例によって、ツアーは始まったばかり、セットリストなどは詳らかにできない。単なるメモ書き程度に留める。
難波弘之の白板症の治療のため、初日、6月6日(木)の市川公演、同2日目、6月10日(月)の宇都宮公演が延期になるなど、波乱含みでスタートした山下達郎の2019年のツアー『PERFORMANCE2019』。本来3日目になる6月14日(金)の岩手公演から初日の幕が開き、青森、福岡、島根、広島、大阪、長野と、順調に回ってきた。ところが、7月12日(金)、13日(土)の東京の中野サンプラザ公演が山下の気管支炎のため、中止となってしまった。治療のため、一定期間の休養が必要となったが、その一定期間をいい子にしていた山下は先週、無事に復帰、7月17日(水)と18日(木)の東京のNHKホールの公演が開催された。いろんな意味で幸いなことに18日(木)の復帰公演を見ることにできた。
多くの方が指摘している通り、とても病み上がりとは思えない完璧なステージ。マイクなしで客席の最後尾まで声を届かすというパフォーマンスも健在である。山下自身、そんな柔じゃないと言っていたが、その言葉に嘘はない。
3時間超え、いつに増してバラエティ豊かな選曲。そして受け狙いを含め、意外なナンバーを披露するなど、いい意味で遊びも感じる。2008年、6年ぶりにツアーを再開してからほぼ同じメンバーで演奏をしてきた成果だろう。完璧な歌と演奏、パフォーマンス、MC、照明、音響を堪能させてもらった。
今回の意外なナンバーには山下をこの世界に知らしめることになる恩師とでもいうべきアーティストの代表曲もあった。敢えて名前は出さないが、既に鬼籍に入られている。山下はその歌を歌うに際して、歌い継ぐ資格と覚悟があると、告げている。詳述はしないが、深い思いと強い決意を感じないわけにいかない。見る方にとって、それぞれのハイライトがあるので、断言はしないが、白眉だと思った方も少なくないだろう。その言葉と歌は心の奥底を抉る。
最近、国内外で再評価著しい“シティ・ポップ”について、山下自らのエピソードを披露しながら、言及している。これまた、詳述しないが、当時のアルバムのセールス枚数を明かして“41年前に言ってよ”と、笑いながら語った。かつてシティ・ポップ(当時はシティ・ミュージックやシティ・ポップスみたいな言い方がされていたと思う)と言われるアーティストを取材したり、作品を紹介してきたが、時代や世代、国籍を超えて新たな評価を獲得するのは嬉しい限り。と同時に違和感を抱くというのも正直なところだ。いっしょくたやごちゃまぜも感じている。東京で生まれ、育ち、かつ、山下達郎や大貫妙子、吉田美奈子、南佳孝、佐野元春、杉真理…などの“名盤”をリアルタイムで聞いてしまっている。彼らの御託も散々、聞かされている。不思議と耳が肥え、口もうるさくなるというもの。そのレッテルがついても安易な妥協はできない。そういう意味では本当にいいお手本と出会えたことで、ハードルがとてつもなく上がっていると感じてもいるのだ。
そんな幸運な出会いから40年以上、いまも期待を裏切られることはない。同時に彼らのような格好いい大人になりたいと、この歳になっても思う。生きる勇気と元気も相変わらずもらっている。そんな観客の期待に彼らは充分過ぎるほど、応えてくれるーー稀有な存在ではないだろうか。
何度もいう。是非、機会を作って、動く山下を生で見てもらいたい。ツアーは10月まで続く(延期になった宇都宮公演の代替公演は11月19日、火曜日に開催される)。実は来年、2020年は五輪の影響でコンサートが開催しにくい状況になるため、アコースティック・ライブは引き続き開催するが、通常のツアーなどは行わないみたいだ。キャンセル待ちでもかまわないので、抽選へ果敢に挑んで欲しい。山下も言っているが、抽選に申し込まなければ当選もしない。まさに真実だろう。私自身、その無謀な挑戦(!?)を繰り返し、山下の新宿ロフトでのアコースティック・ライブを引き当てている。駄目元でも申し込んでみるべきだ。
メモ書き程度といいつつ、だらだらと綴ってしまった。字数の割には詳しいことは書いてないので、怒られる(笑)ことはないだろう。ただ、加齢による(!?)記憶違いや勘違いもある。お気付きの方はやんわりと補足しておいて欲しい。