はちみつぱい、「FUJI ROCK FESTIVAL'16」で、新たな伝説を作る | Let's Go Steady――Jポップス黄金時代 !

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「FUJI ROCK FESTIVAL’16」へは、これがあったから。はちみつぱいの“フィールド・オブ・ヘヴン”のステージが見たくて、車を駆って、苗場へ行ってきた。

年を取ると、行動にいろいろ理由や理屈をつけるようになる。まるで必然性があれば裸になるという女優のようだが、重い腰と尻に自ら鞭打ち、駆け付けた次第。

ルースターズが復活し、佐野元春が“VISITORS再現ライブ”を行った2014年以来、私にとって、2度目の「FUJI ROCK」である。今年は、はちみつぱい以外にもヘッドライナーにシガー・ロスやBECK、レッド・ホット・チリ・ペッパーズなど、普段から興味のあるアーティストの出演もあり、行ってみたいと思っていた。だが、既に開催期間に予定があり、7月23日(土)まで、地方にいて、戻りは同日の深夜になるため、諦めていた。

ところが、「大人のMusic Calendar」で、8月3日が“はちみつの日”(笑)なので、はちみつぱいについて書いてほしいと依頼された。既に5月にビルボード大阪と同東京で行われたバンド結成45周年記念ライブを収録したライブ・アルバ『Re:Again Billboard Sessions 2016』や「ロック画報」のはちみちぱい特集号は入手し、はちみつぱいのトリビュート展へも行っていた。

書くための素材は充分に揃っていたが、どうせならはちみつぱいのライブを見て、書きたい。それも“約束の地”である“フィールド・オブ・ヘヴン”のステージである。見なければいけない、そんな使命感のようなものも芽生え、必然性が生じる、と、勝手に思い込む(笑)。


締め切りを若干、伸ばしていただき、私も日程をやりくりすることにした。チケットそのものは入手できたが、駐車券は予約できず、とりあえず、現地で民間駐車場を見つけるしかない。本来であれば、たやすく見つけることができるが、ネットなどで調べると、今年ばかりは特別で、来てみなければわからないという。それも早朝でなければ、駐車場の確保は難しいと出ていたし、実際、駐車場に問い合わせてみても同じような返答だった。

もともと、車を駆っていく予定にしていたが、そのため、かなりの無理が生じた。実は地方というのは「FUJIROCK」の記念すべき第1回が開催された富士山の麓にいたのだ。用事を終え、そのまま、北上すれば、少しは距離を稼げるが、東京まで戻らなければならず、一度、帰京し、それから深夜、苗場を目指すことになったのだ。

決死の覚悟(!?)で挑む、一睡もせずの“Drive All Night”。さすがにきつい。睡魔と疲労が襲うが、なんとか、それらを振り切り、高速をひた走り、24日(日)の午前5時前には現着。そこから駐車場探しが始まる。予め調べておいた民間駐車場の受付場所へ行き、聞くと、あることはあるが、駐車場から会場までは徒歩で1時間はかかるところしかないという。早朝でもこんな状態である。会場へはリックを背負い、折り畳み椅子を持っていくという重装備ゆえ、かなり労苦が伴うことを覚悟する。

なかば諦め、駐車場まで誘導する係のバイクに従うと、新潟から群馬へ戻り、長時間、運転しなければと思っていたら、わずか、数分のところを案内される。たまたま、空きが出たらしく、会場まで数十分のところ。ラッキーである。車を駐車場へ停め、仮眠をとる。シートを倒しただけなので、快適な睡眠とはいかないが、深夜の長時間の運転ゆえ、疲労からか、気付いたら寝落ちしていた。

猛烈な朝日が差し込み、車内が熱くなってくる。淡い睡眠ながら8時には起き、フェス仕様に着替え、荷物なども改めてパッキング(ちゃんと準備する時間がなく、とりあえず、雨具や防寒具などを車に適当に積み込んだままだった)。

そして、会場を目指す。駐車場から15分ほどで受付に到着し、同所で、リストバンドを受け取り、入場ゲートを潜ると、気分は“フジ・ロッカー”。ようやく、私の「FUJIROCK」が始まる。


10時20分のレッドマーキーのSABANNAMANから午後11時20分のグリーンステージの電気グルーブまで、間にBO NINGEN、シャーベッツ、KEN YOKOYAMA、BABY METAL、ERNEST RANGLIN&FRENDS、ベン・ハーパー、レッド・ホット・チリペッパーズ…と、貧乏性ゆえ、あれもこれもと見て回り、身体を酷使したが、「FUJIROCK」を丸ごと味わい、思い切り堪能させていただいた。


疲れながらほっこりした「FUJI ROCK FESTIVAL’16”」。そして、『アメトーーク』(テレビ朝日系)の「夏フェス芸人」で、ハライチ澤部が語ったことを実感する貴重な体験もした。同日の模様は改めて書かせていただく。夏休みの宿題として、もう少しお待ちいただきたい。


まずははちみつぱいの新たな伝説となった“フィールド・オブ・ヘヴン”のステージ。短いものだが、その模様を報告する。


結成45周年となる「はちみつぱい」、伝説に新たに加わったフジロックでのステージ
http://music-calendar.jp/rock/2016080301/






Re:Again Billboard Sessions 2016/はちみつぱい

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