究極の金持ち心理を小説にしてみた | ごっこ遊びdeキャラメイク☆ヒカリサス☆山本麻生(ヤマモトマイ)

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成長するまでに封印したキャラをやりたいことに合わせてごっこ遊びで開放するキャラメイキングのお手伝い
漫画好き

「おまえの仕事は、何もしないことだ」

と父である王は言った。

「与え、認める。

それだけでいい」

ドアを開けてもらうことさえ、

仕事として成立する。

仕事を与え、最高級だと認めてあげること。

それが、役割なのだ、と。

「只人に人は仕えない。

王とは、皆が、認めて欲しいと願わずにはいられない

なのだ」

そして、父王は死に、私は女王となった。

 

 

 
 

 

大臣は、私に巷で流行っている君主論を覚えさせようとしたが、断固として拒否した。

そんなものは所詮、只人が作ったものだ。

政治も最高級であるかを判断するだけでいい。

最高級であるかは、会議を見ていれば分かる。

本当のことを言ってる人間の顔と、何か含みがあることを言っている人間の顔は違う。

政治を最高のものにしようと思う者に機会を与え、結果を出したものに褒美を与える。

結果を正しく判断する。

裏切ることは、気持ち悪いこと。

最大の喪失感を得ることを思い知らせればいいのだ。

 

 

 

そして、今日も私の治世は安泰に続いている。

 

 
 
 
 

 

 

ガリオ女王の治世は、今日も安泰だ。

サイヒ大臣は、会議前の資料を整えながら、ため息をつく。

今日報告する結果に女王は満足してくれるだろうか?

サイヒの祖父の時代には、王族の暗殺もあったというのに、ガリオ女王の父王ダジから、ガラリと変わり、威光がよみがえったのは確実だった。

この国は、王というものを正しく認識し、神の輝きを取り戻したのだ。

サイヒをはじめ、国民の全てが「ガリオ女王に尽くしたい」と心の底から思ってしまう。

ガリオ女王は、よく見ている。

「あの人に認められる仕事をしたい」と思ってしまう。

くやしいほどに仕えられる喜びを感じてしまう。

サイヒは、元々ガリオが即位するとき、反対派だった。

ダジ王が取り戻した「神のごとき王の威光」を女王であるガリオが続けられるとは思えなかった。

ただのわがまま王女だと思っていたのだ。

カリスマ性はあったが、政治を勉強する気配もなく、また、混乱の時代に入ると思われた。

それがどうだ。

ダジ王以上にガリオは、敏感だった。

誰がどれだけ誠実で結果を残しているか、その評価する力は父王以上だったのだ。

 

 

 

「おまえは、これで最高だと思っているのか?」

この言葉に何度苦しめられただろう。

そして、それ以上に、

「よくやった」

のひとことにどれだけ喜んだことだろう。

元反対派のサリオでさえ、魅了され夢中になっていた。

 

 

 

ガリオは、ベッドに入って、天蓋を見つめる。

女王の顔を捨て、ただの女となって横になる。

伴侶はまだいない。

父王に「すべての国民の母であれ」

と教えられてきた。

親離れした国民が、次に頼るのは王族なのだ。

守り、認め、生かす。

全ての国民の母である女王を外し、何重にも守られたこの部屋で、ぼんやりとするのがガリオの楽しみだった。

 

 

 

ガリオ女王の治世は安泰だ。

ガリオが、神である限り。

ガリオが女王であることを忘れない限り。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 

 
 
まとめ
女王様が、罪悪感で、余計なことすると
壊れますよ。っていう童話