当日の告知になって、申し訳ないが、今夜、6月12日(金)、東京「渋谷La.mama(ラママ)」で開催される「SOUND STREET LIVE VOL.7」に出演するシンガーソングライターを見ておいて欲しい。それは新谷隼平というシンガーソングライター。おそらく、知らない方も多いと思うので、彼のプロフィールをオフィシャルウェブから引用しておく。
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「平成元年(1989年)5月7日生まれ 青森県五所川原市出身
シンガーソングライター 現役書店員
2014年、1st mini album「孤独を愛するうたうたい。」でインディーズデビュー。
2016年〜2021年、地元青森県五所川原市の無料音楽フェス「やってまれフェスティバル」を主催。
コロナ禍を経て、応援してくれるファン一人一人の大切さに改めて気付き、路上ライブからリスタート。泥くさく、新谷らしく。
2025年2月、シングル「夏帆」を全国リリース。オリコンメジャーチャート40位を記録。
2025年6月 9月 1978年~1987年にNHK-FMで放送された伝説のラジオ番組「サウンドストリート」の令和版「SOUND STREET LIVE」に出演。森重樹一(ZIGGY)、ダイアモンド☆ユカイ等と共演。
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彼のHPは以下になるので、詳しいプロフィールを知りたければ参照いただきたい。
彼のライブを先日、4月23日(火)に渋谷ラママ(渋谷La.mama)で見た。新進気鋭のシンガーソングライター、新谷隼平と伝説のシンガーソングライター、友川カズキとの共演である。友川カズキはロックファンの間では頭脳警察のトシこと、石塚俊明との共演でしられている。このライブ、実は昔からの知り合いからの紹介でみることになったが、これも“サンスト”(かの伝説のラジオ番組『SOUND STREET<サウンドストリート>』)絡みである。伊藤銀次のかつてのマネージャーから同番組のプロデューサー、湊剛さんが関わるイベント「GIRLS' SOUND STREET LIVE」が3月3日(火)に東京・渋谷ラママで開催されるので、見てくれと言われた。松田樹利亜 、DOLL PARTS 、PINK DIAMOND 、Aishaというガールズロッカーが顔を揃え、ZIGGYの森重樹一が黒一点、華を添える“雛祭りライブ”の模様は既にブログなどで紹介している。同イベントには出演してないが、新谷は来ていて、知り合いから紹介された。最近には珍しい(!?)、しっかり挨拶のできる若者だった。湊さんが関わるイベントは、3月に続き、2度目になるが、今回は“SOUND STREET LIVE”と銘打たれず、「友川カズキ × 新谷隼平 2マンライブ at 渋谷La.mama」となっている。今回も湊さんが関わり、新谷のリハーサルなどには湊さんも立ち会ったという。
https://ameblo.jp/letsgosteady/entry-12958770037.html
新谷の『夏帆』、『曇天』、ピアノ弾き語りSONG BOOK『無垢とグレー』などの音源は直接、本人から郵送でいただいていたが、それには綺麗な文字で丁寧な手紙が添えられていた。
この日、4月23日(火)、渋谷ラママのステージに登場した新谷はソロでピアノの弾き語りで「故郷を遠く離れて」を歌った。いきなり五所川原という地名が出てきて、かつて青森の三沢へ行き、寺山修司の遺品などを撮影(彼のトリビューアルバムを制作するため、同所を訪れた。まだ、1997年に開館した「三沢市寺山修司記念館」が出来る前だった)したことを思い出す。久しぶりに生のフォークソングを聞いた思いがした。彼の歌声は清冽で、ピアノの音も情感が籠もる。自らのルーツを弾き語る。“アズベリー・パークからの挨拶”ならぬ、“御所川原からの挨拶”か。
