Let's Go Steady――Jポップス黄金時代 !

Let's Go Steady――Jポップス黄金時代 !

Jポップスの黄金時代は80年代から始まった。

そんな時代を活写した幻の音楽雑誌『MUSIC STEADY』をネットで再現します。

 

とてつもないものを見てしまった。暴動クラブやDO DO DO’s、フーテン族、自爆、YAPOOLなど、いまライブシーンを賑わす若手の有望バンドの揃い踏み。2026年1月25日(日)に西永福「JAM」で開催されたイベント「Overdose」は、渋谷「クラブクアトロ」のワンマン公演の成功など、いま枠を広げ、勢いを増す若き野郎どもの野合的ライブである。

 

日曜日の夜、西永福のライブハウス「JAM」(同店は、2017年12月31日をもって、ビルの老朽化により、37年の歴史に幕を閉じた伝説のライブハウス新宿「JAM」が2018年に西永福に移転、西永福「JAM」として開店した)へ足を運んだ。

 

京王・井の頭線の「西永福」という、便利なのか、不便なのか、よくわからないところでの開催だが、キャパ250人ほどの小屋で、クラブクアトロやリキッドルームなど、大箱のライブハウスでソールドアウトを連発させるバンド達の息吹や息遣いを至近距離で感じられる機会はそうあるものではない。これを見逃したら、この顔ぶれが揃うことはないかもしれない。いい意味で、このメンツで狭いライブハウスで見られるのもこれが最後で、数か月後には大きなホールやフェスなどでないと、収まり切れないほどの動員をするのではないかという予感もある。その予感が正しいか、正しくないかはわからないが、とりあえず、“今、見ておかないといけない!”ライブであることは間違いないだろう。

 

 

西永福駅前(南口から徒歩30秒!)の「JAM」は午後5時45分の開場前から入場待ちの観客で溢れる。寒空の中、地下へと続く階段での順番待ちは堪えるが、出演者とほぼ同世代の若い観客が多いせいか、へっちゃらだろう。午後6時30分の開演時間前には会場に吸い込まれ、客席(オールスタンディング)は人で埋まる。若手5バンドの夢の競演は、満員である。午後6時35分、この日の幕開けは暴動クラブ。彼らがステージに登場する。メンバーは釘屋 玄(Vo)、マツシマライズ(G)、城戸“ROSIE” ヒナコ(B)、鈴木壱歩(Dr)の4人組。 平均年齢22歳、まだ、学生というものもいる。彼らは2024年8月28日に渋谷「クラブクアトロ」、2025年4月22日には恵比寿「リキッドルーム」でワンマンを成功させ、2月3日(火)には代官山「UNIT」でのワンマン(2025年12月21日に予定されていた公演がメンバー体調不良のため、2月に延期、振替公演になる)が控えている。

 

 

昨年はRED WARRIORSのオープニングアクトとして東名阪のツアー(2025年6月8日<日)>東京「LINE CUBE SHIBUYA」、 6月20日<金>名古屋「 COMTEC PORT BASE」、 6月21日<土)>大阪「大阪国際交流センター 大ホール」)、福岡で大江慎也率いるShinya Oe& Super Birdsとのツーマンライブ(「ALL WE NEED IS GOOD DREAMS」2025年10月10日<金> 福岡「The Voodoo Lounge」)、ヴォーカルの釘屋玄は池畑潤二率いる「フジロック2025スペシャルバンド ROUTE17 Rock'n'Roll ORCHESTRA」に甲本ヒロト、山下久美子、US、リアム・オ・メンリィとともにゲスト出演した。同ライブ後は苗場に留まり、苗場食堂のステージに苗場音楽突撃隊の飛び入りゲストとして歌っている。

 

 

アルバムも好調なセールスを上げている。2024年8月にインディー・レーベル「BEAT EAST」よりリリースしたアルバム『暴動クラブ』で第17回CDショップ大賞(青)に入賞し、翌2025年10月に「フォーライフ ミュージックエンタテイメント」よりリリースしたアルバム『暴動遊戯』でメジャーデビュー。同アルバムも2年連続で「CDショップ大賞(青)」に入賞している。配信やサブスク時代にあって、CDが売れるバンドとして、高い評価を受けているのだ。

 

 

