ご訪問くださいまして、
有り難うございます。
れっつごうです(^^)
NHK大河ドラマ「麒麟がくる」
本日が最終回の「本能寺の変」でした!
さきほど終わりましたが、
いやあ、圧巻でしたね!
(見逃した方、土曜日に
再放送もありますので、是非!)
その主人公、明智光秀が下巻で登場する、
遠藤周作さんの歴史小説、
を、紹介、解説しています(^^)
(大河ドラマの原作ではありませんので、
ストーリーは違います(^^;)
前回は、
光秀が謀反、すなわち、
「本能寺の変」に至るまでの
ダークな心理を、
本から引用しながら解説しました。
今回は、
「本能寺の変」後の場面で、
私が印象的に感じた
遠藤周作的「愛の場面」
を紹介、解説していきます(^^;
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少し、要約します。
時代が、さかのぼりますが・・・
明智光秀の娘と言えば、
三女の細川ガラシャが有名ですが、
長女の「さと」
(麒麟がくるでは、お岸)は、
この小説の上巻の主人公でもある、
荒木村重の息子、荒木村次に嫁ぎます。
いわゆる、政略結婚ですね。
しかし、
荒木村重が、
織田信長に反旗を翻したため、
(光秀とは敵同士になるため)
離縁させられて、実家に戻ってきます。
政略結婚とはいえ、
実は、若き2人、
「さと」と村次は、
愛し合っていたんですね。
しかし、荒木一族の謀反によって、
仲を引き裂かれた・・・
出戻りになり、
寂しげな「さと」を見るに見かねて、
父親の光秀は、
一族の重臣、明智秀満と再婚させます。
秀満は、彼女よりも19歳も年上。
堅物で、真面目だけが取り柄の男。
愛する荒木村次は、遠く尾道の地で、
まだ生き延びているという・・・
「さと」の気持ちは、
ずっと村次にあるまま、
秀満を疎ましく感じていました。
そして、本能寺の変。
その後の天王山、山崎の戦いで、
明智光秀が敗れ、のちに、切腹。
明智軍の本拠地、
明智秀満が守る近江坂本城に
秀吉の大軍が迫り、
やがて包囲されます・・・
(以下、引用)
「なぜ、逃げぬ」
と、夫(明智秀満)は
立ちはだかったまま、
たすねた。
「今ならば城の外に逃げられる」
「逃げるのでござりますか」
唖然として
さとは夫にたずねた。
秀満の口からは
そのような言葉をきこうとは
全く考えてはいなかった。
「とりあえず
宮津に逃げられよ。
細川藤孝さまならば
情もおありだ。
きっと毛利の城に
送り届けてくださる」
さとは
驚愕して夫の言葉を
聞いていた。
「そして・・・
尾道に参られるがよい」
夫は眼をしばたたいて、
尾道という地名を口にした。
「なぜ・・・尾道で、ございます」
と、さとは
静かにたずねた。
「(荒木)村次殿は・・・
そこに御所在の筈だ」
「村次さまのもとに
行けと申されるので
ございますか」
「そこもとが村次殿を
忘れかねていることは
知っている。
無理もない。
この秀満は、
村次殿にくらべ若うもない。
はなやかでもない。
命じられたことを
大事に果たす
それだけの男だ」
さとは、茫然とした。
この夫が―
今日まで感情らしい感情を
ほとんど表情にみせず、
律儀に、真面目に
光秀の指図を果たしてきた男が、
さとの心の秘密を知っていた。
見抜いていた。
彼は知りながら、
知らぬふりをしてくれて
いたのだ。
父親のような思いやりと
いたわりとが
夫にそのような演技を
させたのにちがいない。
「かたじけ・・・」
と、さとは
息とともに溢れてきた
泪をのみこんで
「かたじけのう・・・ございます」
(中略)
「さ、早う逃げよ」
と秀満はせいた。
「逃げませぬ」
さとは顔をあげ、
きっとした声を出した。
このような表情を
彼女がみせるのは
秀満にとっても
初めての経験だった。
人形のように―
と言っては大袈裟になる。
だがいつも
父や夫の前では
嫌とは決して口に出さなかった
従順な女が
強情そのものの
素顔をだした。
秀満はたじろいた。
「さとは・・・」
と彼女は
夫を見つめて答えた。
「秀満さまのおそばにて、
自害、いたします」
明智秀満は、
男の中の男ですね・・・
これが、ほんとうの愛、
というものかと思います。
最後に、秀満の愛が、
さとに伝わった。
そして、
秀満と共に自害する道を選ぶ、
さと。
う~ん、
戦国の世とはいえ、
切ないですね・・・
織田信長の妹である
お市の方も、
初婚の浅井長政が、
小谷城落城時に自害する際には、
脱出しますが、
最後は、北ノ庄城で、
再婚相手であった、
柴田勝家と、共に自害しますね。
(3人娘は逃しますが(^^;)
もちろん、
このような美しい死ばかりではなく、
本音は生き延びたかったのに、
道連れにさせられた死も、
多かったと思いますが、
いずれにしても、
落城の際には、
いろいろな、人間ドラマがあったんだろうと
想像します。
死を目前とすると、
人間の「生きざま」が、浮き彫りになる・・・
ちなみに、
尾道の地で生き延びていた
荒木村次は、
やがて、お家再興のために、
豊臣秀吉に仕え、
柴田勝家との、
賤ケ岳の戦いに従軍するのですが・・・
次回に続きますね(^^;
今回も、
最後までお読みくださいまして、
有り難うございました(^^)