同曲を歌い終えると、ピアノとギターが加わるアコースティック編成になる。バラード「ハルウララ」を披露する。同曲は寺山繋がりではないが、春夏秋冬の春の歌ではなく、競馬馬「ハルウララ」の歌である。生涯1勝も挙げず、負け続け、引退している。逆に人気が出て、負け組の星と言われた。新谷の優しい眼差しを感じさせる。
アコースティック編成のまま、ミドルテンポの「憧れと幻想と矛盾の経済」が歌われる。トピカルソングという風合いの歌詞が並び、この世界の実相を描いて見せるのだ。
同曲後、バンド編成になって、キーボードとドラムス、新たにギターが加わる。同バンドにはAishaの牧元芳朗がギタリストを務めている。エンジニアリングやプログラミングなど、多芸多才のミュージシャンだが、彼が加わることで、その音の景色が鮮明になっていく。絵筆を加えたという感じだろうか。
バンド編成でスロウ&メロウな「ヘルプレス」、太陽の光が注ぎ、心も体もウキウキさせるアップテンポの「追憶の夏」、チェンジオブペース、少しテンポを落とし、ゆったりとしたミッドテンポの「心」を畳みかける。
同曲を終え、この日の友川との共演を喜びつつ、もっと彼について語りたいが、たくさんの曲を演奏するため、時間の関係で次から次へと披露しなければならないと話す。
そんな思いの籠った曲達がバンドと一体になって、怒涛の如く披露されていく。新谷隼平というシンガーソングライターの真骨頂というべき曲の繋がりだろう。ちょっと驚かされた。
ロックナンバー「ベネズエラ」、ミドルテンポの「戦争のメカニズム」が披露される。自らのメッセージを歌に込め、ロックのリズムに乗せ、客席と同時に世界に向けて放つ。それは世間への異議申し立てにも聞こえる。トランプによるベネズエラ侵攻を批判する歌を2026年にこの場所で聞けるとは思わなかった。そして不条理な戦争のメカニズムを暴いて見せるのだ。日本ではとかくロックに政治を持ち込むな――など、揶揄や批判の対象になりつつあるが、そんなものを一足飛びに越して見せる。きっと、新谷隼平の中では歌わなければいけないことだったのだろう。同時に外野のくだらない雑音も覚悟の上ではないだろうか。日本ではフォークソングがいつの間にか、骨抜きにされ、トピカルやソシアル、プロテストな視点が失われてきた。いま、改めて新世代の異議申し立てにはっとさせられてしまう。とてつもない、カウンターパンチを食らった爽快さ(撃たれ好きではない!)、と、良く言ってくれたという痛快さがある。
ブルース・スプリングスティーン&Eストリート・バンドによる「Land Of Hope And Dreams」の北米ツアー初日となった2026年3月31日のミネアポリス公演は、オープニング・ナンバーに「WAR」を披露。同曲は1970年全米1位を獲得したエドウィン・スターのカヴァーで、“War, what is it good for? Absolutely nothing!(戦争?何の役に立つんだい? まったく何の役にも立たないぜ)”という反戦歌だ。そしてのアンコールでスプリングスティーンはボブ・ディランの「自由の鐘(Chimes of Freedom)」をレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのトム・モレノとともに歌い、コンサート 終演後のBGMにはウディ・ガスリーの「わが祖国(This Land Is Your Land)」を流したという。 ちょっと、論点がずれたかもしれないが、海外に倣えと言うつもりはないものの、そんな認識を持っていてもおかしくないだろうとは言わしてもらいたい。
フルバンド編成で「バッドライフさらば」、「過ぎていく」を披露し、最後の曲である「グッドバイミーツザワールド」を歌う直前、同曲について語る。タイトルから明らかなように「第35回柴田錬三郎賞受賞作」である金原ひとみの『ミーツ・ザ・ワールド』に影響を受けたものであることを告げ、歌舞伎町の歌であるとつけ加える。流石、現役書店員である。同時代へのクリエイターへの共感を感じる。彼の歌は自閉することなく、社会に開かれているのだ。欲望と猥雑の都市を題材にするところなど、ルー・リードや寺山修司に連なるものを抱かせるのだ。
