緑なのに青なの?  ~三歳のボクの問い~ | 今日の恵み  維摩会 春秋館の恵み

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        ● 緑なのに青なの?                        ~三歳のボクの問い~

 

 

帰宅途中の歩道、赤信号で止まりました。

隣には、お母さんと三歳ぐらいのボクがいます。

ボクはお母さんの周りを飛び跳ねていて、元気いっぱいです。

信号が「青」に変わりました。

 

お母さん:青になったよ。

ボク:緑なのに、青なの?

私の心の声:ボク、偉い!!

お母さん:行くよ!

 

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日本では、緑のことを青と呼ぶ表現がたくさんあります。

青竹、青々とした新緑、青菜、青汁・・・。

信号も緑色ですが、青信号と呼び、

法規上も現在は「青信号」と表記されているのですが、

当初は「緑信号」だったのだそうです。

 

ネット上には色に関するたくさんの情報がありました。

古代の日本では、

「しろ、くろ、あか、あお」の四色の名称が使われていたようで ,

この四色のみが、「い」をつけて、

しろい、くろい、あかい、あおいという形容詞になります。

 

中国から伝わった五行思想に基づく五色は、赤・青・黄・白・黒。

聖徳太子が制定したと言われる冠位十二階の制度では、色で地位を示し、

紫が最高位となりました。

 

緑に関しては、

『新古今和歌集』の12世紀頃に、緑という表現が見出されるようです。

いろいろな言語で、緑と青とは捉え方が違うようで、

漢字文化圏は緑を青と表現するようです。

見えている色味は、基本的に同じだろうと思われますので、

文化の違いのようです。

 

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視覚で捉えることがらは、

形、色、明暗、遠近、動き、等々、かなりあります。

視覚から得られる情報が最も多い、と、

維摩会 春秋館でお聞きしたことを思い出しました。

 

その情報は、頭で処理されて情報になっていると思うのですが、

そのなかでも色は、

「同一の色刺激であっても同一の色知覚が成立するとは限らない」ことが、すぐにわかります。

色に限らず、目で見るということはそういうことであって、

感覚というのは、そういうものなのだろうなぁと、

信号の青と緑から思ったのでした。