若手バンドの中では頭ひとつ、飛び抜けた感はあるが、普段から共演する機会も多いバンド揃い、先鋒(柔道か!?)も喜んで務める。満員の観客の中、サンハウス、シーナ&ロケッツでお馴染み「レモンティー」をお見舞いする。新しい世代がロックンロールの古典にして、珠玉の名曲を更新していく。暴動クラブの「レモンティー」を奏でる。その心意気、潔し。観客も喝采を上げ、会場はそのグルーブに揺れる。

 

お馴染みの暴動クラブのスタンダードと呼ぶべきナンバーを連発。仲間に囲まれた“HOME"でのライブだからか、変なよそ行き感はなく、何かリラックスしているようにも感じる。グラマラスな輝きを放ちつつ、緩やかなグルーブで会場の観客を包み込む。

 

 

彼らの演奏時間は30分(基本的にタイムテーブル通り、各バンドの持ち時間は30分になっている)、もっと聞きたくなるところだが、まだ、この“イベント”(フェスか!?)は続く。お楽しみはこれから、“ Overdose (過剰摂取)”になるには早過ぎる。

 

 

暴動クラブX

https://x.com/Voodoo_Club_

 

https://voodooclub.fanpla.jp/

 

 

 

 

15分ほどのインターバルの後、2番目に登場したのは「DO DO DO's」。彼らのHPには“はるか800光年先,Sgt.Pepper's(サージェントペパーズ)星から千葉県に不時着したベースレス3ピースバンド”と書かれているが、そんな設定がないと楽しめないバンドではないので、ご安心いただきたい。メンバーは ヒノ・ヨーコ(Vo、G)、クハラディ・クハラダ(Vo、G)、アオイマジン(Dr)という3人組だ。いい意味ではっちゃけ、暴走気味にロックンロールするところが魅力である。GO GO' Sやバングルスなど、パワーロックにTheピーズの大木温之とカステラの大木知之という“大木兄弟風味”を加えた感じだろうか。いい意味での過剰が心地いい。

 

 

この2月18日(水)にはTHE DO DO DO'sの 1st album『MIRACLE』がリリースされる。同時に「1st album "MIRACLE"Release tour『THE DO DO DO’sの大探索(ミラクルジャーニー)!!!』」が始まり、その最終日、4月3日(金)には新代田「FEVER」で初のワンマンを開催する。まさに上り調子、うなぎ上りの中でのライブ。疾風怒涛のTHE DO DO DO'sとのご対面。一見と思しき観客は戸惑いつつ、その渦に巻き込まれる。いい時期に彼らを見られたのではないだろうか。絶妙である。まさに神ブッキング。企画した方はただものではない、と言っておこう。

 

 

 

DO DO DO’s X

https://x.com/THEDODODOs

 

https://thedododos.base.shop/

 

 

 

 

3番目に登場したのはフーテン族。2021年4月に結成され、高円寺を中心に活動を始めている。“中央線・三寺”文化の継承者か。実は彼らを2度ほど、見ている。下山淳の60/40のナンバーを再現するプロジェクト「貝生比良」、下山淳が参加している「仲野茂バンド」との共演だった。そのサイケでアングラ臭漂うサウンドに度肝を抜かれた。寺山修司や浅川マキが過る。お笑い芸人で芥川賞作家の又吉直樹やあがた森魚などが絶賛するのも納得である。この日もその佇まいを纏いながらも激しくロックンロールする。暴動クラブ(過去に何度もフーテン族と共演している)や自爆、YAPOOLの影響か。かといって、ストレートアヘッドのロックンロールではなく、そこに屈折や諧謔がある。時期は前後するが、ルー・リードのレコーディングやライブなどで活躍したギタリスト、ロバート・クワインやスティーヴ・ハンターの夢の競演の如く、また、ラウンジ・リザーズのアート・リンゼーやマーク・リボーなようなフリーキーな旋律や雑音を奏でる――小杉宗太郎、髙田勘吉という二人のギタリストの音の絡み具合が心地いい。何か、ヴォーカルの山下大輝の呪術的で演劇的な歌にギターのカッティングやリードで推進力を与え、屈折や諧謔に痛快感を加える。勿論、小野寺だいきのベースと藤野真之介のドラムスの揺らぎながらも硬質な完全無敵のリズム陣がたくましく、いい意味での大物感(小野寺の“不動”の佇まいが最高にいかしている)が増す。見る度にその成長の速さに驚く。昔から知っていたこと(と言っても数年前だが)を少し自慢したくなるとともに下山淳や仲野茂の良いものをかぎ分ける審美眼は流石だと思う。別に大御所のお墨付きだから推すわけではないが、注目して欲しいバンドの一つである。

 

 

 

