ご訪問くださいまして、

有り難うございます。

 

れっつごうです(^^)

 

アドラー心理学や、1on1、

任せるリーダー論などで有名な、

心理カウンセラー

小倉広さんの新刊、

 

コーチングよりも大切な カウンセリングの技術


 

の中で、

私が特に有益だと感じたところを、

紹介・解説しています(^^)

 

今回で最終回です(^^;

 

前回までに、

「カウンセリング型コミュニケーションのステップ」

 

 

1,壁になる

 

2,エピソードを聞く

 

3,(感情に)共感する

 

4,(信念・価値観に)共感する

 

(5,解決を提案する)

 

 

の、1~3を紹介させていただきました。

 

今回は、

 

4,(信念・価値観に)共感する

(5,解決を提案する)

 

のところを、

紹介・解説させていただきますね。

 

前回の復習ですが、

共感とは、もちろん、

感情に共感するのが基本です。

 

 

(中略)

 

「あなたは

イラッとしたのでは

ないですか。

悔しい残念な気持ちも

ありますでしょうか」

(相手の感情レベル)。

 

そして、

相手にそれで

合っているかどうかを

話してもらう。

 

違えば

訂正してもらう。

 

次に今度は

こちらの感情を伝え、

対等にリスクテイクします。

 

「私も、

話を伺っているうちに

なんだかイラっとしてきました」

(自分の感情レベル)

 

 

このように、

まずは、相手の感情に共感して、

(場合によっては)

自分に湧いてきた感情も伝える。

 

そのあとに、

信念・価値観に触れるというのです。

 

 

感情レベルの

共感ができると

人の心と脳がゆるみます。

 

ゆるんだ後に、

多少分析的になりますが、

感情を引き起こした

原因にあたる

信念・価値観を推測して伝え、

それを否定せず

受容・共感するのです。

 

「もしかしたらあなたは

『指摘されたら、

すぐに間違いを

正さなければならない』

という

信念・価値観を

お持ちではないでしょうか」

(相手の信念・価値観レベル)

 

 

ここまでくるのには、

上司の場合には、

部下との一定以上のコミュニケーション量、

 

カウンセラーの場合には、

クライアントとの一定数以上の

カウンセリングの回数が

必要になってくるとは思いますが、

 

相手が自分の認知の歪みに

気づくことができれば、

その後の心の癒しに、

大いにつながると思います(^^)

 

これは、いわゆる、

「認知(行動)療法」

の元になっている考え方ですね。

 

「認知(行動)療法」

とは、現在、

うつ病やパニック障害などの治療に

最も多く使われているといわれ、

心理療法の中で、唯一、

効果が厚生労働省から正式に認められ、

保険診察適用になっているという、

とても優れた、パワフルな療法です。

 

 

私たちの

行動、感情、身体反応を

決めるのは

外部のできごとではなく、

認知すなわち

信念・価値観である、

という理論であり

心理療法です。

 

できごとを

変えようとするのではなく、

認知、信念、価値観を

ゆるめていく、

すると、

症状が穏やかになっていく

という療法です。

 

上司が部下の

信念・価値観に

そっと触れることで

この認知療法に

近い効果が期待され、

それにより

部下の自己一致も促され、

全人格的な成長にもつながる、

と私は思います。

 

 

できごとを変えるのではなく、

その捉え方を変える。

 

この

「認知(行動)療法」

の元になっている考え方で、

 

アルバート・エリス博士の

「ABCD理論」(論理療法)

が紹介されています。

 

これ、とても有益な

理論だと思います(^^)

 

アルファベットのABCDは、

それぞれ、

 

Activating Event(できごと)

Belief(信念・思い込み)

Consequence(結果)

Dispute(反駁)

 

という意味です。

 

 

この理論は、

私たちの行動や感情、

身体反応

(怒り、悲しみ、落ち込み、

不眠症など)

といった結果が起きるのは、

外部からの刺激

(叱られた、失敗した、など)

からではなく、

その人独自の

信念や思い込み、認知

(本書では信念、

価値観と呼びます)

により起きる、

 

という考え方です。

 

なお、

反駁とは

「それは本当に起きるか?」

などと自問自答することであり、

それにより

硬直化した

イラショナル・ビリーフを、

修正することです。

 

 

少し具体例を出しますね。

 

たとえば、

Tさんがメールを出したのに、

Kさんから返事がなかったとします(^^;

 

Tさんは非常に不安になります。

 

「どうしよう!私、嫌われているに違いない」

 

Tさんは、その日、

仕事に集中することができません。

 

「私が何をしたっていうの?」

「何か、Kさんの気に障ることをしたのだろうか」

 

そんな考えが、

頭の中をぐるぐる回転して、

パニックになり、落ち込んでしまいました・・・

 

この場合の、

Belief(ビリーフ)

すなわち、

信念・思い込みは何でしょうか。

 

「人には好かれなければならない」

 

言いかえると、

「人に嫌われるべきではない」

 

ですね(^^;

 

「人に嫌われたら終わりだ」

「もうそこではやっていけない・・・」

というような極端な考え方。

 

これが、

非合理的ビリーフ、

いわゆる、

「~べき」

「~ねばならない」

思考です。

 

非合理的ビリーフは、

多くの場合、

幼少期の体験

(たとえば、この場合は親の不機嫌など)

によって、無意識に

インストールされています。

 

