Let's Go Steady――Jポップス黄金時代 !

Let's Go Steady――Jポップス黄金時代 !

Jポップスの黄金時代は80年代から始まった。

そんな時代を活写した幻の音楽雑誌『MUSIC STEADY』をネットで再現します。

▲開会の挨拶をする湊剛プロデューサー。お元気だ!

 

 

もう一昨日のことになるが、3月3日(火)は東京・渋谷「ラママ」(渋谷La.mama)で開催されたイベント「GIRLS' SOUND STREET LIVE」を見る。知り合いに見て欲しいバンドがいると言われて、同所に出向いたが、いきなり、佐野元春や坂本龍一、山下達郎、甲斐よしひろ、川村恭子、渋谷陽一などがDJとして出演した伝説の音楽番組『サウンドストリート』(1978年11月23日から1987年3月20日までNHK-FMで放送された)のプロデューサー湊剛さんが開会の挨拶をしていて、驚く。この「SOUND STREET LIVE」は同番組のライブ版で、渋谷ラママにて昨2025年からイベントを開催しているという。齢82でステージに立ち、自ら仕切る。頭が下がるばかり。こんな先輩がいるから、僕たちは素敵な音楽と出会えるのだろう。

 

 

この日の出演は実績も人気も実力も充分という松田樹利亜 、DOLL PARTS 、PINK DIAMOND 、Aishaというガールズロッカーが顔を揃え、ZIGGYの森重樹一が黒一点、華を添える。「GIRLS' SOUND STREET LIVE」という3月3日の“雛祭り”に相応しい、『サウンドストリートライブ」の特別ヴァージョンだ。

 

▲Aisha

 

最初に登場したAishaは眞塩藍咲(Vo)、牧元芳朗(G)、砂糖しん(Dr)の3人組。この3人にベースがサポートで入っていた。デビューしたばかりの新人ながら、短い演奏時間の中でもしっかりと爪痕を残す。音数が少ない中、様々な意匠が凝らされ、眞塩のヴォーカルが音の海を自由に泳ぎまわる。「女性時代」、「ナチュラル」、「新世界」など、その曲達は明らかに新世代の産物を感じさせる。

 

https://x.com/aisha_band_prj

 

 

 

▲PINK DIAMOND

 

続いて登場するのはPINK DIAMOND。ヴォーカル、キーボード、バイオリンを操るマルチプレイヤーのMomo AndoをベースのJINO、ギターのMASA 、ドラムのBENのワールドクラスの力量を持つ敏腕ミュージシャンが支える。といってもフロントとバックではなく、四者四様の対等の存在感、4人のバトルが手に汗握る。ロッド・スチュワートバンドのジム・クリーガンとフィリップ・チェン、カーマイン・アピスの絡みを彷彿させる。セクシーな音とリズムに腰が知らぬ間に踊り出す。ちなみにライブ当日の3月3日はMomo Andoのリアルバースデイだった。お誕生日、おめでとうございます。

 

https://www.instagram.com/momoando3303/

 

 

▲DOLL PARTS

 

 

3番目は、この7月、8月に松田樹利亜との「松田樹利亜×DOLL PARTS''JULIARI'' 東名阪2マンツアー」が決まっているDOLL PARTS。ヴォーカル&ギターのARISAは福岡出身。土屋アンナの「LUCY」を聴いて衝撃を受け、その影響でロックに目覚め、地元 福岡にて音楽活動を開始。本格的に活動を広めるため単身で上京。日々、自分に合う音楽を模索していた中、土屋アンナの「LUCY」を作曲したコンポーザーCOZZiと出会い、意気投合。共に楽曲制作を始める。2018年に “DOLL PARTS” を結成。2021年4月に1stミニアルバム「THE FIRST TASTE OF ME」を全国リリース。東京を拠点にライブ活動を行い、楽曲のみならずパフォーマンスにも高い評価を受ける。デボラ・ハリー(ブロンディ)やシェリー・カリー(ザ・ランナウェイズ)を彷彿させるものの、その音はグラムやパンクに留まることなく、グランジやブリットポップなど、しっかり上書きされている。新世代の音の中にも福岡の血が流れていることを感じる。熱心なファンの人達がたくさんいて、誰もが熱狂していたのが心に残る。物販でもツーショットを撮る方がたくさんいた。

 

https://www.dollparts.tokyo/

 

 

▲松田樹利亜

 

▲森重樹一                      

 

▲森重樹一+松田樹利亜

 

 

▲GIRLS' SOUND STREET LIVE ALL STARS

 