フーテン族 X

https://x.com/futenzoku

 

https://www.youtube.com/channel/UCOView3dRi99iYD5ucEF5KQ

 

 

 

https://futenzoku.base.shop/

 

 

 

 

 

フーテン族に続いては縁戚関係にありそうな風貌の自爆である。昨2025年12月17日 (水)に渋谷「クラブクアトロ」での初のワンマンを開催。発売直後にソールドアウト。会場には最近のロックのライブには珍しく、若いロックファンが詰めかけ、そのライブは彼らの晴れやかな歴史を彩ることになった。昨年は「FUJI ROCK FESTIVAL'25 ROOKIE A GO-GO」 や「NEWYEAR53rd New Year Rock Festival 2025-2026」にも出演している。

 

メンバーはササキ(Vo、G)、高松名人(G)、武田ガンジー(B)、汚駄物(Dr)という4人組。メンバー全員、自爆が人生初バンドである。2023年にササキがSNS上に自主制作音源を公開、それに反応したメンバーたちが集い、結成されたという。

 

 

彼らのテーマソング(!?)とでもいうべき、頭脳警察の「最終指令“自爆せよ”」に乗って、自爆がステージに登場する。会場にはササキが被る目玉のマーク(まるで『20世紀少年』の“ともだち”のようだ!)が書かれたヘルメットを被るものもたくさんいる。親和性が高いのか、お目当てのバンド以外もしっかり見ていて、変な“地蔵”もいなかった。このお行儀の良さは素晴らしいこと。

 

 

頭脳警察的なポリティカルでトピカルなメッセージと不適切な言葉が並ぶラブソングなど、過激で激情感いっぱいの言葉たちを攻撃的なサウンドで包む。叫びやがなるものの、その歌と音は綱渡りのような均衡で、聞くものの心と身体を激しく揺さぶり、心地良く愛撫する。ササキのソングライターとして巧みさは、美は乱調にあれど、崩壊や破滅せず、きちんと整合性を保つ。ここ数年、登場したソングライターでは図抜けたメロディーメイカーとしての才能を感じさせる。すんなりと入ってきて、そこに無様な破綻や崩壊はない。天賦の才能というのだろうか。そんなところは、かのPANTAにも相通じる。彼は同時期に「銃を取れ」とともに「さようなら世界夫人よ」を書き上げているのだ。

 

改めて強調しておくが、ササキの歌はがなっているだけに聞こえるものの、歌詞がちゃんと聞こえ、それが奥底まで届く、これはすごいことではないだろうか。「ケロイドの唄」や「ロックンロール・アディクト」、「涙とリビドー」、「ロックンロールを始めよう」など、それらの曲達はササキが稀有な詩人であり、過激なアジテーターであり、人なっこい旋律を紡ぐメロディーメイカーであり、世の中を混乱に陥れる扇動的なトリックスターであることを物語る。いずれも曲や歌詞の基礎体力が強いのか、よじれることなく、急所を責める。センスがいいなどというと、違和感があるかもしれないが、その音楽知能指数はとてつもないくらい高く、音楽好きの親御さんの英才教育(!?)のたまものか。オタク的に音楽に詳しいという感じはないが、自然といろんな栄養を吸収して、何が必要で必要でないかを選び取っている。何気ない、会話からもその素養を感じさせる。あと少し演奏力が上がると、どえらいことになるはず。伸びしろはたんまりとあるというところか。

 

まだ、際物的な物珍しさで受けているところもあるかもしれないが、彼らは本物であると、断言しておく。すべての方に賛同を得ようとは思わないが、もう少ししたら気づく方がもっと増えるはず。そんな期待を持って、彼らのさらなる躍動と躍進を心待ちにしている。

 

 

 

自爆X

https://x.com/zibaku_self

 

https://lit.link/zibakuself

 

 

 

 

そしてこの日、2026年1月25日(日)、午後9時30分過ぎにオオトリとして登場したのはYAPOOL。実はこのイベントを企画したのは同バンドのベースの久留島風太である。彼はこの日の箱である西永福「JAM」のブッキングにも関わっているのだ。自らが信頼し、かつ、交流のあるバンドを集めている。信頼できる仲間達との“共闘”、事務所やレコード会社の思惑や戦略ではなく、自らが一緒にやりたい仲間とやりたいライブをする――“Do It Yourself”の精神である。かの“ストリートキングダム”のスタートもそんなところからだった。

 

 

