ご訪問くださいまして、

有り難うございます。

 

れっつごうです(^^)

 

著作家、パブリックスピーカーである、

山口周さんの

知的好奇心をそそられる本、

 

ニュータイプの時代

 

 

を紹介してきました。

 

今回6回目、最終回です(^^;

 

今回は、

この本の中で、

私が背筋が伸びたというか、

感銘を受けたところを紹介しますね。

 

 

今この瞬間の

社会のありようを前提にして、

 

そのなかでいかに

功利的に動けば

ゲームに勝てるか、

 

という問題意識に

現代人の多くは

囚われすぎているように

思います。

 

 

どきっ・・・

 

どういうことでしょうか。

 

 

社会や組織の

ありようについて、

その是非を問うことなく

「世の中とはそういうものだ」

と割り切った上で、

 

システムを変革するのではなく、

自分自身を

システムに最適化して

ゲームに勝つ、

 

ということに

血道を上げる人が

あまりにも多い。

 

 

う~ん、私も、

そうだったかも

しれません・・・

 

 

そのような努力の末に、

めでたく高額の収入と

他者からの嫉妬や羨望を

勝ち取る人がいるのも

事実でしょう。

 

そして、

そのような

「勝ち組」といわれる人を見て

 

「彼らと同じような

努力をすれば、

自分も同じようになれる」

 

と考えるナイーブな人が

ごまんといて、

これが一種の

「市場」として成立している

側面があります。

 

 

たしかに・・・

 

私は、いわゆる、

「勝ち組」といわれるほどには、

なれませんでしたが(^^;

 

周りを見渡しても、

たとえば、

MBA取得を目指すような人の

ホンネは、

そんなような気がします。

 

このような、

 

「システムに対して

無批判に最適化して

美味しい立場を得ようとする人」

 

というのは、

オールドタイプの典型なのですが、

それには問題が2つあるといいます。

 

1つ目を紹介します。

 

 

現在の社会システムに

適応して成功した人を

模倣し続ければ、

現在の問題ある社会システムは

ますます強固で

動かし難いものとして

存続してしまう、

 

ということです。

 

 

たしかに・・・

 

その社会システムの中で成功した人は、

自分の既得権のためにも、

あえて、

システムを変革しようとはしませんよね。

 

むしろ、守ろうとする。

 

当たり前です(^^;

 

 

昨今では、

高度な教育を受けた

エリートの中ですら

 

「この残酷な社会で

どのように勝ち残っていくか」

 

などという

視座の低い論点を立てている人が

見られますが、

 

そもそも

「残酷な社会」など

誰も望んでいません。

 

もし私たちの社会が

「残酷な社会」

なのであるとすれば、

 

教育を受けたエリートが

本当に考えなければいけないのは

 

「残酷な社会でどう勝つか」

などという卑賎な論点ではなく、

 

そもそも

「なぜ私たちの社会は

残酷なのか」

「どうすれば柔和で公平な社会が

できるのか」

 

という論点であるべきでしょう。

 

 

・・・共感します。

 

ノブレス・オブリージュ

という言葉があります。

 

本来、エリートと呼ばれる人は、

我欲をある程度は捨てて、

社会のために力を尽くすのが、

義務だと思いますが、

 

たしかに昨今のエリートは、

自分が勝ち残ることを優先している人が

多いような気もします(^^;

 

 

「なぜ私たちの社会は

残酷なのか」

 

「どうすれば柔和で公平な社会が

できるのか」

 

 

・・・

 

改めて突き付けられると、

考えさせられますね。。

 

私は、一進一退しながらも、

潮流としては、今の世の中は、

柔和で公平な社会が実現する方向へ、

少しずつ動いているという

実感がありますが、

 

でも、

それが実現するのは、

かなり先になるような気もします。

 

では、そのなかで、

私自身は、

いったい何ができるのか、

(私はエリートでは、

まったくありませんが(^^;)

 

そうですね・・・

 

持ち場(職場)での実践を心がけるのと、

あとは、

産業カウンセラーの役割としても、

柔和で公平な社会が実現するように、

自分ができることを取り組んでいきたいと

思っています。

 

 

山口周さんは、

今の世の中を、

哲学者ハイデガーの

「世界劇場」にたとえて、

説明しています。

 

 

すべての人は

世界劇場において

役割を演ずるために

世界という舞台に

放り出されています。

 

(中略)

 

ここで問題となってくるのは

「現存在と役割の区別」です。

 

