ご訪問くださいまして、
有り難うございます。
れっつごうです(^^)
遠藤周作さんの歴史小説、
を紹介しています。
主人公は、
切支丹大名として有名な、
この小説、
かなり史実に近い、
ストーリーのようですが、
なるべく
ネタバレにならないように、
ストーリーはあまり触れずに、
私にとって、
印象深かった箇所を、
紹介・解説していきます。
この小説では、
豊臣秀吉と大友宗麟(義鎮)の生き方が、
対比して述べられているのですが、
なかなか興味深いです。
「明日を思い煩うなかれ。
明日は明日思い煩えればよし」
「野の花をみよ。
骨折ることも紡ぐことも致さぬ」
あの時、
聖句をききながら―
紙燭(しそく)の炎が、
ラグーナ神父のそばで
細かな音をたてて
ゆれていた―
宗麟はふと
巨大な大阪城を思い出した。
そのほの暗い広間で
自分を謁見した
関白秀吉のことを
思い出した。
宗麟は、
島津氏に対する援助を乞うために
秀吉のもとを訪れたことがあるのですね。
(関白殿下は
今も明日のことのみ、
思い煩うておられるのだろう。
骨折ること、
紡ぐことのみ
考えておられるのだろう)
彼には
関白秀吉の心が
手に取るようにわかる気がした。
欲望は次の欲望を生み出す。
高麗鼠(こまねずみ)がまわす
小さな独楽(こま)のように
際限もなく続く、
空しい努力。
(むかし、
同じような迷いに
とらわれたことがあった)
欲望は次の欲望を生み出す。
際限がない・・・
そうですね。
天下を統一した秀吉は、
それでは満足できず、
無謀な朝鮮出兵をするわけです。
子の秀頼が生れると、
怖れや疑心暗鬼に支配されていき、
甥の秀次一家を処刑したり、
暴虐な一面を見せはじめます。
少し、私なりに
心理学的な分析をしてみますと・・・
貧しい生い立ちをバネにして、
欲望、すなわち、
立身出世のみをひたすら追いかけた秀吉は、
もちろん、
若い頃は大変な苦労を重ねたわけですが、
常に、明日のことだけを見続けていた。
自分のダークな部分、
すなわち、
弱さや至らなさ、自己嫌悪、
怒り、悲しみなどには、
目を向けることはなく、
いわば抑圧してきた。
その状態で、天下を取ったものだから、
万能感に支配され、
抑圧してきた
無意識のシャドーが暴走してしまい、
晩年は暴君と化したのではないか・・・
と、勝手に解釈しておりますが(^^;
対して、
宗麟は、名門の出こそあれ、
人間不信に陥るような経験を重ね、
また、内省的な性格も相まって、
大変な葛藤や苦しみを味わいつつも、
それを経た晩年は、
信仰の世界によって、
欲望が欲望を生むという、
無間地獄の世界からは
脱することができたのではないか。
宗麟は
現在の自分と
関白秀吉の
生きたかを対比した。
あまりにも
隔たっている二人。
秀吉にたいする
羨望の気持ちは
毛ほども起きない。
天下人になった秀吉、
津久見のわびしい集落で
遠い海なりの音を
じっと聞いている自分。
「種は悪しき人にも
善き人にも陽をのぼらせ、
雨を降らせ給う」
その真実がかすかだが
人生の終わりになって
宗麟にはやっとわかった気がする。
しかし
その地点にたどりつくまで
彼は何と大きな
紆余曲折を
経なければならなかったろう。
この
「大きな紆余曲折」
がドラマチックに描かれているのが、
本作品なわけですが(^^;
いってみれば、
秀吉が、
「生活」すなわち「現実」
のみをひたすら追い求めて、
生涯を閉じたのに対して、
宗麟は、
「生活」すなわち「現実」
を求めた前半生から、
大きな代償を払いながらも、
晩年は、
「人生」すなわち「理想」
の世界に生きることができたのだと
思います。
では、私の場合、
どちらの生き方をしたいのか・・・
う~ん、
迷いますが(^^;
(迷うんかい!)
秀吉のような立身出世を極める世界も
捨てがたいし(^^;
でも、それだけだと、
死ぬときは、
虚しそうだし・・・
一方で、
宗麟の生き方は、
けっこう辛そうで、
苦難に満ちているけど、
死に際は安らかかな・・・?
なかなか宗麟のような境地には
立てないと思いますが、
ありのままの自分を愛する、
すなわち、
「自己受容」
に生涯取り組みつつ、
死に際は、
「これでよかった・・・」
と心から思える生き方をしたいなあ、
と思います😊
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以上、
遠藤周作さんの歴史小説、
を2回に渡って紹介してきました。
この作品、
遠藤周作さんの歴史小説の中では、
後期の作品になりますが、
氏の思想のエッセンスが、
多く盛り込まれているような気がします。
歴史エッセー集、
(この本も、とてもおすすめですが、
残念ながら絶版・・・古本で)
で、遠藤周作さんは、
大友宗麟(義鎮)について、
こう述べています。
彼の英雄でも
成功者でもない面に、
今度は逆に興味を覚えたのです。
宗麟の人間としての生き方や、
その内面性に、
現代人にも通じる苦悩を
見たといいましょうか。
膨大な資料を繰るごとに、
宗麟は生涯、
己自身と戦い続けた
人生求道者だったのを知り、
「王の挽歌」
を書きたい気持ちに
なったのです。
現代人にも通じる苦悩・・・
たしかに、私も、
宗麟の背負った苦悩と比較すれば
ちっぽけなものですが、
同じような悩みを感じるところが
あります(^^;
1587年(天正15)、
宗麟は熱病のため
57歳で逝きました。
戦国時代の
最も人間的な武将というのが
彼の特徴です。
が、苦悩しつつも
自己に忠実に対したという点で、
私は共感を覚えるのです。
遠藤周作さんは、
宗麟に、自分を投影しているところが、
あるのかもしれませんね。
今は絶版で、
電子か古本になりますが、
年末年始のお休みに、
物語の世界に浸ってみてはいかがでしょうか。
歴史小説、遠藤周作さんが好きな方には、
特にオススメします!
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今回も最後までお読みくださいまして、
有り難うございました😊
次回は別の本を紹介します(^^;
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おまけです(^^;
福岡、鹿児島、宮崎の出張、
鹿児島中央駅前のホテルから。
駅前の「若き薩摩の群像」。
まったく観光はできませんでしたが(^^;
写真だけ何とかパチリ。
いつか、の~んびり観光したいです!
近所の鶴見川。
ダイナミックな夕暮れでした😊




