ご訪問くださいまして、
有り難うございます。
れっつごうです(^^)
最近、天候が荒れることが多いですが、
皆さんの地域は大丈夫ですか。
私は金曜日の帰宅時、
大雨の影響で
いつもの路線が不通になってしまい、
激混みの中、
何とか遠回りして帰宅しました(^^;
臨床心理士・公認心理士、
カウンセラー東畑開人さんの、
から、
私の印象に残った箇所を中心に、
紹介・解説しています(^^)
この本の帯には、
「読むセラピー」
というキャッチコピーが
大きくうたわれています。
セラピーというだけあって、
文体は、とても読みやすいのですが、
内容は、かなり歯ごたえのある
深~いエッセーといった感じです。
エッセーといっても、
中身の半分くらいは、
「ミキ」と「タツヤ」
を中心とした物語で、
占められています。
ミキは、
外資系コンサル企業の
管理職として活躍する、
いわばエリート。
人生の嵐の中を、
小舟でサバイブしてきた彼女。
不眠症に悩み、
カウンセリングの門をたたきます。
カウンセリングを重ね、
やがて、ミキは、
タツヤと出会うことになり、
しだいに親密になっていきます。
しかし、
ミキの裏切り行為が発覚し・・・
(それにはもっともな理由が
あるのですが)
・・・ネタバレになるので、
これ以上は止めておきます(^^;
このあとの、
2人の揺れ動く関係と、
カウンセリングの展開が、
とてもリアルに描かれています。
もちろん、
そう簡単に順風満帆とはいかず、
山あり谷ありの展開になるのですが・・・
物語の後半、
タツヤの側の心境、
引用します。
おお、人間を信じるとは
なんと困難なことなのでしょうか。
まして
一度壊れてしまった関係を
信じ直すことが
いかに大変なことか。
無限の力をもつ神を
信じるよりも、
有限の人間を信じる方が
ずっと難しい。
現実のこんがらがった
人間関係は、
映画やドラマの
人間関係のようには
解決されません。
あるのは地味な
時間の流れだけです。
そうですね。
こじれた人間関係は、
簡単に解決されるものでは
ありません。
しかし、
それこそが
人間を信じるための
唯一の力になります。
納得いかないこと、
矛盾に満ちていること、
絶対に許すことができないこと。
つまり
論理的思考では
答えの出ないことを、
時間がゆっくりと
溶かしてくれる。
たしかに、
時間がゆっくりと溶かしてくれることは、
ある・・・
不毛に見える時間は、
タツヤさんの心の奥底で
ひそかに地道な作業を
続けてくれていました。
変化は見えないほどに
ゆっくりと起こっていた。
時間をかける。
難しいものを
心に抱え続ける。
すると、ある日、
それがストンと落ちる。
白と黒が混ざり、
灰色になる。
そのとき、
タツヤさんの心に、
以前とは違う視界が
広がります。
不純なネガティブが
姿を現す。
時間をかけて
難しいものを抱え続けると、
ストンと落ちる。
白と黒が混ざり、
灰色になる。
不純なネガティブとは。
これは、
白か黒か、といった
極端な分離思考、
たとえば、
人を、善と悪の
いずれかに決めつけるのではなく、
人には、
正しい部分もあれば、悪い部分もある、
見方によっては、逆になることもある、
つまり、どちらか純粋なものではなく、
人は不純、すなわち灰色の存在だと
いうことですね。
私は、過去、
どちらかといえば、
灰色のまま抱えていることは
優柔不断で、弱い人のやること、
白か黒かはっきりさせることは、
決断力があって男らしく、強い証拠、
だと考えていた時期もありましたが、
実はそうではないんですね(^^;
灰色のまま抱え続けることは、
心が成熟していて、
心の器がしっかりしていないとできない。
言い方を変えれば、
灰色のまま抱え続けることがつらいから、
早く白黒はっきりつけたがるんですね(^^;
もちろん、
現実には(特にビジネスの世界などでは)
白黒はっきり決断してから、
先に進まなければならない時もありますが、
心の成熟度という観点で見ると、
灰色を抱えられるということは、
成熟しているということなんです。
灰色を抱えられる
