アッと言う間だね… ~母のつぶやきと漆器の手入れ~ | 今日の恵み  維摩会 春秋館の恵み

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         キラキラアッと言う間だね…キラキラ                      ~母のつぶやきと漆器の手入れ~

 

 

「アッと言う間だね・・・」

 

お盆が終わって、お供え用の漆(うるし)の器を手入れしながら毎年つぶやく、

母の口癖でした。

 

ご先祖さまとお客さまをお迎えする準備を、あれこれと整え、

迎え盆が来ると、あっという間にお盆が過ぎて、

後片付けの時がやってきます。

 

送り盆の後すぐに、仏壇はいつものように戻されました。

今日は、お供え用の漆器を箱に入れて、後片付けです。

 

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漆は、漆の木から採れる樹液のことで、

漆が塗られている器が、漆器(しっき)です。

 

伝統的な工芸品やぜいたく品の印象もありますが、

日常的にも使い心地のよいものです。

 

素材が木製の漆器は、手にすると軽く、温かみがあり、

熱いものを入れても、手が熱くなりません。

手になじむ感じがあります。

お椀や湯呑みなどは、口当たりがとても柔らかです。

 

漆独特の香りがありますが、

しばらく使っていると、薄らいできます。

 

急に熱いものを入れると、白く変色してしまうことがあるそうですが、

器を一度ぬるま湯で温めてから、熱いものを入れるとよい、とありました。

そのほかには特別に注意することはなさそうです。

 

残念ながら、電子レンジは使用することができません。

たわしで洗うと傷ついてしまいますが、

手触りが柔らかいので、自然に取り扱いもやさしくなる感じがあります。

器自体が割れてしまうことも、まずありません。

 

乾燥すると、漆にひびが入ってしまうことがあるそうですので、

むしろ、日常的に使っていた方が痛まないかもしれませんね。

 

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お供え用の漆器は、薄紙にくるんで、箱にそっと納めます。

「また来年…」

 

これも、毎年聞いていた母のつぶやきでした。