the南海オークス――ドカンと一発!「揚花-Agehana-」 | Let's Go Steady――Jポップス黄金時代 !

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大売れしているようだ。静岡県湖西市新居町のアナーキー公務員、松山智次郎率いる新居町のセックス・ピストルズの異名を取るthe南海オークスのメジャー・デビュー・シングル「揚花-Agehana-」が全国各地で、話題沸騰している。松山とは、数年前にFacebookを通して、再会したかつての仕事仲間の美人編集者の紹介で知り合った。地元の面白いバンドがいるから聞いてくれといわれ、それ以来、主にメールのやり取りのみだが、親しくさせてもらっている。FBなどでも度々、紹介している。そんなわけで、デビュー・シングルが売れていることは、我が事のように嬉しい。応援してきた甲斐があるというものだ。

 

「揚花-Agehana-」は、かのCCRの某曲を意識したらしいが、RCサクセションがモット・ザ・フープルしたような楽曲で、松山の特徴あるだみ声に軽快な音が重なる。聞くと、気分の上がるナンバーである。

 

“揚花”とは、「打ち上げ花火の新居弁。今でも新居町では、町内の祭、運動会など、打ち上げ花火で当日を知らせる風習があります。当然、手筒花火の祭でも、当日の朝、昼、行事のスタート、手筒花火の合間、祭終了の合図、と揚花が打ち上げられます。昔は手筒の名人だけでなく、この打ち上げ花火を作ったり、打ち上げたりする『揚花名人』と呼ばれる人もたくさんいました」と、松山は語る。曲名には「ドカンと一発の思いを込めて」いるという。

 

松山自身、公務員の傍ら、新居町の「諏訪神社奉納煙火祭礼」で、諏訪神社の氏子、新居町民として花火の作成から花火の点火までを取り仕切る。手筒花火は打ち上げ花火みたいに花火師が花火を上げるのではなく、地元のものが自ら花火を抱え、火を点け、発火し、火花飛び散る中を練り歩くのである。その模様をドキュメントした番組を松山から教えてもらい、見せてもらったことがあるが、勇壮な艶姿というか、見事な男前ぶりである。惚れてまうやろ状態。普段はローカルエンタメ情報サイト『POPdee(ポプディー)』で、おどけた顔面芸を披露している彼だが、祭りの時は、何倍も男っぷりが上がるようだ。

 

 

この「揚花-Agehana-」、そんな松山がいる。特にすかしたり、かっこつけているわけではないが、兄貴が弟分に、先輩が後輩へエールを送るというか、尻を叩くという感じで、聞いていて、“やる気、元気、森脇”(!)と、なってくる。“マイクロフォンの中からガンバレ”って歌っているわけではないが、胸が熱くなり、人にやさしくなれる。

 

 

また、カップリングは吉田拓郎が作り、森進一が歌った「襟裳岬」のカバーである。松山は「ラモーンズしている」といっていたが、メロコア風味で、ポップで聞きやすい。なかなか、痛快に料理している。吉田拓郎が作り、ザ・モップスが歌った「たどりついたら雨ふり」(吉田拓郎のアマチュア時代の楽曲を吉田がタイトルと歌詞を書き直して提供した)も彷彿させる。フォークをロックさせるという感じだろうか。

 

新居町のお祭りバンド、the南海オークス、本当にここでドカーンと一発、大きな花火を上げそうである。是非、彼らに注目いただきたい。生活に根差し、地元に密着しながら音楽を続ける彼ら。新居町の観光親善大使、新居町発のゆるキャラとして、輝き続けて欲しい。ひこにゃんやふっかちゃん、ぐんまちゃんに負けるな。応援している。

 

 

「揚花-Agehana-」プロモーション・ビデオ

 

 

 

日本の祭り「遠州・新居の手筒花火」〜Japanese Festival "ARAI NO TEDUTU-HANABI"

https://www.youtube.com/watch?v=Wyea9lc_86w&feature=youtu.be

 

デビュー・シングルはディスクユニオンでも購入可能

http://diskunion.net/jp/ct/detail/1007588445