YAPOOL、プロフィールはオフィシャルから引用になるが、“2021年11月始動。東京を拠点に活動する4人組ロックンロールバンドである。メンバーは石川蓮(Vo)、水野公翔(G)、久留島風太(B)、オオサカユウヤ(Ds)の4人。全員が20代中盤。ガレージ、パンク、ロックンロールをこよなく愛す。ステージは非常に激しいが、ポップなメロディやメッセージを重視しており、ただ激しいだけではない入り込みやすいロックを歌う。本アルバム(『Nouvelle Vague』)は彼らの1stアルバムであり、タイトルの Nouvelle Vagueには2025年のスタートと共に、新しい音楽の波を創ると言う想いが込められている”そうだ。

 

 

その音や佇まいに華がある。ステージから客席を挑発するが如く、メンバーは前にどんどんと出てくる。特にヴォーカルの石川蓮はセクシャルでグラマラス。どこか、少年のような風貌と愛くるしく、激しいアクションは観客の心をくすぐる。そんな彼はこの日を“ロックンロール再生の日である”と宣言する。“ロックンロール老人ホームなんて、ぶち壊してしまえ”と、上の世代を挑発し、世代交代を迫る。誰よりも過剰で“大言壮語”する。ただ、威勢のいい言葉を吐くだけではなく、それを現実のものにする行動力がある。侮れないのだ。文字通りの大言や大ぼらではなく、自らに鞭をうつかのように怪気炎を上げる。それがYAPOOOLというバンドなのだろう。

 

 

音そのものは“ロックンロールしようぜ”宣言に嘘はなく、強烈なブギーを観客にお見舞いする。そのグラマラスでパンキッシュな音の塊はモット・ザ・フープルやニューヨーク・ドールズを彷彿させる。強烈なブギーをかまし、一瞬にして虜にしていく。多分、引用してもほとんどの方が存じ上げないと思うが、英国の三大ブルースバンド、サヴォイ・ブラウン(“三大”のあとの2バンドはフリートウッド・マックとチキン・シャック)のメンバーだったロンサム・デイブなどが結成したフォガットが思い浮かぶ。1970年代に「ベアズヴィルレコード」から出た『ロックンロール・アウトローズ』、『電撃のフォガット』(Energized)、『フォガット・ライヴ』などは愛聴盤だった。演奏のためや転調、展開など、通じるものがある。サブスクなどで「ロックンロール・アウトローズ」や「ハニー・ハッシュ」、「スロウ・ライド」などを機会があれば聞いてもらいたい。いずれにしろ、観客を巻き込み、興奮の坩堝にする“力技”には驚かされた。歓声や嬌声も一番多かった気がする。彼らの演奏自体は午後10時過ぎに終わって、ステージを後にしたのだが、アンコールを求める声はやまず、数分後、彼らはステージに戻って来る。最後には昨2025年にリリースしたニューアルバム『Nouvelle Vague』に収録されたとびきりポップで小粋なナンバー「レイトショー」が披露される。同曲には一夜限りの恋物語ながら“エンドロールは続く”というフレーズもある。YAPOOLは“ロードショー”の余韻を残して消える。

 

 

彼らは2026年11月25日(水)に 渋谷「クラブクアトロ」でのワンマンライブの開催が決定している。1年かけ、同所に辿り着く。いまはその準備に暇がないようだ。この日、石川は"このメンバーでもっとでかいところでたくさん人を集めてやろう"と“宣言”している。それはきっと実現するだろう。シーンの底上げなどというと、エンタメニュースめいた書き方になるが、単なる競争ではなく、面白いことをするには“グループパワー”の必要性も感じ取っているのかもしれない。いずれにしろ、五人五様、ぶつかり、押し合い、へし合いしながら新しい歴史の扉を開いた――大袈裟かもしれないが、この日のこの瞬間はそう言ってもいいのではないだろうか。その場にいたものは歴史の目撃者、証言者になる。そんな歴史を演出した若者たち、既に一部の出演者たちはこの日、終演後、「JAM」からメンバーの家に上がり込み、朝まで語り明かした(呑み明かした!?)という。 彼らの企みは地下室で弾ける。

 

 

 

YAPOOL X

https://x.com/yapool_group

 

https://lit.link/yapool

 

 

 

 

 

