不退転の決意表明!THE MODS 40TH ANNIVERSARY LIVE ENCORE Ⅰ | Let's Go Steady――Jポップス黄金時代 !

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Jポップスの黄金時代は80年代から始まった。

そんな時代を活写した幻の音楽雑誌『MUSIC STEADY』をネットで再現します。

先週の土曜日、6月18日は クラブチッタ川崎で『THE MODS 40TH ANNIVERSARY LIVE ENCORE「続・約束の夜」』を見る。チケットは一瞬にして、ソールドアウトになったという。開演前から熱気渦巻く、会場の風景は変わらないが、オールスタンディングではなく、座席が用意されている。本公演だけでなく、大阪なども座席があったという。流石、座っているものはおらず、観客は立っているが、あくまでもその座席の位置にである。オールスタンディングのように自由に動き回ることはできない。

 

また、演奏が始まり、拍手とマスク越しの歓声の中、森山が登場する。その際、彼は唇に指を当てていた。感染拡大から減少傾向になりつつも予断を許さないのが今の状況。それは、まさに2022年6月の光景ではないだろうか。森山はその思いを理解しながらも注意喚起する。

 

 

デビュー40周年のアンコールツアーは7月9日(土)の 日比谷野外大音楽堂まで続く。そのため、セットリストなどは公開できないが、そのセットリストには今の彼らの思いや願いが込められていると言っていいだろう。

 

1981年6月にデビューし、これまでにオリジナル・アルバムを30枚以上、リリースしている。1枚に10曲という単純計算しても300曲以上のレパートリーがある。新旧問わず、その歌は時を超える“普遍性”を獲得している。地球が悲鳴を上げ、銃弾の雨が降りしきる状況だが、今、演奏すべきナンバーを選んでいる。これから彼らのライブを見るという方は、改めてその歌たちの意味を噛みしめてもらいたい。

 

THE MODSは時代を映す鏡であると同時に“Garage Wonderland”の息吹を伝えるバンドでもある。こんな時代と対峙するメッセージを届けるとともに、私達を鼓舞し、躍動させるビートを放つ。

 

 

森山達也は『HANDS UP』のビデオを何十年間に1回くらい見るらしいが、“あの森山”が羨ましいと言う。この年齢になるとあちこちが痛くなる……と、珍しく“弱音”を吐く。同世代の観客に同意を求めつつも、この歳までロックできていること、そして、そんな自分達に付いてきてくれるファンがたくさんいることを喜び、感謝する。こういうロック文化を次の世代へ引き継ぐことができたら最高だとも告げる。その言葉は、回り道や近道などをせず、ロックの道をひたすら歩んできた彼らだからこそ、言えるものではないだろうか。

 

 

まだ、制約と制限の中にロックはある。しかし、この日のTHE MODSと観客のやり取りを見ていると、少しずつだが、“ロックする準備”は整いつつあるようだ。彼らがいれば“ロックは大丈夫”という期待と希望を抱かしてくれる。

 

 

この日、掲げられたデビュー時のバックドロップと、観客へ届けられたラストソングは、そんな彼らの“不退転の決意”にも思えた。その曲を聞いた時、心と身体を揺さぶられ、自分の中に込みあげるものがあった“KIDS”は少なくないはず。40年を経ても彼らは私達を鼓舞し続けるのだ。

 

既に日比谷野外大音楽堂を始め、各地の公演はソールドアウトらしいが、もし、機会があれば見て欲しい。

 

ちなみにブログのタイトルに“Ⅰ”を付けたが、“Ⅱ”があるということ。日比谷野外大音楽堂公演後に書く予定だ。暫し、お待ちいただきたい。

 

なお、終演後、6月20日に発売されるTHE MODS・40周年を記念したオフィシャル・ブック『THE MODS 40th Bye Bye Stardom, Hello Rock'n'Roll』(シンコーミュージック・エンタテインメント)を逸早く購入した。なかなか、読みでのある一冊だ。ファンのみならず、ロックを愛する方は必読だろう。「TWO PUNKS」から「LOOSE GAME」へ、そして「LOOSE GAME」から「STAY CRAZY」へ、まだ、途上にあるが、彼が導き出した究極の回答がある。“Bye Bye Stardom, Hello Rock'n'Roll”、なんてカッコいいタイトルだろう。

 

 

https://themods.jp/2022/03/10/40th_anniversary_live_encore/