内田裕也--歌手、俳優、プロデューサーとして、日本のロックの荒野を耕し、その礎を築きつつも、世間では“シェキナベイベー”の一言で片付けられることが多い。日本のロックの歴史が偏った視点で語られることに歯がゆい思いをした人は少なくないはず。
以前、1982年に「MUSIC STEADY」で「日本音楽70年代」という“70年代の日本のロックシーンを振り返る”気の早い企画をしたことがある。その際にPANTAや竹田和夫、上田正樹、ミッキー吉野、ジュネ(オートモッド)、大森一樹などにコメントを貰った。その特集で最初にコメントを貰ったのは内田裕也だ。70年代は内田が30代の時である。彼は“自分達がクリエイターにならなきゃしょうがなかった”と語っている。内田裕也はその言葉の通り、70年代から亡くなる2020年代直前まで駆け抜けた。
内田裕也がいなければオノ・ヨーコもフランク・ザッパもジェフ・ベックもニューヨークドールズも日本で見れなかったかもしれない。“日本のウッドストック”(ワンステップ)も実現しなかっただろう。“ニューイヤーロックフェス”でのRCサクセションや萩原健一などの名シーン、フラワー・トラベリン・バンドやクリエイションの海外進出、『コミック雑誌なんかいらない!』や『魚からダイオキシン!!』、『水のないプール』、『十階のモスキート』などの名画も生まれなかった。
いま改めて内田裕也の日本のロックや映画、フェスティバル、サブカルチャーなどへの貢献と功績を確認するムーブメントが起きている。その中心にいるのがプロデューサー、ミュージシャン、ギャラリーオーナーなど、いくつもの顔を持つクリエイター井出靖である。彼の自伝『Rolling On The Road 僕が体験した東京の1960年代から90年代まで』は内田裕也の代表曲「Rolling On The Road」がタイトルに入っている。これは事務所や遺族に許可を得たものである。初の自伝にその言葉を冠する、いかに彼がその影響を受けたかがわかるだろう。
その内田裕也を特集した番組が先週、12月3日(水)に#DOMMUNEで公開された。井出とともに“内田裕也原理主義者”のDOMMUNEの代表、宇川直宏が映像や音源を見ながら聞きながら熱く語り合う。また、ゲストには内田裕也をバッキングで支えたギタリスト、三原康可と、内田裕也の最後のマネージャー、石山夕佳が出演。内田裕也を身近で知る方の貴重なエピソードも語られた。都知事選の政見放送が用意してきたものではなく、アドリブでフリースタイルだったことに驚かされる。元々は用意してきたものもあったが、直前に会った東郷健に刺激を受け、一発勝負に賭けることになったという。ラッパーもびっくりだ。
現在、同番組はアーカイブで公開されている。期間限定なので、すぐにチェックすることをお勧めする。意外な大物達の全員集合は見逃せない。必見である。
■SUPER DOMMUNE「JAPANESE MUSIC POSTER SCRAP」 内田裕也ポスター展開催記念SP「ROLLING ON THE ROAD」
そもそも同番組は「JAPANESE MUSIC POSTER SCRAP - ROCK PRESENTS 内田裕也 Original Poster Flyer Exhibition“ROLLING ON THE ROAD”」の開催を記念したもの。2025年12月6日(土)から12月14日(日)まで公開される。時間は13:00~18:00まで。10(水)は定休になる。会場はThe Beach Gallery(東京都渋谷区富ヶ谷1-5-3 岸ビル1F)TEL:03-6407-0750入場料:1,000円(記念ポストカード付き)になる。
会期は14日(日)まで、明日、明後日と迫っているが、是非、時間を作って見て欲しい。オノ・ヨーコやフランク・ザッパ、沢田研二などとの写真やポスター、彼が出演したコンサートやイベントのポスター、出演映画のポスター、衣装などが展示されている。彼の息遣いが伝わる。行かれたら“ニューイヤー”などの出演者の名前をじっくりと見て欲しい。彼によって、世に出たバンドも少なくないことがわかる。彼のしてきたことは点が線になり、面となって、いまに繋がる。そのことを改めて再確認して欲しい。その貴重な機会になるだろう。
なお、同ポスター展、7日(日)には大貫憲章のDJによるレセプションも開催された。また、後日、会場には内田也哉子、UTAも会場に訪れたという。やはり繋がるものなのだ。
■JAPANESE MUSIC POSTER SCRAP - ROCK PRESENTS
内田裕也 Original Poster Flyer Exhibition
“ROLLING ON THE ROAD”
会期:2025年12月6日(土)-12月14日(日)
時間:13:00~18:00 ※10(水)は定休
会場:The Beach Gallery(東京都渋谷区富ヶ谷1-5-3 岸ビル1F)
TEL:03-6407-0750
入場料:1,000円(記念ポストカード付き)
2023年1月に刊行された井出 靖の初の自伝『ROLLING ON THE ROAD ―僕が体験した東京の1960年代から90年代まで―』。そのタイトルにも冠した、井出が生涯を通して多大な影響を受けた人物、内田裕也にスポットを当てたエキシビションをこの度The Beach Galleryにて開催致します。
シンガー、俳優、プロデューサーとして日本のロック史に刻まれた内田裕也の功績を、当時のポスターやチラシを通して振り返ります。
今回は内田裕也オフィスのご協力のもと、販促用・コンサート用ポスター、ライブチラシ、さらには映画やCMポスターなど、貴重な実物資料を一堂に展示。井出靖個人および内田裕也オフィス所蔵の作品を実際にご覧いただける、またとない機会です。
展示開催を記念し、限定のZINE、Tシャツも販売も致します。
皆さまのご来場を心よりお待ちしております。
来年、井出は様々な企画を用意しているみたいだ。とりあえず、1月にVINTAGE POSTER SCRAP復刊!& 1月7日より目黒区美術館区民ギャラリーにてポスター展開催される。他にも様々な企画が用意されているという。楽しみでならない。
■VINTAGE POSTER SCRAP 復刊記念
井出靖が収集した海外ポスター展
- MUSIC・MOVIE & ART 編 -1950年代から1990年代まで
2026年1月7日(水)- 2026年1月12日(月・祝)
目黒区美術館区民ギャラリー 目黒区目黒2-4-36
開館時間 午前11時-午後6時
入場料 1,000円
*駐車場はございませんので近隣の有料駐車場をご利用ください。
お問合せ Grand Gallery 03-6407-0750 https://grandgallerystore.com
主催 井出 靖
https://grandgallerystore.com/news/69366c953cea4a1445b7791b
























