ご訪問くださいまして、

有り難うございます。

 

れっつごうです(^^)

 

お盆休みの時期ですが、

皆さまはいかがお過ごしですか。

 

台風の被害が小さくなること、

祈っています。

 

平野啓一郎さんの

映画化もされた

ロングセラー恋愛小説、

 

マチネの終わりに

 

 

を読んで、

私の印象に残った箇所を、

紹介・解説しております。

 

前回は、主人公の、

「未来は常に過去を変えている」

というセリフから、

田坂広志さんの「解釈力」まで、

話が飛躍しましたが(^^;

 

今回は、別の箇所で、

私がすごく印象に残り、

また、考えさせられた会話の部分を

紹介させていただきます。

 

国際ジャーナリスト

「小峰洋子」と、

 

天才クラシックギタリスト

蒔野聡史のマネージャー

「三谷早苗」の会話です。

 

この女性2人の関係を

象徴するようなシーンでもあるのですが、

 

早苗は、言います。

 

 

「わたし、

キリスト教って、

よくわからないんですよねー。

 

授業でいつも

聖書を読まされましたけど、

特にあの、

・・・マルタとマリアっていう

姉妹の話、

ありますよね?ー

 

イエスが家に来た時、

姉のマルタは、

彼をもてなすために

一生懸命働いているのに、

 

妹のマリアはただ、

側に座って

話を聞いているだけ。

 

それで、

マルタはいらっとして、

イエスに、

 

妹に手伝うように

言ってくださいって

訴えるんですよね。

 

そしたらイエスは、

庇ってくれるどころか、

 

マリアの方が正しい

って言うでしょう!?」

 

「・・・『マルタ、マルタ、

あなたは多くのことに思い悩み、

心を乱している。

 

しかし、必要なことは

ただ一つだけである。

 

マリアは良い方を選んだ。

 

それを取り上げては

ならない。』・・・」

 

 

・・・皆さん、いかがでしょうか。

 

ちなみに、

遠藤周作さんも、

このシーンは、

 

イエスに邂った女たち

 

 

という本に、

ベラスケスの名画とともに、

取り上げていますね。

 

遠藤周作さんの解釈では、

2人の喧嘩に弱り果てたイエスが、

マルタを静めようとした

苦肉の言葉ではないかということですが(^^;

 

早苗はこう続けます。

 

 

「わたし、

マリアは絶対、

わかってやってるんだと

思うんです。

 

姉が忙しく準備してるのは

百も承知で、

 

その上で、

ただずっと、

イエスの側にいたんだと

思うんです。

 

マリアは心の中では、

姉を馬鹿にしているんですよ!

 

イエスって、

どうしてそういう女の

狡賢さが

わからないのかなって。」

 

 

・・・(笑)

 

たしかに、そういわれれば、

そんな気もしてきます。

 

 

(中略)

 

「洋子さんは、やっぱり、

マリア派なんですね?」

 

「派っていうか、・・・」

 

「この話、今まで誰としても、

わたしも含めて、

みんなマルタ派だったんです。

 

(中略)

 

 

皆さん、いかがですか。

 

マルタ派?

 

マリア派?

 

たしかに、

女性は、マルタ派のほうが多いような

気がしますが(^^;

 

ちなみに、

私自身は、

もしイエスが家に来るとしたら、

おそらくマリアになりますね。

 

イエスを、もてなすことはせずに、

話に聞き入ってしまう・・・

 

そして、

後で妻が不機嫌になるという(笑)

 

ということで、

私自身の中身は、マリア的なのですが、

 

しかし、

マルタには、すごく同情しますし、

彼女のような人がいてくれると

ほんと助かります。

 

口うるさいのは嫌ですが(^^;

実際に一緒にいて有り難いのは、

気が利くマルタタイプかもしれません。

 

「マルタ」と「マリア」

 

これは、言い換えると、

 

「生活」と「人生」

 

といえるかもしれません。

 