まだ、歌詞と曲の乖離などもあるものの、新しい世代のシンガーソングライターの登場ではないだろうか。流石、湊さん。彼の目利きとしての才を感じるのだ。彼はSNSで今度のライブで一緒にステージに立つ仲間達について“本当はこんな音楽がやりたいんだよなと思いながらも表現出来ずにいたオルタナティブロックを今のメンバーたちと出逢ったことで自然と導かれるようにそれが出来ている今に感動しています。音楽シーンを切り拓いていくんだ。ステージ楽しみにしていてください”と呟いている。
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■新谷隼平セットリスト 2026年4月、4月23日(火)東京「渋谷ラママ(渋谷La.mama)」
1.故郷を遠く離れて(ピアノ弾き語り)
2 .ハルウララ(アコースティック編成 ピアノ、ギター、ヴォーカル)
3.憧れと幻想と矛盾の経済(アコースティツク編成)
4.ヘルプレス(フルバンド編成)
5.追憶の夏(フルバンド編成)
6.心(フルバンド編成)
7.ベネズエラ(フルバンド編成)
8.戦争のメカニズム(フルバンド編成)
9.バッドライフさらば(フルバンド編成)
10.過ぎていく(フルバンド編成)
11.グッドバイミーツザワールド
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新谷隼平に続いて、友川カズキがギターを抱え、ひとりでふらりとステージへ現れる。椅子に座るなり、演奏を始めるかと思ったらMC(!?)が始まる。“「ベネズエラ」を歌ってくれたのは嬉しかったです。何故なら世界があれを非難しないから。ちゃんと書いてくれた”と熱を込めて語る。歌が始まる様子は暫く、新谷隼平への賛辞が続く。“自分は記事を書かない新聞記者。誰も尾行しない探偵を名乗っています”と語り、“テレビやマスメディアはどうでもいいことは騒ぎ立てるけど、大事なことは伝えない”とくさす。いつもの演奏が始まり出すと、途中でやめて、新谷のことを再び、話し始める。友川は“隼平さんの歌聞いていたらおかしくなっちゃった。変な歌を唄いやがって”と嬉しそうに語る。
漸くペースが戻ったか。お馴染みの「祭りの花を買いに行く」、「光るクレヨン」など、聞かせてくれた。歌が終わるとトークが続く。ある意味、泉谷や高田渡など、かの世代の特色か、語りと歌が込みで、その世界と言っていいだろう。
PANTAや遠藤ミチロウ、三上寛など、同世代の盟友たちの話を嬉しそうにする。残念ながら三上を除き、二人は既に鬼籍に入っている。そんなこともあって、彼らを追いかけるように新谷隼平のようなシンガーソングライターが現れたのが嬉しいのではないだろうか。
友川は自らのステージの締めに新谷を呼び出し、2人で歌を披露することになる。新谷は緊張気味しているみたいだが、友川は期待できる後進との共演が嬉しいのか、終始、にこやかである。勿論、歌はすぐに始まらず、新谷の郷里、青森の話になる。三上寛も寺山修司も青森出身である。ちなみに友川は秋田出身。東北県人会か。“ケンミンSHOW”状態に話が盛り上がる。
二人はエゴン・シーレやセザンヌ、フランシス・ベーコン、長谷川利行、関根正二、中村彝などの画家が登場する友川カズキの「一人ぼっちは絵描きになる」(2010年にリリースのアルバム『青いアイスピック』に収録)を披露する。希代の名曲を2026年に甦らせる。世代を超えた共演である。その瞬間を共有したものは様々な思いや悩みを抱えつつも至福と嘉悦に包まれたはず。今日の「渋谷La.mama」は友川カズキは出ないが、友川カズキをかくも狂わせる新谷隼平の新世界を体験して欲しい。
https://www.lamama.net/article/s-20260612/
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