ご訪問くださいまして、

有り難うございます。

 

れっつごうです(^^)

 

今回は、

遠藤周作さんの、

影に対して―母をめぐる物語

 

 

という小説を読んで、

私が感じたことを紹介させていただきます。

 

遠藤周作さんは、

私が最も敬愛する

小説家のひとりなのですが、

没後20年以上経った2020年に、

なんと未発表の中編小説の原稿が

発見されたんですね!

 

それが今回の

「影に対して」なのですが、

「読もう読もう」として、

月日が流れてしまっていたところ、

たまたま、先日Eテレで

この本の特集番組が

放映されていました。

 

録画をして、視聴したところ、

とても心に沁みたので、

さっそくアマゾンに注文したところ、

TVの反響が大きいせいか、

なんと品切れ・・・

(リアル書店さんも

軒並み品切れのようです)

 

ただ、

無性に読みたい衝動が

抑えられないので、

今回は、

キンドルさんの

お世話になることにしました(^^;

(こういうとき、

電子書籍は有り難いですね)

 

小説なので、

ネタバレに注意して解説しますが、

この小説には、

遠藤周作さんの実際のご両親のことが、

色濃く反映されています。

 

テーマは、

「父親」と「母親」ですが、

本書の場合、

いいかえると、

 

「生活」と「人生」

 

(このテーマは、

著者のエッセーなどでも、よく出てきます)

 

父親は教師で、

「平凡な暮らしが一番」

といった、いわば、

「生活」を重視するタイプ。

 

対して、

母親はバイオリンに情熱を燃やし、

「自分の信念を貫く」

いわば、

「人生」を重視するタイプ。

 

そんな両親のもとで、

主人公の勝呂少年(著者の投影)は、

翻弄さるわけですが、

やがて、大人になり・・・

 

勝呂氏は、

父と離婚した

母からの手紙を回顧します。

 

 

「母さんは

他のものは

あなたに与えることは

できなかったけれど、

普通の母親たちとちがって、

自分の人生を

あなたに与えることが

できるのだと

 

─それを今は

あなたにたいする

おわびの気持と一緒に

自分に言いきかせて

いるのです。

 

アスハルトの道は安全だから

誰だって歩き ます。

 

危険がないから

誰だって歩き ます。

 

でもうしろを振りかえってみれば、

その安全な道には

自分の足あとなんか

一つだって残っていやしない。

 

海の砂浜は歩きにくい。

 

歩きにくいけれども

うしろをふりかえれば、

自分の足あとが

一つ一つ残っている。

 

そんな人生を

母さんはえらび ました。

 

あなたも決して

アスハルトの道など

歩くような

つまらぬ人生を

送らないで下さい。
 

 

母は、

「生活」ではなく

「人生」を選んだのですね。

 

バイオリンを極める道に、

妥協することができなかった。

 

烈しい生き方。

 

 

勝呂のまぶたには、

ヴァイオリンの絃で潰れ

皮のように固くなった

母の指が浮かんだ。

 

冬、あの指は

絃で切れて

血がにじんでい た。
 

 

このストイックさは、

まるで、

著者の有名な小説、

沈黙などに登場する、

信仰を貫き殉教する

隠れキリシタンのようです。

 

そんな母親の生き方に

影響を受けながらも、

勝呂氏は、

妻子を抱えた生活に苦慮します。

 

小説家を目指していますが、

それでは食べていけず、

翻訳業で糊口をしのいでいる。

 

実際、子供の入院費用も、

父親から借金をしないと

賄えない状態です。

 

母親の影響もあるのか、

小説家という「人生」を目指しますが、

現実は、

妻子を養うという「生活」がある。

 

「生活」と「人生」のはざまで

葛藤するわけです。

 

「生活」と「人生」

 

みなさんは、

どちらが大切だと思いますか?

 

 

・・・

 

 

う~ん、

悩みますが、

 

私は、やはり、

まずは、

「生活」だろうと考えます。

 

若い頃はともかく、

年齢を重ねたら、

社会的な責任も出てきます。

 

特に、所帯を持ったら、

自分のためだけに

生きていくことは難しい。

 

もちろん、

自分の信念を貫く生き方も、

それはそれで、

素晴らしいと思います。

 

たとえば、

勝呂氏の母親のように・・・

 

踏み絵を踏まずに殉教した

隠れキリシタンのように・・・

 

ただ、

私の場合は、

正直に自分の内面を見つめてみると、

その強さは、ないかなあ、

と思います(^^;

 

私は、やっぱり、

生活のために、

妥協したり、

自分を偽ったりも、します。

 

俗物で小心者です(^^;

 

勝呂氏の父親のように・・・

 

踏み絵を踏んだ、

隠れキリシタンのように・・・

 

 

しかし、

それだけでは、

 

「生活」だけでは、

あまりにも、味気ない。

 

時に、

空しくなる・・・

 

やはり、

生を充実させるためには、

「人生」も必要。

 

特に、

人生の後半には、

自分の信念や、

自分にとって本音で大切なことを、

生活の中にうまく取り入れていくことも、

必要なのではないかと考えます。

 

弱き人は、

「アスハルト」(アスファルト)の道を

歩み続けることになりますが、

時には、

「海の砂浜」を歩いてみる勇気も、

大切なのではないか。

 

そんなふうに思いました。

 

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以上、ネタバレになるので、

ストーリーは

あまり紹介できなかったのですが、

 

遠藤周作さんの、

影に対して―母をめぐる物語

 

の印象に残ったところを題材にして、

「生活」と「人生」について、

私の考えを

述べさせていただきました(^^;

 

ちなみに、

この本には、

表題作だけでなく、

他に6つの短編が掲載されています。

 

どれも、

表題作とのつながりもあり、

珠玉で、心に沁み入る作品です。

 

影に対して―母をめぐる物語

 

遠藤周作さんの小説を過去に読んで、

「いいな!」

と感じた方はもちろんのこと、

このブログを読んで

興味を持ってくださった方にも、

この本、おすすめします(^^)

 

なお、

過去ブログの、

 

 

では、

「生活」と「人生」について、

深く考察させていただいたことがあります。

 

ご覧いただければ幸いです(^^)

 

今回も最後までお読みくださいまして、

有り難うございました😊

 


 

雨上がり、

巨大カタツムリ発見🍀

 

頑張って!