ご訪問くださいまして、

有り難うございます。

 

れっつごうです(^^)

 

心理学関係の本が続きますが(^^;

今回から、

明治大学文学部教授で、心理療法家、

諸富祥彦さんの著作、

 

「本当の大人」になるための心理学

 心理療法家が説く心の成熟

 

 

という新書を紹介・解説していきます。

 

諸富祥彦さんには、

私、まだ実際にお会いしたことはないのですが、

悩み多き(?)青年時代から、

多くの本にお世話になっています(^^;

 

たとえば、

本棚で、まだ生き残っている本ですと、

 

トランスパーソナル心理学入門

 

 

1999年発行なので、

もう20年以上前なんですね(^^;

(ロングで、今でも発売していますよ)

 

写真の「講談社新書」の装丁、

懐かしい感じです。

(私は、この昔の装丁のほうが

あたたかみがあって好きです)

 

カウンセラーの資格を取る際には、

はじめてのカウンセリング入門(上)(下)

 

 

を繰り返し読んで、

勉強させていただきました。

 

他にも、

フランクルや、

カール・ロジャース関連の著作も、

熱い思いが込められていて、

素晴らしいのですが、

 

今回は、

「本当の大人」になるための心理学

 心理療法家が説く心の成熟

 

という本の紹介をさせていただきます。

 

「本当の大人」・・・

 

どきっとしますね(^^;

 

私自身、はたして、

成熟した「本当の大人」

になれているのか?
 

胸を張って言えるのか?

 

・・・ちょっと自信がないです(^^;

 

諸富先生は、

冒頭、こう述べます。

 

 

大人が大人になるのが

とても難しい時代です。

 

大人が真に内面的に

成長・成熟した大人となって、

心から満たされた人生を

生きるのが難しい時代です。

 

多くの人が、心のどこかで

迷いや不確かさを抱えながら

生きています。

 

 

そうですね、

たしかに、私も、

迷いや不確かさを抱えながら、

生きています・・・

 

 

なぜか。

 

それは、

今の日本社会では、

「いつまでも若々しくあること」、

「元気に活動すること」

といった外的な価値にばかり

重きが置かれていて、

「中年期以降における

内面的な成長・成熟」

ということは

ないがしろにされ、

それを重視する価値観が

生まれてこなかった

からです。

 

外的な活動性ばかりに

価値が置かれて、

内面的な成長・成熟が

軽視されてきたからです。

 

 

なるほど~、

 

これは、

パンデミックの時代になり、

少し様子が変わってきたかもしれません。

 

外出自粛が続く中で、

(私もそうですが)人びとは、

以前よりも内省的になったように

感じられます。

 

否が応でも、

自分の内面を見つめるようになった。

 

しかし、実際は、

世の中、まだまだ、

外的な価値に重きを置かれているのが、

現実だと思います。

 

たとえば、

資本主義において、

多くの企業は、生き残りをかけて、

成熟というよりも、

あくなき売上・シェア拡大を

目指さざるを得ないのが現状です。

(現状維持では生き残れない・・・

ほんとうか?)

 

そこで働く人たちも、

影響を受けるのはあたりまえですね。

 

多くの人は、

日々の生活に追われつつ、

「このままでいいのかな?」

という、ぼんやりとした不安やあせりを

感じながら生きている・・・

 

 

本書は、

そんな日本社会に生きながらも、

人格的に成長・成熟した

大人として

 

「心から満足のいく

人生を生きたい。

真に納得して、

何の悔いもなく

人生の中盤以降をまっとうして

生きていきたい」、

 

そう願っている人のための

ガイドブックです。

 

心理療法家の

カール・グスタフ・ユングによれば、

人間は、中年期

―今の日本で言えば

40代前半あたり―

に、「人生の正午」を迎え、

それ以降、

「人生の午後」

を生きることになります。

 

そしてそれにあたっては、

それまでの外的な活動性を

中心とした生き方から、

内面性に軸を置いた生き方へと、

「生き方の転換」

を図らなくてはならないと

説きました。

 