多くの人は、

世界劇場で役割を演じている

耽落(役割に埋没)した自分と、

本来の自分を区別することが

できません。

 

カッコいい役割を

もらっている人は、

役割ではなく

自らの現存在を

「カッコいい」と考え、

 

ショボい端役をもらっている人は、

役割ではなく

自らの現存在を

「ショボい」と考えてしまいます。

 

 

なるほど・・・

 

単なる劇場での

「役割」にすぎないのに、

それが、本来の自分だと、

勘違いしてしまう。

 

 

そして、

当たり前のことながら

主役級の役割を

もらっている人は

ごく少数に過ぎません。

 

多くの人は

ショボい端役を与えられた

大根役者として

世界劇場の舞台に

立つことになり、

 

役割を演じるのに

オロオロと四苦八苦しています。

 

一方で、

役になり切って

高らかに歌い踊る

主役級の人々に

嫉妬と羨望の混ざりあった

複雑な感情を抱くか、

 

その真逆に

「ああはなりたくないよね」

といった態度を

取ってしまったりするわけです。

 

 

たしかに・・・

 

今の世相を、

うまく表現されていますね。

 

 

この世界劇場で

演じられている劇には

いろんな問題があります。

 

この世界が

健全で理想的な状況にある

と思っている人は、

世界に一人もいないでしょう。

 

つまり

世界劇場ということでいえば、

この劇の脚本は

全然ダメな脚本だ

ということです。

 

したがって、

この世界劇場の脚本は

書き換えられなければ

ならないわけですが、

 

ここで浮上してくるのが

 

「誰がその脚本を書き換えるのか」

 

という論点です。

 

 

そうですね・・・

 

しかし、

考えてみたら、

世界劇場で力を持っている花形役者

(オールドタイプのエリート)には、

脚本を書き換える必要はないわけですね。

 

今、活躍できているわけですから(^^;

 

むしろ、現状のままの脚本のほうが

いいということになる。

 

 

今の世界劇場に

完全には適応できていない人、

 

端役を押し付けられた

大根役者にはもちろん、

脚本を改変する

インセンティブがあるわけですが、

 

多くの大根役者は

「脚本の歪み」

を是正することよりも、

 

「どうやったら自分も

花形役者になれるのか」

 

という問題ばかりに

気をとられて

花形役者から搾取される

いいカモになっており、

 

ますます脚本の歪みを

強固にしてしまっています。

 

 

・・・いいカモとは、

手厳しいですが(^^;

 

でも、そのとおりですね。

 

仮に花形役者になれたとしても、

その他の大多数の人は、

大根役者のままで不遇なわけですし、

 

いつ、

花形から降ろされるのではないかと、

ビクビクしながら演じることになります。

 

やはり、

一部の人は花形として活躍できるが、

その他大多数の人が、

大根役者として不幸なままの脚本は、

脚本それ自体がダメなわけです。

 

では、

どうすればいいのか。

 

 

結局のところ、

この劇の脚本を書き換えるには、

 

舞台の上で適切に振る舞うことで

したたかに発言力・影響力を

高めながら、

 

脚本そのものへの

批判的な眼差しは失わないという

二重性を持った人によるしか

ありません。

 

そして、

そのような二重性を

破綻なく持った人物こそが、

システムの改変を担う

ニュータイプだと

いうことになります。

 

 

そうですね・・・

 

オールドタイプが

まだ権力を握っている社会や組織で、

まずはある程度、認められる。

 

そこで発言力・影響力を高めつつも、

 

「自分さえよければ、それでいい」

と、その中に埋没することなく、

 

「一部の人が成功者で、

それ以外の人が不幸を感じる世の中は

おかしい」

 

という思いは、常に胸に秘めておく。

 

そして、チャンスをうかがい、

自分の影響力の及ぶところから、

少しづつ変革していく・・・

 

私は、微力ながらも、

そんなニュータイプを目指したいと

考えています(^^)

 

 

 

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以上、

6回にわたって、

山口周さんの

ニュータイプの時代

 

 

を紹介・解説してきました。

 

私は、

どちらかといえば、

オールドタイプ寄りの人間なのですが(^^;

 

これからは、

ニュータイプの要素も開発して、

しなやかに、心ゆたかに、

生きていきたいという気持ちになりました。

 

今の時代、

「何かがおかしい」

と違和感を感じている人にもおすすめです!

 

示唆に富み、

知的好奇心がそそられる本だと思います。

 

 

 

 

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今回も最後までお読みくださいまして、

有り難うございました(^^)

 

次回からは、

別の本を紹介・解説いたします。