この5バンドの“野合ライブ”(!?)のリポートは福岡発のビートミュージックの応援サイト「福岡BEAT革命」のFacebookページに掲載したものをベースにこのブログのために加筆している。おそらく、本来、同所での掲載は相応しくないかもしれない。5バンドとも、いわゆる“めんたいロック”や“めんたいビート”を看板にしていないし、福岡出身であることを表明しているものもいない(福岡出身の方がいたら、申し訳ない。事情通の方がいたらお知らせください。こっそり修正する!)。しかし、最初のリポートは敢えて「福岡BEAT革命」のFBページにさせてもらった。実は、暴動クラブやYAPOOLを初めて見た(知った)のは、3年前、2023年12月22日(金)の高円寺「HIGH」での大江慎也のShinya Oe&Super Birdsのライブだった。その日、暴動クラブと大江慎也が共演したとかではなく、暴動クラブのメンバー全員がザ・ルースターズのファンで、大江に挨拶に来ていたのだ(暴動はルースターズの「C.M.C.」をファーストアルバムでカヴァーし、レコーディングしている)。私自身も実際に彼らと話などをしていないが、大江のマネージャーからそのことを聞いた。大江自身もその翌日、SNSに彼らと一緒の写真を公開している。その後、井上富雄のライブや池畑潤二がバッキングを務めた柴山“菊”俊之のライブなどで、度々、彼らを見かけている。その後の暴動クラブと大江慎也や井上富雄、池畑潤二などの相互交流(井上は暴動クラブのEP「撃ち抜いてBaby,明日を撃てLady」プロデュース、暴動クラブとShinya Oe and Super Birdsとの福岡でのツーマン開催など)は説明不要だろう。

 

YAPOOLもメンバーがその高円寺「HIGH」での大江慎也のShinya Oe&Super Birdsのライブ会場に来ていて、ザ・ルースターズの全世界配信を手掛け、かつ、YAPOOLにも関わる方がいたので、彼からメンバーを紹介された。その後、同じくめんたいロック関係のライブでも度々、見かけている。その時は帰り際に挨拶をしただけなので、多分、私など、覚えてないと思い、自分から声はかけられなかった(笑)。

 

そしてフーテン族や自爆なども下山淳や仲野茂を介してライブで見る機会を得ている。自爆は頭脳警察とも関わる部分がある。ササキはPANTAの“HOME”だった所沢の「MOJO」で昨2025年12月28日(日)に下山と仲野のユニットの「アコギなSS」やうじきつよし、宙也、澄田健、「毛糸のチョッキーズ」(keme+岡本雅彦!)なども参加して行われた「“MOJO ROCK SHOW”忘年会」に出演。昨2025年の年末に自爆のライブではなく、ササキの弾き語りだが、自爆(ササキ)初体験している。

 

この日の5バンドの中にめんたいロックのスタイルやモード、スピリッツの継承を見る。影響などというと、影響なんて受けてないなんていわれそうだが、そこにブルースやロックンロールの大河物語を見ることができる。まんざら、的外れではないだろう。いまサンハウス結成55周年と『有頂天』リリース50周年を記念して、アユレコーズから出たCD7枚、DVD6枚というサンハウスの未発表ライブ音源などを収録した重量級のボックスセット『サンハウス55周年記念ボックス』が高額商品にも関わらず、好セールスを記録していることと無関係ではないだろう。老いも若きも懐かしさで聞いているわけではない。不思議なことに先達を辿りながら新たな鉱脈をぶち当たる。これからも迷惑にならない程度にその場にいさせていただくつもりだ。

 

 

https://www.facebook.com/fukuoka.beat.revolution/posts/pfbid02firJNSsNQdAmwGg1GKfKwktAfpqsi6hPGCWctjxPdaL9Df3Q5MRycUaNYX3a2XJpl

 

 

 

内田裕也--歌手、俳優、プロデューサーとして、日本のロックの荒野を耕し、その礎を築きつつも、世間では“シェキナベイベー”の一言で片付けられることが多い。日本のロックの歴史が偏った視点で語られることに歯がゆい思いをした人は少なくないはず。


以前、1982年に「MUSIC STEADY」で「日本音楽70年代」という“70年代の日本のロックシーンを振り返る”気の早い企画をしたことがある。その際にPANTAや竹田和夫、上田正樹、ミッキー吉野、ジュネ(オートモッド)、大森一樹などにコメントを貰った。その特集で最初にコメントを貰ったのは内田裕也だ。70年代は内田が30代の時である。彼は“自分達がクリエイターにならなきゃしょうがなかった”と語っている。内田裕也はその言葉の通り、70年代から亡くなる2020年代直前まで駆け抜けた。

 


