短い小説 空き地 | ごっこ遊びdeキャラメイク☆ヒカリサス☆山本麻生(ヤマモトマイ)

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まいすけへの感想

 

  乗り越えるシーンは、かっこいいものであって欲しいと思っていた。

「ああ、終わったんだ」

と唐突に思って目の前に広がる空き地を見る。金網のフェンスで隔たれた平地には、名も知らない花を咲かせた雑草が生い茂っている。    


 スーパーに行こうとラフな格好で出てきた私は浮かんでくる雑多なことを頭の中に漂わせながら歩いていた。そして、その雑多な思いは過去に飛び、人生をかけて乗り越えようとしてきたシーンを再現した。


 そして、もう、それは、私を苦しめない。


 私の人生に挟まってきては、邪魔をし続けてきた「それ」は、

 どうやって向き合っていいかわからず、無視しても追いかけてくる「それ」は、

何度も何度も浮き上がってくる度に感じきることで、薄くなって消えていった。

 終わってみれば簡単なことだった。

 感じきればいい。

それだけのことに、どれだけの時間を使ってしまったのか、と思うと笑えてくる。


 誰かに救って欲しかった。こんな地味な訓練を繰り返すような救われ方なんて嫌だった。

 終わった、と知った私の目の前に広がる空き地を凝視して、せめて絵画的な何かを設定しようとする自分はあさはかだ。それでも、何度も見たはずの空き地は、いつもより花が多いような気がした。

 廃墟となった団地を取り壊し、雑草ばかりが生い茂る「今」気づけたことは少し幸運かもしれない。

 そういうことにしておこう。


 私の心の中には「感じる」待ちの心がたくさん眠っている。さぼって逃げてきた時間を取り返すように訓練が待っている。何度も何度も摩りきれるまで感じきって私はワタシを取り戻す。


 広がる緑は私の中に突き刺さって、私は涙を流す。なんでもない空き地は私の脳裏に色濃く入ってきて、思った以上に私を釘付けにした。

 



 

 

 

 

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