 

平均寿命が延びている

先進国においては、

「人生の正午」は、

アラフィフくらいかもしれませんね(^^;

(まさに私)

 

 

しかし、

現在の日本の

「若さ偏重」、

「元気な活動性偏重」

の風潮の中にあって、

それに逆行するかのように

生き方を転換するのは、

なかなかに難しい。

 

できる限り、

若い時の生き方を

そのまま継続するのがよい、

 

と考えがちです。

 

そのため、

大人が大人として

成熟することが

ますます難しくなっているのです。

 

実際、

今の日本の大人には、

自分はまだ半分大人で、

半分子ども。

 

そんなふうに感じている方が

少なくないのではないでしょうか。

 

「私たちが子どものころは、

大人たちは、

もっとちゃんと

”大人をしていた”気がする。

 

何だか、

私たちの世代は、

きちんと大人になれないまま、

”大人子ども”

しちゃっている人が多い・・・」

 

そう感じている人も

いることでしょう。

 

 

どきっ、

 

そうなんです(^^;

 

私も、子どものころは、

大人って、物事の道理をわきまえていて、

ある程度、達観している存在かと

思っていましたが、

 

実際に中年になってみると、

まったく、そんなことはない(^^;

 

孔子いわく、

 

「齢、四十にして惑わず」

「齢、五十にして天命を知る」

 

などと言いますが、

アラフィフにして、

天命を知るどころか、

惑いまくっているのが現状です(^^;

 

五木寛之さんが、

「下山の思想」

とおっしゃっていますが、

成長のピークを終えた日本社会は、

これからは、否が応でも、

下山、すなわち、

下り坂の社会に入っていく。

 

そこで、いかに

心ゆたかで成熟した社会を築けるかが、

人びとが幸せになれるかどうかのカギだ。

 

というようなことを、

述べられています。

 

私たち中年世代もそうですよね(^^;

 

人生の正午を過ぎて、

人生の午後を迎えるにあたって、

いかに、成熟できるか。

 

ユング的にいえば、

今まで、外的な価値を追いかける中で

抑圧してきた、

自らのシャドーを統合して、

いかに、自己実現ができるか。

 

それが、

人生後半を豊かに生きるための、

秘訣のような気がします。

 

「成熟した大人になる」

 

そういえば、

私の敬愛する、遠藤周作さんは、

老人になる前から、

「狐狸庵」という

ご隠居さんのような雅号を

名乗っていました(^^;

 

それによって、

変に若作りしたり、虚勢を張ったりせず、

楽に生きられたと、

おっしゃっていました。

 

もちろん、これは、

老け込んで、地味に生きることの

ススメではありません。

 

そうではなく、

「老い」や「衰え」に抵抗することなく、

「ありのまま」を受け入れた方が、

楽だし、自分らしく生きられるよ。

 

ということだと思います(^^)

 

(補足しますと、

芥川賞作家の遠藤周作さんは、

純文学のシリアスな作品も多いですが、

反面、狐狸庵モノといった、

ユーモアあふれるエッセーを

数多く残されています。

 

それによって、

ダメな自分、

至らない自分をさらけ出すことで、

ご自分のシャドーを抑圧することなく、

受け入れて、

統合されたのだと思います(^^;)

 

 

本書のテーマは、

そうした時代の中で、

中高年がいかにして

真実の人生を

生きることが可能かを

考えることです。

 

大人であることが困難な

社会の中で、

成熟した大人であることは

いかにして可能か。

 

たった一度しかない

人生の残りの時間を、

真に満たされた人生として

まっとうしていくことは

どのようにして可能になるのか。

 

 

本書では、

「成熟した大人が持つべき

六つの人生哲学」

が述べられています。

 

次回以降、

紹介させていただきますね(^^;

 

今回も最後まで

お読みくださいまして、

有り難うございました😊

 

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私がよく散歩&動禅をする、

近所の鶴見川(^^;

 

晴れていると、

とても気持ちがいいです(^^)