背面テーブルの上に きれいに並べて写メを撮る ~見栄え見映え~ | 今日の恵み  維摩会 春秋館の恵み

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 乙女のトキメキ乙女のトキメキ背面テーブルの上に きれいに並べて写メを撮るオーナメントオーナメント                  ~見栄え 見映え~

 

 

うわ~、かわいい~、との声に、

思わず、隣に目を向けました。

 

新幹線の通路を挟んで、二人掛けのシートには、

十代後半ぐらいの女の子がふたり、並んで座っています。

2人とも、背面テーブルを広げていて、

テーブルの上には、こまごまとしたものがたくさん乗せられています。

 

ひとりが、小さな包み紙を開いて、何か丸いものを取り出していたのでした。

そして、それをテーブルの上に乗せると、

色々と並べ替えて配置を整え、

スマホを取り出し、カシャッ、と写真を撮りました。

 

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「インスタ映え」は、2017年の流行語大賞でしたが、

まさに流行語で、今はあまり聞くことがありません。

 

写真を撮る時に、見栄え・見映えするように、見栄え・見映えよく、撮るのは、

ごく普通のことで、

その写真を、SNSで投稿するならば、なおさら、見栄えが気になることでしょう。

画像処理や編集、という以上に、

加工、というアプリもたくさんあるようです。

 

加工すると、実物ではない、ということになるのでしょうが、

そもそも、写真も実物ではありません。

とはいえ、そもそも写真は、写実的だったのでした。

だからこそ、絵画が存在するのでした。

そうであるならば、いまの加工された写真はむしろ、

絵画的領域、と見た方がよいのかもしれません。

 

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現実とは何か、ということは、

ヴァーチャルな世界が徐々に現実味を帯びてくるにしたがって、

とらえどころがなくなってしまいそうに感じます。

一方で、現実はそもそも仮象であるというのが、仏教の教えであると、

維摩会 春秋会の御講義で知りました。

仮象であるのが現実であるならば、

見栄えをよくする、ということで、良いのです。

むしろ、仮象の見栄えは、仮象を作っているもとの本体の見栄え、そのものになります。

 

買ったばかりの品を、あれこれときれいに並べて見栄えをよくするのも、

なにやら、意味深に、思えてきたのでした。