銀座の街を
色とりどりの傘がひしめくように
通り過ぎていく。
あんなに多くの傘が
歩道を遮っているのに
地面は濡れている。
心理テクニックを駆使しても
前提が変わらなければ
心がシクシク痛むように
傘をさすように
手軽で見映えのいい
小さい心理テクニックで
ごまかそうとしても
変わることのできない
濡れた地面。
地面は濡れている。
ということを認めないと
建物に入る。
という選択肢は出てこない。
傘でも充分雨しのげますから!
と強がって
足元びっしょりで。
痛々しく見えても
「急ぎますから!」
しか言えなくて
そんなことを繰り返して
やっと地面が見えるようになったなぁ
と思う