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寛解生活(急性骨髄性白血病闘病記)

原題:「入院生活」
2011年7月、急性骨髄性白血病で入院。寛解導入療法、3回の地固め療法を受け、2012年2月に退院。2012年4月に職場復帰。通院にて維持療法継続中。
治療や入院生活、退院後の生活のことなどを書いています。
Twitter: @RickPennyroyal

前回の投稿から10ヶ月が経ってしまいました。余裕がなかったんでしょうか。前回の投稿で、ふっきれてきたというようなことを書きましたが、維持療法や再発の可能性が残っていることから、それでもなおふっきれない部分があって、それとの折り合いを付けつつ過ごしてきたように思います。

今は、2年弱の維持療法の最後のクールの中盤です。抗がん剤の量を途中のクールから減らしてもらっているので、なんとなく気持ち悪いという程度で、あまり支障なく生活や仕事ができています。

この気持ち悪さも、ひょっとするとこれが最後かと思うと、あじわい深いものです。これが、終わると、また違った気持ちになるかなあと思い、久しぶりに筆を取った次第です。

ここまで長かったなあ。でも、寛解から5年までは、これでまだ半分。長いなあ。
随分とブログの更新を怠ってしまいました。

先日、無事に退院から一年を迎えました。維持療法は続いていますが、完全寛解を維持しています。

半年に渡る化学療法を終えてヘロヘロの体で退院したころからすれば、発病前の元の日常にかなり近い生活をしています。

退院直後はもちろん、職場に戻ったころは、何をするにも「ふらふらながら、がんばってる感じ」(友人談)でしたが、次第に、気がつけば一日一日が自然に過ぎるようになってきました。

これには、体力が回復してきただけでなく、気持ちの変化も大きいです。

最初は、自分の中で、大きな病気をしたという意識(実際にそうなんですが)、体力・免疫力の面での不安、そして再発への恐れがブレーキになって、(体力的にはできるのに)踏み切れないことが多かったように思います。

それがふっきれてきたのは、ある癌サバイバーの「じっとしていたからといって再発しないわけではない」という言葉に影響されたこともありますが、やはり時間の経過が一番大きいと思います。半年前は、がんばっても今のような気持ちにはなれませんでした。

こう書いているとすっかり治ったような感じですが、まだ体力も仕事も(収入も、、、涙)完全に元通りではないですし、完治まではあと4年なので、この過程を通り過ぎた先輩サバイバーにはまだまだこれから長いんだと笑われそうですね。

久しぶりの投稿で力んでしまいましたが、これからも健康第一で暮らそうと思っています。(仕事のことになるとそうもいっていられないのですが、そのことはまたおいおい書きたいと思います。)
今日は、維持療法について書きたいと思います。

主治医の先生の判断は、維持療法を行うべきかどうかは諸説あって悩ましいけれど、私の場合は発病時に白血球の数が同じような白血病の中でも比較的多かった(がん細胞が特に活発だった)ため、維持療法を行わないで再発するリスクと維持療法による副作用などのリスクを天秤にかけて考えると、維持療法を受けた方がいいというものでした。

そもそも寛解という状態は治ったのかどうか分からない状態ですし、維持療法を受けたからといって再発を必ず防げるわけでもなく、維持療法の必要性も効果も誰にも完全には分からないのですが、素人が調べても結局良く分からないので、専門家である主治医の先生の感覚を信頼してその判断に従うことにしました。

ちなみに、セカンド・オピニオンを取ろうかとも思いましたが、医師の知り合いを通じて別の専門家に感覚を聞いてもらい、受けた方がよいんじゃないかということだったので、正式なセカンド・オピニオンまでは取りませんでした。

やり方は、ATRAを一ヶ月、抗がん剤(飲み薬)を一ヶ月、休薬一ヶ月の3ヶ月のサイクルを約二年間続けるというもの。現在、二回目のサイクルに入っています。

ATRAは、急性前骨髄球性白血病(M3)に有効な分子標的薬で、白血病により未成熟なままな白血球を成熟させるものです。

抗がん剤は、飲み薬で、入院中の寛解導入療法や地固め療法のときに点滴で入れたものよりソフトなもの。とはいえ、骨髄抑制効果があり、白血病細胞が顔を出すのを抑えると共に、正常な造血機能もやや抑えられますので、(外出、仕事もできますが、休薬期間比べて)感染予防などに気を使います。あと、将来的に骨髄異形成症候群(MDS)が発症しやすくなるという副作用もあるとのことで、少し恐ろしいですが、目の前の白血病の再発の方が怖いので、やむなしです。

実際に服用してみた感じですが、ATRAは、飲み始めに軽い頭痛がするだけで、その後は全くなにも感じませんし、血液検査の数値も動きません。

抗がん剤の方は、日常生活やデスクワークに支障はないレベルながら、飲み始めから早速にだるさを感じます。だんだん胃腸も荒れてくる感じがします。(実際、一回目の後半に下痢をしてしまいました。)服用期間が終われば、すぐに気持ち悪さなどは治りますが、骨髄抑制効果があるので、服用期間の後半から終了後しばらくの間は、白血球などの数が減ってしまいます。一回目サイクル終了から二週間後の検査のとき、白血球数が2,000くらいまで下がってしまっていました。このときは、すっかり元気になっていて健康な人の気分だったので、この数値には焦りました。なお、そのさらにニ週間後(抗がん剤終了から四週間)には6,000近くまで回復しました。

抗がん剤の服用期間は、抗がん剤を飲んでいること自体によって気持ちが憂鬱になります。(反動で、薬が終わって数日は少しハイ・テンションとなります。)がん細胞の増殖を抑えるという点を除けば、要は毒ですからね。効果がはっきりしないのに、気持ち悪くなったり、副作用などのリスクがあったり、あるいは、ひょっとしたら完治してて後になってみるとやらなくてもいいことかもしれないと考えると、なんだか腑に落ちない感じもあります。しかし、とにかく目の前の再発を避けたい、やらないで再発したら後悔しそうという気持ちで維持療法を受け続けています。

体力は回復を続けていますが、この維持療法とこの先二年近く付き合っていかなくてはならない(また、そもそも再発のおそれがある)ので、仕事や生活のペースをどのタイミングでどれくらいずつ上げていくか、悩ましいところです。