私は特定の宗教の信者ではありませんが、

聖書の言葉を読むと、

精神性が高まる感じがします。

 

聖書だけでなく、

仏教の本でも同じで、

スピリチュアルなものには、

心惹かれるものがあります。

 

優れた文学、芸術や、

大自然に触れた時にも、

感じるものがあります。

 

しかし、

そういった精神的なもの、

自分の心にあくまで

忠実であろうとすることが、

「人生」だとすると、

 

世間や他人を考慮して、

現実的に生きていくのが、

「生活」だといえます。

 

もちろん、

「生活」は大事です(^^;

 

マズローの欲求5段階説

ではないですが、

まずは欠乏欲求を満たす必要があります。

 

食べていくには稼がねばなりませんし、

そのためには、

たとえば、職場の人間関係も

円滑にしたほうがいい。

 

身近な人とは、

折り合いをつけて、

うまくやっていかなければなりませんし、

 

ある程度は、

老後の資金も必要になってくるのが

現実です。

 

ともすれば、

「人生」に惹きつけられがちな、

私の志向性に対して、

 

「生活」は

「人生」に流されないようにするための、

ストッパーのような役割を

担ってくれていると思います。

 

今になって、

「生活」のために、

必死で生きていた両親の気持ちが、

少し分かるような気がします。

 

 

 しかし、

「生活」だけの人生は、

どこか虚しい。

 

やはり、

精神的に満たされるものが欲しい。

 

特に、中年になってからは、

そんな思いが強くなっています。

 

平野啓一郎さんの、

「分人」でいえば、

 

様々な「生活」を生きる「分人」と、

様々な「人生」を生きる「分人」。

 

それらの両方を、

うまくバランスを取りながら、

育てていく。

 

それが、

ウェルビーイングな生き方に、

繋がっていくのかな~

 

と私は考えます😊

 

皆さんはいかがでしょうか。

 

 

 

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以上、

2回にわたって、

平野啓一郎さんの恋愛小説、

 

マチネの終わりに

 

 

から、

私の印象に残った箇所を、

引用して、

紹介・解説させていただきました。

 

ストーリーの中身には、

ネタバレになるので、

あまり触れませんでしたので、

魅力がなかなか

伝わらなかったかもしれませんが、

 

実際にはストーリー展開も秀逸で、

特に、中盤で「ある出来事」

が生じてからは、

ぐいぐい引き込まれます!

 

また、

少し紹介させていただいたように、

「生き方」について

深く考えさせられるような

フレーズも満載です。

 

もちろん、

珠玉の恋愛小説としても楽しめます。

 

私は、何だか、

懐かしい感覚を

呼び起こされた感じがしました(^^;

 

クラシックギターやクラシック音楽が

好きな方も、

楽しめると思います。

 

興味を持たれた方は、

是非、本書をお読みください(^^)

 

 

なお、この作品は、

福山雅治さん、石田ゆり子さん主演で、

映画化もされています!

 

アマゾンプライムで無料だったので、

さっそく観て見ました。

(今回のブログで取り上げた箇所は、

カットされていましたが(^^;)

 

福山さん、

かっこよすぎな感じでしたが(^^;

 

彼のつま弾く、

クラシックギターの音色が、

とても心に沁みました・・・

 

「幸福の硬貨」という曲が、

印象的です。

 

ユーチューブにありました!

 

 

素敵な曲です・・・♪

是非、ご視聴あれ!

 

 

 

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今回も最後までお読みくださいまして、

有り難うございました😊

 

次回は別の本を紹介します(^^;

 

 

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おまけ(^^;

 

 
横浜ベイブリッジを、
下から眺めます・・・
 
 
 
 
ベイブリッジから、
横浜みなとみらい方面を臨む・・・
 
大黒ふ頭から歩いて、
ベイブリッジの途中まで行ける施設(無料です)
がありました。
 
改めて、
港・横浜は素敵な街ですね~
灯台下暗し。
 
とはいっても、
自宅は、かなり内陸の郊外なのですが(^^;