しっかりとした心の器を作る一助となるのが、
カウンセリングなのだと考えます。
悲しむことを通じて、
タツヤさんは
理想的なミキさんを諦め、
最悪のミキさんから離れ、
現実のミキさんを
発見することができました。
消化不良を起こしていた
白と黒を、
悲しみが灰色へと
溶かしてくれたのです。
そういうとき、
世界は複雑さを取り戻します。
現実は本当のところ、灰色です。
白と黒が入り混じった
曖昧な色彩こそが
世界の本格的なありようだと
思うのです。
同感です・・・
だから、
悲しむことができたとき、
僕らの心は
以前よりも少しだけ、
広く、深くなる。
心に複雑なものを
置いておけるだけの
スペースができる。
これを僕は
「ネガティブな幸せ」
と呼びたい。
そうですね・・・
人生、喜びもあれば悲しみもある、
言い換えれば、
悲しみがあるからこそ、
喜びを感じられるわけであって、
仮に、この世界に喜びしかなければ、
それを喜びだと実感することが
できませんし、
悲しみという、
世界の半分を味わうことも
できなくなってしまいます。
この人生で、悲しみという感情も
十分に味わえるように、
広く、深い、
心の器を作っていきたい・・・
もちろん、
それはつらい時期です。
悲しみは気持ちのいいものではなく、
心を落ち込ませます。
でも、そういう時間がなければ、
僕らの心はシンプルで、
狭く、浅いままに
とどまってしまう。
目の前の複雑な現実と
触れ合えないままに、
白と黒しか存在しない
自分だけの世界に
閉じこもるならば、
世界は貧しくなってしまう。
悲しみには豊かさがある。
そこには世界の複雑さと、
他者の複雑さと、
自分の複雑さのための余白がある。
そういうものを実感できたとき、
僕らはネガティブなことが
起こり続ける人生というものを、
それでも生きるに足るものだと
思える。
それを世間では
「大人になる」というのでしょう。
世界は、白もあれば黒もある
灰色のグラデーション、
複雑な存在です。
複雑なのは、
他者もそうだし、自分だってそう。
自分の中には、複雑な自分、
すなわち、
立派な自分もいれば、ダメな自分もいれば、
真面目な自分もいれば、アホな自分もいる。
「いい奴」の自分、「やな奴」の自分、
理性的な自分、感情的な自分、
努力家な自分、だらしない自分、
優しい自分、意地悪な自分、
腹黒い自分、打算的な自分、
ポジティブな自分、ネガティブな自分・・・
そんな複雑な自分を
そのまま受け容れることができたら、
豊かな人生を歩めるだろうし、
ひいては、複雑な他者の存在も、
受け容れることができるようになる。
それが、
「大人になる」ということ。
なかなか険しい道のりですが(^^;
(次回に続きます・・・)
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今回も最後までお読みくださいまして、
有難うございました。
次回もこの本の紹介を続けます(^^;
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おまけ写真集(^^;
少し前にになりますが、
(8月下旬)
念願の南八ヶ岳、
編笠山、権現岳に登りました!
いざ!
途中で、富士山ちらっと、
今日の天気は史上最高かも!
巨石を超えて・・・
はしごを乗り越えて・・・
ううっ、ここ登らせるか!
振り向くと、おおっ!
もう少しで頂上・・・
着きました!編笠山2,524m
(親切な方が写真撮ってくださいました)
富士山バック!
南アルプスの、
北岳や甲斐駒ヶ岳もばっちり!
八ヶ岳最高峰、赤岳・・・
富士山アップ!
それにしても、みごとな快晴!
しばらく頂上貸し切り状態、満喫・・・
ああ、ありがたや😊
青年小屋方面に向かいます。
すごい岩場(^^;
遠い飲み屋?(笑)
まだまだこれから・・・
振り返ると、
青年小屋と、
さっき登った編笠山!
よし、いざ権現岳へ!
(次回に続きます(^^;)



































































