ご訪問くださいまして、

有り難うございます。

 

れっつごうです(^^)

 

遠藤周作ファンの皆様!

遠藤周作さんの「新刊」が出たのは、

ご存知でしょうか?

 

といっても、

「新作」ではありません(^^;

 

あの岩波文庫からの新刊です!

 

遠藤周作短篇集

 

 

ついに遠藤周作さんも、

「古典」の仲間入りをしたのかと思うと、

感慨深いものがありますが、

 

考えて見れば、

もう数十年以上前の作品なんですよね。

 

今回取り上げられた短編は、

エッセーを含む15篇。

 

私は半分以上は、

既に読んだ記憶のある作品でしたが、

 

やっぱり遠藤周作さんは、いいですね~。

もちろん長編は素晴らしいですが、

短編も、なかなか味わい深いです。

 

長編が生まれる前段階のような作品も

いくつか収録されています。

 

あと、この短編集で特徴的なのは、

遠藤周作さんの自叙伝的な作品が多いことです。

 

もちろん小説なので、

脚色はされていると思いますが、

 

いくつかの作品からは、

少年時代の遠藤周作さんの揺れ動く気持ち、

特に父と母に対する思いを、

うかがい知ることができます。

 

今回、ネタバレに注意しながら、

その箇所を引用・解説させていただきます。

 

短編「船を見に行こう」

より、

遠藤周作さんの父がモデルと思われる

人物が登場します。

 

 

海に出る。

 

そのむかし中学生のころ、

姉と母親との重荷を

肩からふり棄てて

海にいこうと夢見たように、

 

彼は少しずつ

妻の横で

あたらしい海のことを

思いだしたのである。

 

彼はもちろん自分が

我儘な身勝手な男だと知っていた。

 

知っていても

自分の中の男は

海を求めてやまなかった

からである。

 

そのことを今、

この子供にどう話したら

よいだろうか。

 

 

男が、束縛を嫌って、

新しい世界、

すなわち「海」に出たくなるということ、

 

少しステレオタイプのような気もしますが、

でも、やっぱり、

個人差、程度の差こそあれ、

そのような志向というものは、

男の中に、あるような気がします。

 

もちろん、

私自身の中にも(^^;

 

 

お前は母とお前を捨てた父親を

長い間憎むだろう。

それもわかっている。

 

「寒くないか」

 

しかし今度も子供は

母親のためにジュースの瓶を

しっかり握りしめたまま黙っていた。

 

父親は彼が今やっている行為が

やがてこの子供の人生の上に

ふかい空洞をつくることに

気がついていなかった。

 

子供はいつか大きくなる。

 

しかし彼は

人間を信じる気持ちを

この父親のために喪うだろう。

 

その空洞をうずめるために

くるしい努力をせねば

ならぬだろう。

 

 

実際、遠藤周作さんのご両親は、

遠藤周作さんが少年のころ、

離婚したんですね。

 

「彼は人間を信じる気持ちを

この父親のために喪うだろう。

 

その空洞をうずめるために

くるしい努力をせねばならぬだろう。」

 

これは、

遠藤周作さん自身の本音、

心の声だと思います。

 

実際、

人間不信という空洞をうずめるために、

大変な苦労をされた。

 

もちろん、

その苦しみがあったこそ、

優れた文学作品を生み出す

原動力になったとは思いますが、

 

それにしても、

両親の離婚、

特にこの時代(戦前)の離婚というのは、

さぞ辛かったと思います。

 

子供は、大人が思っている以上に、

親を愛しています。

 

親の幸せを何より、願っている。

 

だから、

両親が不仲であるというのは、

すごく辛いんですね。

 

子供は、視野が狭く、

客観視が、なかなかできないせいもあり、

 

親が不仲なのは、

自分のせいだと

思ってしまうことがある。

 

自分が悪い子だから、

自分ができの悪い子だからいけないんだと

自分を責めてしまったりする。

 

子供には何の罪もないのに・・・

切ないです。

 

実際、子供の前で、

夫婦が激しい争いをすることは、

子供の心を傷つけるので、

DVに当たるそうです。

 

 

私事になりますが、

私の両親は、

離婚こそしなかったですが、

 

私が子供のころ、

激しいケンカを繰り返していました。

 

それを見聞きするのが、

本当に嫌でした。

 

布団を被ったり、耳を塞いだりして、

耐えましたが、

どうしても治まらない時は、

ブチ切れて、

「いいかげんにしろ!」

と怒鳴りちらしたこともあります。

 

そうすると、

両親は、我に返って、

ケンカを止めることもありましたが、

しばらくして、またぶり返したり・・・

 

ケンカの最中は、

気もそぞろで、

ずっとビクビクしていました。

 

そして、

あんなに嫌だった親の夫婦ゲンカなのに、

 

私自身、大人になったら、

妻と何度か激しくやりあってしまったり、

(最近はなくなりましたが(^^;)

 

その点、

子供がいなくてよかったのですが・・・

 

 

小説というのは、

それを読むことによって、

自分の人生を振り返ったり、

内省するきっかけとなることがあります。

 

遠藤周作さんは、

両親の離婚という苦しみを、

創作活動、優れた作品へと昇華させましたが、

 

では、私にとって、

親の夫婦ゲンカは、

どんな意味があったのでしょうか・・・

 

 

思うに、

激しい夫婦ゲンカのように、

「怒り」を行動化してしまうというのは、

 

怒りの感情を抱えきれない、

さらには、怒りの感情のもとにある、

不安や悲しみといった感情を、

受け入れられなかったからだと考えます。

 

私も、両親と同じように、

あれほど嫌だった夫婦ゲンカを

繰り返してしまったのは、

 

自分の中にある、

不安や悲しみが自覚できなかったこと、

 

だから、怒りが湧いてきて、

しかも、それを、

客観視(メタ認知)できなかった。

 

ちょっと理屈っぽくなりましたが(^^;

 

要は、自分の弱さ、

ネガティブな感情を自覚して、

その感情を、正直に、アサーティブに、

妻に伝えられればよかったのかと。

 

なかなか難しいことではありますが(^^;

 

私は、心の学びを通じて、

少しずつですが、

できるようになってきました😊

 

ちなみに・・・

 

この歳になるまで、

妻と離婚せず、何とかやってこれたのは、

遠藤周作さんの思想の影響が多分にあります。

 

「棄てない」ということ。

 

いや、

「棄てられて、ない」というべきか(笑)

 

 

 

・・・と、

今回は、私事が長くなりましたが(^^;

 

次回は、

遠藤周作さんの「母」がモデルの

作品にフォーカスして、

紹介・解説をさせていただきます。

 

 

 

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今回も最後までお読みくださいまして、

有り難うございました(^^)

 

次回に続きます。

 

 

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おまけ(^^;

 

 

夏恒例!

三浦半島の荒井浜海水浴場。

 

平日だったので割と空いてました(^^)

 

 

 

砂浜では泳がずに、

左手の磯地帯で、

シュノーケリング遊びをします(^^)

 

熱帯魚みたいな魚も含めて、

10種類以上の魚がいました!

(小さいイカの群れも)

 

酷暑の日だったので、

気持ちよかった~

 

夏・満喫🐡