たしかに、

幼少期は、親に拒否されると

生きていけませんし、

親を不機嫌にすること自体が、

(子どもは親のことが大好きですから)

子どもにとって、とてもつらいことなので、

このようなビリーフ、信念を持ってしまうのは、

無理はありません。

 

(もちろん、多くの場合は、

親に悪気はありません・・・)

 

しかし、

大人になった今では、

「人に嫌われるべきではない」

という非合理的ビリーフに

縛られる必要はないわけです。

 

冷静に捉えれば、

Kさんは、Tさんが嫌いだから

返信をしなかっとは限らないし、

仮に、嫌いだからだとしても、

それでTさんがパニックになるほど、

落ち込むことはないですよね。

 

自分では、

なかなか自覚できないので、

上司やカウンセラーとの対話で、

それに気づいて、

 

「~べきではない」

という非合理的ビリーフを、

 

「~に越したことはない」

というくらいの、

合理的ビリーフに

修正できるといいですね(^^;

 

この本には、

代表的な非合理的ビリーフの例、

たとえば、

 

「二分割思考」

「過度の一般化」

「選択的抽出」

「マイナス化思考」

「心の読み過ぎ」

「先読みの誤り」

「拡大解釈」

「過小評価」

「情緒的理由づけ」

「すべき思考」

「レッテル貼り」

「自己関連づけ」

 

が図表で解説されていたり、

 

アーロン・ベック博士が提唱した、

認知の歪みを修正する手法、

 

「7コラム法」

 

も図表で紹介されています。

 

7コラム法は、

私、実際に書き込んで、

自分でワークをやってみた経験がありますが、

自分の自動思考に気づき、

修正することができて、

とても有益でした(^^)

 

(ただ、独力でやるのは、

けっこうしんどいので、

できれば、カウンセラーやファシリテーターと

一緒に取り組むことをおすすめします(^^;)

 

ちなみに、

非合理的ビリーフ(認知の歪み)を、

合理的ビリーフに書き換えるためには、

 

私の師匠、

野口嘉則さんの隠れた(?)名著、

 

幸せ成功力を日増しに高めるEQノート

 

 

がとても役立ちます!

 

本書を読んで、

実際にご自分で書き込んでいかれると、

非合理的ビリーフ(=心のブレーキ)

を書き換えることができ、

同時に、「幸せ」と「成功」を

実現することにもつながりますよ!

 

(あっ、今、残念ながら

品切れ重版未定・絶版

のようですが、

よろしければ古本でも(^^;)

 

 

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以上、今回は、

ちょっと、認知(行動)療法や、

論理療法の専門的な解説が長くなりましたが、

 

小倉広さんの新刊、

コーチングよりも大切な カウンセリングの技術

を、4回にわたって紹介・解説してきました。

 

企業社会には、

まだまだ、本書で述べられているような、

カウンセリングマインドをもった管理職は

少ないと思いますが、

これからの時代、

必ずや必要になってくると思います。

 

また、

悩める働く人たちが、

気兼ねなくカウンセリングや

コーチングを受けられるような、

そんな社会になればいいなと思います。

 

小倉広さんはこう述べます。

 

 

カウンセリングのゴールは

目標達成「以外」にあります。

 

それは、

気づきです。

 

しかも、

問題解決への

気づきではなく、

自分自身の再発見、

自己一致であり、

自己実現です。

 

「気がついて

いなかったけれど、

本当の私は、

〇〇のような感情を

持っていたのか!」

 

「私がいつも

イラっとくるのは

××という信念・価値観を

持っていたからなのか!」

 

という

ah!ha!体験です。

 

この気づきが

「全人格的な成長」

を生みます。

 

目先の課題解決を

一つひとつ

モグラ叩きするのではなく、

問題や悩みを

引き起こす根本に

アプローチすることで、

問題や悩みが

起こらなくなるのです。

 

そこにカウンセリングの

意義があると私は思います。

 

(中略)

 

人は現状を否定して、

変わろうとするから

変われない、

 

そうではなく、

どんなに受け入れがたい

不満足な現状であっても、

それを

「心の底から」

「これでいいのだ。

これで良かったのだ」

と受け入れた時に、

逆説的に変容が始まる。

 

(中略)

 

目標設定と

目標達成への解決策立案は、

現状否定から始まります。

 

(中略)

 

一般的に多くの人は

目標設定をした瞬間に、

達成できない原因を探し

(原因論)、

無意識に現状否定から

始めてしまう。

 

そして、

「変容の逆説的理論」に反し、

変容を阻害してしまうのです。

 

もちろん、

効用の限界は

カウンセリングにもあります。

 

だからこそ、

コーチング、NLP、

ティーチングなど、

それぞれを否定するのではなく、

相互補完的に

場面に応じて使い分け、

相乗効果を発揮して

いただきたいと思います。

 

これまで

注目されてこなかった

 

「企業経営にカウンセリングを」。

 

私からの提案です。

 

 

とても共感します(^^)

 

「企業経営にカウンセリングを」

 

このブログが一助になれば、

嬉しいです!

 

 

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今回も最後までお読みくださいまして、

有り難うございました(^^)

 

皆さまに感謝です😊

 

次回は、別の本を、

紹介します。

 

 

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おまけ

 

近所で咲いていました。

 

コスモス?

もう、そんな季節ですね・・・(^^;