ご訪問くださいまして、
有り難うございます。
れっつごうです(^^)
前回から、
今、話題のビジネス書
(というか思想書でしょうか)、
を紹介、解説しています。
著者は、
山口周さんです。
前回、
経済成長としてのビジネスが
既に終焉しているという、
著者の主張を紹介しました。
今は、既に成長が完了した、
「高原段階」
の社会である。
そして、
「安全で便利で快適な(だけの)世界」
から、
「真に豊かで生きるに値する社会」
に変換していく必要があるといいます。
しかし、
大きな課題があります。
近代から続いている
上昇の放物線の
惰性のうちにあって、
無数の成長が続く
ということを
当たり前の前提として
考えている人たちにとって、
成長の完了した
「高原状態」の社会は、
刺激のない、
停滞した、
魅力のない世界のように
感じられるかもしれません。
ここに、
私たちが向き合わなければ
ならない
本質的な課題があります。
真に問題なのは、
「経済成長しない」
ということではなく
「経済以外の
何を成長されれば良いのか
わからない」
という社会構想力の
貧しさであり、
さらに言えば
「経済成長しない状態を
豊かに生きることができない」
という心の貧しさ
なのです。
そうですね。
私は、アラフィフの
団塊ジュニア世代なのですが(^^;
私の周りを見渡しても、
まだまだ、ビジネスは、
あくまで、
「成長を目指すべき」
もしくは、
「シェアNo,1を目指すべき」
という考えの人が多いような気がします。
そして、
「経済成長しない状態を
豊かに生きることができない」
うーん、
痛いところを突いてきますね(^^;
では、
私たちは、
どこへ向かうべきなのでしょうか?
この本では、
明確に答えが示されています。
「便利で快適な世界」
を
「生きるに値する世界」
へと変えていく
ということ、
これに尽きると
思います。
これを別の言葉で
表現すれば、
「経済性に根差して
動く社会」
から
「人間性に根差して
動く社会」
へと転換させる、
と言うことになります。
私たちがこれから迎える
高原社会を、
柔和で、友愛と労りに満ちた、
瑞々しい、感性豊かなものに
していくためには、
この
「経済性から人間性」
への転換が
どうしても必要になります。
これを実現するために
必要なのは、
ここ100年のあいだ、
私たちの社会を
苛(さいな)み続けてきた
三つの脅迫、すなわち
「文明のために
自然を犠牲にしても仕方がない」
という文明主義
「未来のために
いまを犠牲にしても仕方がない」
という未来主義
「成長のために
人間性を犠牲にしても仕方がない」
という成長主義
からの脱却が
必要になります。
なるほどです(^^)
そして、
目指す「高原社会」
の方向とは、
大きな北欧型
社会民主主義国家
イノベーションによる
社会課題の解決
企業活動による
文化的価値の創造
だと、述べられています。
ここで、
ありがちな反論が
取り上げられています。
「イノベーションによって、
まだまだ経済成長ができるのではないか?」
しかし、著者は、
説得力のある論理で、
この反論をつぶしていきます。
たとえば、
イノベーションを
もたらしたといわれる
「GAFAM」
すなわち、
グーグル、アップル、フェイスブック、
アマゾン、マイクロソフトといった、
巨大企業が生まれても、
全体の経済成長率の低下には、
歯止めがかかっていない。
「全体のパイ」は増えず、
市場の内部で、
お金を移転させているに
すぎないといいます。
また、「経済合理性」
の問題も述べられています。
ちょっと図でなくて、
伝わりにくいと思いますが(^^;
(本誌ではマトリクス図式化されています)
社会の課題解決のために、
問題の普遍性(量)が、
低、中、高とあります。
問題の難易度が、
低、中、高とあります。
突然ですが、
ここでクエスチョンです(^^;
あなたが、
もしビジネスマンなら、
普遍性と、難易度、
どの組み合わせのビジネスを選びますか?
ちょっと考えてみてください・・・
そりゃ、
問題の普遍性が高くて、
難易度が低いビジネスですよね(^^)
本誌には、
成功事例として、
たとえば、
昭和後期の日本の
自動車、家電産業が挙げられています。
しかし、
今の「高原」の時代、
問題の普遍性が「高く」て、
難易度が「低い」ビジネスは、
すでに、
ほぼやりつくされているんですね(^^;
課題が残っている
ビジネス領域の多くは、
真逆の、
問題の普遍性(量)が「低く」、
難易度が「高い」もの。
ただ、それだと、
いわゆる、
「経済合理性限界曲線」
の外側になってしまうので、
費用対効果が悪くなってしまう。
商売をやっている方なら、
ピンとくると思いますが、
投資が回収できない、
いわゆる、
「採算の合わない(赤字の)ビジネス」
になってしまいがちなんですね。
例として、
「子どもの貧困問題」や
「希少疾病」
(罹患する人が希少な難病)
が挙げられています。
いずれも、
解決すべき重要な課題ではありますが、
従来の経済合理性で考えると、
たしかに、
「子どもの貧困問題」
は、マネタイズ(収益化)が難しいし、
「希少疾病」
の治療法、特効薬の開発は、
需要が少ないので、
採算が合わないと思います。
「高原」社会で、
残っている課題は
問題の普遍性が「低く」、
難易度が「高い」もの。
しかし、そこは、
従来のビジネスモデルで考えると、
「採算の合わない(赤字の)ビジネス」
になってしまい、
なかなか手が付けられない・・・
う~ん、
では、どうすればいいのか?
次回に続きますね(^^;
今回も最後までお読みくださいまして、
有り難うございました(^^)