この日のトリは松田樹利亜。ご存知のようにアイドル歌手・豊田樹里として(1990年、アイドルユニット『BABY'S』でデビューし、メインボーカルを担当)、芸能プロダクションからデビューするものの、音楽制作会社「パブリック・イメージ」に移籍、ロックシンガー・松田樹利亜として転身。「だまってないで」、「負けないBroken Heart」などをヒットさせる。“転向組”のあざとさなどなく、ロッカーぶりが板についている。同時にスターのオーラも漂わす。実に堂々としたものだ。彼女のライブのラストには森重樹一が登場する。松田のバンドには長いこと、森重をバッキングしたメンバーもいる。慣れたものだ。二人の掛け合いを聞かせてくれる。二人の千両役者ぶりが見事である。どちらが表・裏ではなく、ともに立てながらも2人が会場を沸かしていく。見事なコンビネーションだ。そして締めは松田、森重にAishaの眞塩、PINK DIAMONDのmomo Ando、DOLL PARTSのARISAが合流して、全員でZIGGYのヒット曲「グロリア」を歌い、演奏する。こういう場でのヒット曲は強い。単純に誰でも知っている、一瞬にして観客を虜にして、会場を一つにする。誰もが納得し期待する大団円だ。

 

https://x.com/mazda_julia

 

 

 

このライブでガールズロックの“新たな波”を体験する。確実に時代は移り変わり、進化と深化を遂げる。過去に倣い、そのまま踏襲しているようで、何かが違い、新しい。新時代の“雛祭りライブ”といってもいいだろう。思わず、日比谷野音(現在、改装中というか、建設中!)があれば“NAONのYAON”で、聞きたくなる。そんな夏を密かに期待し、楽しみにしている。このライブは配信され、3月17日(火) 23:59までアーカイブ視聴が可能だ。詳細は以下にアクセスして欲しい。

 

https://lamama.jp/.../%e3%83%9e%e3%83%9b%e3%82%ac%e5%85.../

 

 

実は、この日、影のプロデューサーとして暗躍(笑)したのは元パブリック・イメージの代表(前職はビーイングの副社長。さらに前職は1970年代に活躍したカルトバンド「だててんりゅう」のメンバー)で、現在はデジタルドローイングアーティスト「Case-K Moonshine」として活躍する月光恵亮である。

 

 

彼とは2020年2月に東京・中目黒「ウェーブス中目黒」で「Case-K Moonshine」としての初の個展『AGITATION/Case-K Moonshine』で会った以来だから6年ぶりになる。きっと、月光さんも来ると思っていた。彼は松田樹利亜もZIGGYもプロデュースしている。そして私自身も彼のプロデュースしたZIGGYやSHADY DOLLS(シェイディドールズ)を度々、取材している。シェイディドールズでは彼と一緒に彼らの初の海外レコーディング(1987年にリリースされたセカンドアルバム『BLOW YOUR MIND』のロンドンレコーディング)へも行っている。そんな縁もあり、現在、ソウルフラワーユニオンやリクオ with HOBO HOUSE BANDで活躍する高木克の近況もことも話したかった。彼は昨年のツアー中に事故に合い、暫く治療のため、活動休止していた。先日、リクオのライブで復活したことを伝えたかった。終演後、喫煙スペースで彼と久しぶりに話すことができた。勿論、高木の近況を伝える。月光自身は耳の不調のため、音楽制作の一線から離れたが、こうして自らの関わったミュージシャンのライブに顔を出し、手助けをする。実際、交流が途絶えても、ともに過ごした時間はかけがえのないもので、そのことを忘れない。高木もシェイディドールズで、月光に会っていなければいまの自分はなかったという。バタフライエフェクトーーその経験は未来へと繋ぐ。改めて湊剛や月光恵亮のこれまでの活動と今の行動に頭が下がる。まだまだ、やれることはしなければならない。現役の先達に見習うことはたくさんある。

 

 

 

月光惠亮の新たな挑戦『AGITATION/Case-K Moonshine』

https://ameblo.jp/letsgosteady/entry-12577669862.html

 

 

https://keisukemoonlight.xyz/

2月28日(土)、3月1日(日)は「東京高円寺・JIROKICHI リクオ with HOBO HOUSE BAND スペシャル・ワンマン!!」(1日は怒髪天の増子直純がゲスト)を“配信”で見る。本来は現地で見たかったが、既に予定があり、配信になってしまった。時間差で2日間のライブを体験したが、この高円寺「JIROKICHI」 での“2Days”は必見である。この場所でなければ体験できない歌がある。“day1”は3月3日(火)、“day2”は4日(水)、ともに23時まで、以下の「JIROKICHI」のYoutubeチャンネルで視聴できる。

