3連休は10月6日(土)、7日(日)に米沢、会津若松、白河と車を駆って回った。米沢牛にソースカツどん、白河ラーメンと食い倒れ。会津若松は、今年は戊辰戦争から150年ということで盛り上がっていた。いまも各所に大河ドラマ『八重の桜』に主演した綾瀬はるかのポスターが張られ、改めて明治維新とは何だったのかを考える。また、戊辰戦争が“中央”で話題にならないことに、歴史の不可逆性を感じたりもした。歴史はすべて勝者から語られ、為政者に都合よく“改竄”されるものなのだろう。
そして、3連休の最終日、8日(月・祝)はそんな歴史に新たな視点を与えてくれる、かの『電子音楽 in JAPAN』の著者・田中雄二のイベントへ行ってきた。同日、新宿ネイキッドロフトで開催された田中雄二「増刷記念!『エレベーター・ミュージック・イン・ジャパン』講義スペシャル」を堪能する。『エレベーター・ミュージック・イン・ジャパン』(DU BOOKS)は、日本のBGMの歴史をまとめた研究書&ガイドブックで、この5月に出版され、大きな話題となり、音楽書には珍しく増刷にもなった。
同イベントは、増刷を記念したもので、5月20日(日)に新宿ネイキッドロフトで開催された「音で聞く『エレベーター・ミュージック・イン・ジャパン』集中講義」の第二弾である。
今回のゲストは同書の帯に推薦文を書いたカーネーションの直枝政広。知的好奇心を満たし、音楽の冒険の旅へと誘う魅惑のイベントだ。BGMの歴史を辿りながら、渋谷系のルーツも探索できる。まるで一級のドキュメンタリーやノンフィクションを見ているかのようだ。
この日のために催事限定冊子「BGM関連ディスクガイド拡張版」の配布、東洋メディアリンクスの会社訪問の映像制作など、至れり尽くせり。田中雄二らしい丁寧な仕事ぶりが流石である。
ゲストの直枝政広の的確なコメントも話題が広がり、単なるマニア向けではなく、誰もが興味を抱けるものになる。聞いていて、楽しくなってくる。彼のBGM的な作品群も興味深い。ナレーションものも素晴らしかった。本人も盛んに言っていたが、彼にはCMやジングル、劇伴など、もっと手掛けてもらいたい。音楽的な幅の広さ、底の深さがあるだけに、面白い“BGM”ができそうだ。
また、両者の“私的BGM”が紹介されたが、直枝のベスト5(!?)の中に立川談志のドキュメンタリーが入っていたのには驚いた。実は、何故か、私も持っている。ちょっと、嬉しかった。
田中雄二がBGMの歴史をまとめた『エレベーター・ミュージック・イン・ジャパン』を未読の方は是非、読んでいただきたい。音楽の聞こえ方が違ってくる。いろんな視点を提供してくれる。必読だ。
そういえば『BGM』がリリースされた時、細野晴臣に取材したが、“BGM”を“BRAIN GAME MUSIC”などと、勝手な自己解釈を伝えたが、クスッと笑われたことを覚えている。
彼の近著『AKB48 とニッポンのロック』(スモール出版)の“講義”も見てみたい。秋元康のか、なんていわず、同書も多くの方に読まれるべきだろう。秋元康やAKB、SKE、欅坂…などを取り上げつつも某バンドにとらわれることなく、縦横無尽に日本のロック史をまとめている。一部に敢えて断定せず、曖昧に表記されているところもあるが、それは取材不足や資料不足などではない。取材しつつもオフレコなどもあって、書けないこともあったという。むしろ、誠実さの現れと感じている。私自身は、秋元康に取材などしたことはないが、80年代に片岡鶴太郎のアルバム作りを元サディスティック・ミカ・バンド、サディスティックス、当時はイミテーションの今井裕と関わった際、フジテレビ(河田町時代!)へ行き、『オールナイトフジ』の楽屋で、ライブなどの打ち合わせをしていた。そのときに片岡鶴太郎のマネージャーから秋元を紹介されている。彼に松尾清憲の「5月のSUICIDE]と「アスピリン・ノイローゼ」を良かったといったところ、嬉しそうに微笑んだのが印象に残っている。同曲は彼にとって、どういう位置にあるかわからないが、案外、秋元康の本質のようなものがあると、30年間くらい勝手に思っている(笑)。
直枝と同じく帯に推薦文を書いた近田春夫をゲストに田中雄二流の歴史絵巻を見てみたいものだ。
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