相談に乗ってもらいたい のでお会いしたい ~話すとスッキリすること~
で、どうしたいの?
と、思わず尋ねてしまいました。
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知り合いから、
相談に乗ってもらいたい ので お会いしたい、 とのメールがありました。
同年代の女性でバリバリ仕事をしている人で、
職場が違う私のほうが、かえって相談がしやすいのかもしれない、
と思って、会うことにしました。
たしか、役職についたはず、
相談って、込み入った話しかもしれない、とちょっと心配になりました。
指定の場所は、駅前のコーヒーショップ。
駅前だけに、人の出入りが多く、ザワザワしていて、
落ち着いて話せるような場所ではありません。
早目に行って、静かそうなお店がないかどうか、少し歩いてみました。
幸い、駅から少し離れると、よさそうなお店も何件がありそうで、
待ち合わせ場所のコーヒーショップには入らず、入り口付近でウロウロしていました。
やって来た知り合いも、忙しそうな店内を見て、場所を変えることにして、
そろそろ夕食の時間、ということで、
食事をすることになりました。
知り合いは、ビール飲んでもいい? その方が話しやすくなる、と。
もちろん、私に異存はありませんが、
これは、かなり重たい話しなのかしら、とちょっと構えました。
込み入った人間関係、
それぞれの仕事ぶりや力関係、
等々の話しが、続きました。
話しを聞いて、問題の人物、そのひとりは、何となく様子がわかってきたのですが、
やっぱり職場が違うと、イマイチ、落としどころが見えてきません。
ここは、まとめ役になっている知り合いが、
その権限を行使してもいいところだろう、と思って、
尋ねたのでした。
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知り合いは、う~ん、としばらく考え込んで、
まぁ、部長の言うとおりかなぁ、と。
私は、・・・してみたら? と、いくつか提案してみたのですが、
あまりピンと来ていないようです。
職場の雰囲気も、よくわからないままですので、
相談に乗れなかったなぁ、と思ったのでした。
ところが帰り道、知り合いは、
あ~ぁ、スッキリした! また会ってね!
と言って、ニコニコと、改札に消えていったのでした。
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相談とは、
「問題の解決のために話し合ったり、他人の意見を聞いたりすること」で、
乗るとは、この場合には、
「誘いや持ち掛けに応じて仲間や相手になる」ことです。(『大辞泉』)
相談に乗ってもらいたい、ということは、
相談に乗る側は、
問題解決のための話し相手になること、
問題解決の助言をすること、だろうと思うのです。
今回話しをしたことで、問題の解決策は、残念ながら何も出ませんでしたが、
知り合いは、とても気持ちが晴れたのです。
それはそれで、とてもよかったのですが、
これは、相談ではなくて、話しをきいてほしい、
ということだったのではないか、と思ったのです。
ようは、愚痴を言いたかった、のかもしれません。
そして、本人はそのことに気付いていない可能性もあるのです。
私達は、自分の本当の気持ちや動機を、自分自身に対してもごまかすことがあります。
維摩会 春秋館では、自己分析に多くの時間をかけていただきますが、
それは、自分がなぜそうするのか、ということの本当の意味に気が付くのは、
けっこう難しいからなのです。
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愚痴を言いたくなるのは、私もまったく同じで、
愚痴を言うことでスッキリして、また仕事にがんばれるなら、
いつまでもグズグズするより、
はるかにいいことに違いありません。
知り合いの、ニコニコと手を振った別れ際の表情は、
それを物語っているようでした。