上記のアーカイブ視聴期間、急遽、3月8日(日)までの延長が決定! しかも、後売りチケット(投げ銭)購入者への特典として、購入値段に応じて、ライブ音源を最大5曲プレゼントするという。詳細は以下を参照ください。

 

 

 

 


https://www.youtube.com/watch?v=Ctpr_p0gR8c

 

 


https://www.youtube.com/watch?v=x_XL5X-B8eQ

 

 


JIROKICHIオンラインショップにて『後売りチケット』を販売している。

 




リクオのXにはセットリストが公開されている。リクオが“MCを少なめにしたら、曲数こんな出来るんか”――と、いう通り、リクオ with HOBO HOUSE BANDの名曲達をたんまりと聞くことができる。今回の「JIROKICHI」の2Daysは リクオ(Vo、Kb) 、 寺岡信芳(B)、 真城めぐみ(Cho)、高木克(G)、小宮山純平(Dr)、宮下広輔(Pedal steel guitar)という久しぶりのフルメンバー。高木克は事故による負傷から回復、本2026年2月6日(金)〜8日(日)名古屋「TOKUZO(得三)」で開催された「リクオ・プレゼンツ~TOKUZO HOBO CONNECTION 3days」の中日、7日(土)にリクオ with HOBO HOUSE BANDとして出演したのに続き、本格的な復帰になる。


https://x.com/Rikuo_office/status/2028430124937597150

 

 



両日とも見どころ、聞きどころは多いが、予め、“久しぶりにやる曲やあまり演奏しない曲をやる”(「空と祈り」<2003 年『MELLOW BLUE』>、「モンクス・ドリーム」<2014年『HOBO HOUSE』>、「満員電車」<2019年『グラデーション・ワールド』>など)と告げた通り、高濃度でリクオ with HOBO HOUSE BANDの世界を堪能できる。高揚と抑揚か。彼らの歌と演奏に向き合う。「犬笛」や「雨垂れ」、「晩年ロック」、「ファンファーレが聴こえる」などの“新曲”を含め、曲の新旧問わず、いまという状況に共振する。変に声高になることなく、時代を指し示す。“沈黙は金”ではなく、その音楽が語る。芳醇なグルーブに抱かれ、大切なメッセージが放たれるのだ。その歌を聞くことで、いろんなことが見えてくる。答えは風に舞っているが、何かを見つけるヒントになるだろう。

 

改めて新曲「犬笛」を聞くと、分断や偏見の中、SNSの弾圧や圧力など、そんな状況が歌われる。リクオは“殺伐とした世の中に取り込まれたくない”と語る。そして“俺のソフトな発言にもくそリプが来る”というようなことを苦笑まみれに話していたが、いまという時代に彼のような音楽家がいることを誇りに思うべきだろう。だからこそ、もっと、たくさんの人に聞いてもらいたい。


2日目のゲストの怒髪天の増子直純も強烈だった。リクオや真城が「満月の夕」(ソウルフラワーユニオン)をしっとりと歌い終わった後に登場。増子と上原子友康がテイチクのレーベルメイト、演歌歌手・真田ナオキに提供した「一匹狼のブルース」をかまし、続けて松山千春の「長い旅」、憂歌団の「嫌んなった」、アナーキーの「3・3・3」、怒髪天の「オトナノススメ」を畳みかける。いい意味で浮きつつ、嵌る。持つべきものは友か、連れか。増子はアンコールの「いい事ばかりはありゃしない(RCサクセション)」、「永遠のロックンロール」にも参加。盛り上げ、しっかりと爪痕を残す(芸人か!?)。

「グラデーション・ワールド」や「オマージュ ブルーハーツが聴こえる」、「永遠のロックンロール」、「リアル」など、“アンセム”ともいうべき曲も漏れなく披露されている。感涙ものだろう。一際、心に刺さったのが、2日間に渡って、ニック・ロウが書いた「(What's So Funny 'Bout) Peace, Love, and Understanding)」が歌い、演奏されたこと。数週間前に下北沢で行われた、フジロックのMCやアクシデンツなどの活躍でお馴染みのプロデューサー、DJのスマイリー原島さんの東京での贈る会で配られたポストカードには「PEACE,LOVE AND UNDERSTANDING」というメッセージが書かれていた。


リクオとスマイリー原島は旧知の仲、リクオはスマイリーのラジオ番組や彼が司会するライブイベントにも度々、出演していたという。リクオのXに彼と最後に会った日のことが綴られていた。そのことと、「(What's So Funny 'Bout) Peace, Love, and Understanding)」を歌ったことに関係あるかわからないが、偶然にしても必然のような気がする。まさに見習うべきアティチュードがその曲にはある。

https://x.com/Rikuo_office/status/2010631278228582627

 

