国の仕組みとして
働くことを制限したり、
労働者を強く守る法律があるので、
どうしても
日本人ほど働かない
印象は拭えませんが、

フランス人はこうだ!
と定義づけるのは
ちょっと無理な気もします。


私の知っている人だけでも、
みんな全然違うので、
私には定義付けできません。

家に、フランス人はこうだ!
とアメリカ人が書いた本があって
たまに目を通すのですが、
面白いと思う反面、
そうかなー、といつも
思ってしまいます。


例えば
「フランス人は
人の話を聞かない」
と書いてありますが
みんな真剣に話を聞いてくれるし、
「店員は客を客と思ってない」
と書いてあったのですが、
真摯に対応してくれる店も
たくさんあります。


「血液型がA型の人は
マメな人が多い」
そういう定義付けに近いと
感じています。



ただ、フランス人とは
ではなく、
フランスとはどうゆう国か、
ということは言えると思います。

フランスとは、
一言で言えば、
理想に生きる国です。


人間らしく生きるための
理念を皆で共有して生きる。

その理念を共有するものは、
例えば肌の色が違っても、
宗教が違ってもいい。

そして、弱きを助ける社会、
弱き者には手厚い保護を、
来るものは拒まず、
です。

税金は、生活必需品には安く、
贅沢なもの、サービスには
高くかける。

医療の保証なども
皆が受けられる社会。
アメリカのように、
お金がないものはさようなら~
の社会ではありません。


と、まさに
人類が目指す究極の社会を
体現しているのですが、

どうしても、無理があるので
さまざまな社会問題も
発生しています。



それは主に移民の問題です。
移民の子は貧しいから
教育が受けられない、
だから社会的弱者になってしまう、
のではありません。

貧しくても教育が受けられる社会、
それがフランスです。

国が鉛筆やノートのお金まで
面倒見てくれる社会です。

問題は親の価値観。
親が教育の重要さを
理解していないために
子が教育を受けるのを
止めてしまう、
そのようなケースが
多いとのことです。


特に南仏は移民が多く、
治安がかなり悪化していて
大きな問題になってします。


それでも、崇高な理想を掲げ、
それを実現しようと奮闘する
フランスは、
あっぱれな国であります。

更に移民問題で
ヨーロッパが揺れている中、
この理想を求める国が
どうなっていくのか、
高い関心を持って
見守っていきたいと思っています。