ノックをしたら ドアを開ける? 声をかける?
~順番~
今ごろは、ドアを開けてから挨拶するでしょう、
と、同僚に言われて、
あら、ほんとうに、と初めて気が付きました。
どなたかの部屋を訪ねるとき、
私の年代では、
ドアをノックして、朝であれば、おはようございます、と挨拶の声をかけ、
返事があってから、ドアを開けています。
今ごろの若い人たちは、ノックをしてすぐにドアを開け、
それから、挨拶をすることが多いようです。
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ネット上には、面接、入室のマナー、などのタイトルで、
多くの情報が掲載されています。
面接では、
ドアをノックし、「どうぞ」と返事があってから、
ドアを開ける前に「失礼します」と言う、とありました。
ノックは3回が一般的、なのだそうです。
プロトコール、と呼ばれる、世界基準のマナーがあります。
いろいろな国の代表が集まる国際会議の場、などでの礼儀作法のことですが、
そのプロトコールのマナーでは、
ビジネスでの入室確認のノックは4回、
身近な人への入室確認のノックは3回、
空室確認のノック~トイレなど~は2回、なのだそうです。
日本は、ビジネスシーンでも3回が一般的だそうです。
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私の年齢では、おそらく、特別に習ったわけではなく、
なんとなく身に付いている、ということかもしれません。
そもそも小さい頃、家は障子や襖(ふすま)ばかりで、
お客様がいらしていて、ご挨拶しなければいけない時には、
客間の襖の手前で、こんにちは、とか、失礼します、など声をかけてから、
襖をあけていました。
お客様にお茶をお持ちする時などの母の様子を見て、覚えたのでした。
襖や障子は、客間の中の気配も察しやすいので、
そのあたりのマナーは、洋間とは随分雰囲気が違いそうです。
生活空間というのは、物の見方考え方に直結するもののようです。
維摩会 春秋館で、
部屋をきれいにする、ということをよくお聞きしますが、
それが精神性と直結するから、だろうと思います。
ドアの生活と、障子や襖の生活との違い、は大きいと思うのですが、
配慮、ということも精神性の現われに違いありません。
ドアでも障子や襖でも、中の人の返事を待ってから開けるのは、
面接の正しいマナーであるのですが、
それ以前に、
中にいる人への配慮や気配りなのではないかしら、と思うのでした。