 

 

「(What's So Funny 'Bout) Peace, Love, and Understanding)」にこじつけるが、新曲「ファンファーレが聴こえる」で歌われる“OK”や“Let’s Go”には、“大丈夫!”と肩を揉み、“行ってこい!”と背中を押すメッセージにも聞こえる。心と身体が熱くなり、込み上げてくるものがある。


あとは配信を見ていただき、楽しみ、そして考えてもらえればと思う。平日で慌ただしいかと思うが、まだ、ぎりぎり間に合う。何とか、時間を作って、見るべきだ。余計なお世話かもしれないが、その際は「後売りチケット」を購入して、インデペンデントでオルタナティブなミュージシャンやライブハウスの活動を応援してもらいたい。

▲(写真左から)米内山尚人(G、マニピュレーター)、

松永俊弥(Dr)、窪田晴男(G)、サエキけんぞう(Vo)、

バカボン鈴木(B)

 

金曜日の夜に六本木を背景にして聞く「六本木島」は格別だ。“華金”か。先週、2月27日(金)はパール兄弟の初の「ビルボードライブ東京」公演(1st)を堪能させてもらった。

 

この日はバカボン鈴木の流麗で幽玄なチャップマン・スティック講座(!)を始め、窪田晴男の原音再生の遥か上を行く想像力豊かで時代を更新するギター、松永俊弥の8から16まで、自由自在に使いこなしつつ正確無比にして情感の籠るドラムス、サエキけんぞうの過去・現在・未来の風景を鮮やかに切り取るポエトリーと変幻自在、唯一無二のヴォーカル、そして“甥っ子”の米内山尚人がパール兄弟をサポートとして卓越した技術で彩る――パール兄弟が超絶技巧派集団であることを改めて再確認。場所が六本木だけにかつて兵どもがその技を競った「六本木ピットイン」の“天下一武道会”(「カクトウギ・セッション」なんていうのもあった!)が過る。サエキによると1986年にパール兄弟+リーマンズで「六本木ピットイン」に出演したらしい。

 

 

 

超絶な技術と高度な理論を装備し、メッセージとノイズに身を固め、パール兄弟は、時空を超えた未来の“シティポップ”(都市の音楽)を奏でる。この日、心持ちクロスオーヴァ―/フュージョン寄りに聞こえてしまうのは「六本木ピットイン」を想起したからだろうか。「TRON岬」や「快楽の季節」、「バカ野郎は愛の言葉」など、お馴染みの曲から「RUN-NEWバックステージ」や「夜間押しボタン式」、「穴(ポン・ポポン・ポン」など、新しい曲まで、それらの曲達は、この街の風景と心象に嵌る。パール兄弟と“東京ミッドタウン”(住所は港区赤坂、最寄り駅は六本木)にある「ビルボードライブ東京」という取り合わせに違和感を抱く方もいたみたいだが、実際、その歌と演奏を体験すると、違和感がない。むしろパール兄弟とビルボードライブとの親和性に気づくだろう。

 

ロックンロールやポップス、クロスオーヴァ―/フュージョン、カントリー、アカペラ、パンク/ニューウェイブ、テクノ、サイバーパンク‥‥など、様々な意匠を凝らしながらもパール兄弟独自の世界を形成する。常日頃、あれもこれもの盛沢山の2時間超えのステージに慣れていると、物足りないかもしれないが、各ステージ70分という制限時間の中で繰り広げられた“六本木紀行”、もしくは“六本木逍遥”はこの日、この場所ならではのもの。時間を積み重ね、成熟したことがそんな“大人の遊び”を可能にしているのではないか。

 

 

この日は10月3日(土)の東京・渋谷「LINE CUBE SHIBUYA」(渋谷公会堂)の“デビュー40周年記念ライブ”も発表された。同公演には⼿塚眞(舞台総覧)、リーマンズ(ラッキィ池⽥、かとうけんそう、中嶋勇⼆、他)、⾹瑠⿎ (‥‥and more!)など、盟友が多数、駆け付けるという。2024 年にスタートした「ROAD to KINGDOM 〜目指せ、渋公3か年プロジェクト~」が完結に近づきつつある。パール兄弟の王国は近い。彼らの“キングダム”が生まれる。その瞬間に立ち合わなければいけない!

 

 

 

パール兄弟デビュー40周年記念ライブ、10/3(⼟)LINE CUBE SHIBUYAで開催決定!

⼿塚眞、リーマンズ…パール兄弟を⽀えた往年の仲間たちが⼤集合!

 

https://www.pearlbrothers.jp/news/pearl_is_future_2026/