内田裕也がいなければオノ・ヨーコもフランク・ザッパもジェフ・ベックもニューヨークドールズも日本で見れなかったかもしれない。“日本のウッドストック”(ワンステップ)も実現しなかっただろう。“ニューイヤーロックフェス”でのRCサクセションや萩原健一などの名シーン、フラワー・トラベリン・バンドやクリエイションの海外進出、『コミック雑誌なんかいらない!』や『魚からダイオキシン!!』、『水のないプール』、『十階のモスキート』などの名画も生まれなかった。

 


いま改めて内田裕也の日本のロックや映画、フェスティバル、サブカルチャーなどへの貢献と功績を確認するムーブメントが起きている。その中心にいるのがプロデューサー、ミュージシャン、ギャラリーオーナーなど、いくつもの顔を持つクリエイター井出靖である。彼の自伝『Rolling On The Road 僕が体験した東京の1960年代から90年代まで』は内田裕也の代表曲「Rolling On The Road」がタイトルに入っている。これは事務所や遺族に許可を得たものである。初の自伝にその言葉を冠する、いかに彼がその影響を受けたかがわかるだろう。

 


その内田裕也を特集した番組が先週、12月3日(水)に#DOMMUNEで公開された。井出とともに“内田裕也原理主義者”のDOMMUNEの代表、宇川直宏が映像や音源を見ながら聞きながら熱く語り合う。また、ゲストには内田裕也をバッキングで支えたギタリスト、三原康可と、内田裕也の最後のマネージャー、石山夕佳が出演。内田裕也を身近で知る方の貴重なエピソードも語られた。都知事選の政見放送が用意してきたものではなく、アドリブでフリースタイルだったことに驚かされる。元々は用意してきたものもあったが、直前に会った東郷健に刺激を受け、一発勝負に賭けることになったという。ラッパーもびっくりだ。

 


現在、同番組はアーカイブで公開されている。期間限定なので、すぐにチェックすることをお勧めする。意外な大物達の全員集合は見逃せない。必見である。

 


■SUPER DOMMUNE「JAPANESE MUSIC POSTER SCRAP」 内田裕也ポスター展開催記念SP「ROLLING ON THE ROAD」

 

 

 


そもそも同番組は「JAPANESE MUSIC POSTER SCRAP - ROCK PRESENTS 内田裕也 Original Poster Flyer Exhibition“ROLLING ON THE ROAD”」の開催を記念したもの。2025年12月6日(土)から12月14日(日)まで公開される。時間は13:00~18:00まで。10(水)は定休になる。会場はThe Beach Gallery(東京都渋谷区富ヶ谷1-5-3 岸ビル1F)TEL:03-6407-0750入場料:1,000円(記念ポストカード付き)になる。


会期は14日(日)まで、明日、明後日と迫っているが、是非、時間を作って見て欲しい。オノ・ヨーコやフランク・ザッパ、沢田研二などとの写真やポスター、彼が出演したコンサートやイベントのポスター、出演映画のポスター、衣装などが展示されている。彼の息遣いが伝わる。行かれたら“ニューイヤー”などの出演者の名前をじっくりと見て欲しい。彼によって、世に出たバンドも少なくないことがわかる。彼のしてきたことは点が線になり、面となって、いまに繋がる。そのことを改めて再確認して欲しい。その貴重な機会になるだろう。

 

なお、同ポスター展、7日(日)には大貫憲章のDJによるレセプションも開催された。また、後日、会場には内田也哉子、UTAも会場に訪れたという。やはり繋がるものなのだ。

 

 


■JAPANESE MUSIC POSTER SCRAP - ROCK PRESENTS
内田裕也 Original Poster Flyer Exhibition
“ROLLING ON THE ROAD”


会期:2025年12月6日(土)-12月14日(日)
時間:13:00~18:00 ※10(水)は定休
会場:The Beach Gallery(東京都渋谷区富ヶ谷1-5-3 岸ビル1F)
TEL:03-6407-0750
入場料:1,000円(記念ポストカード付き)


2023年1月に刊行された井出 靖の初の自伝『ROLLING ON THE ROAD ―僕が体験した東京の1960年代から90年代まで―』。そのタイトルにも冠した、井出が生涯を通して多大な影響を受けた人物、内田裕也にスポットを当てたエキシビションをこの度The Beach Galleryにて開催致します。
シンガー、俳優、プロデューサーとして日本のロック史に刻まれた内田裕也の功績を、当時のポスターやチラシを通して振り返ります。
今回は内田裕也オフィスのご協力のもと、販促用・コンサート用ポスター、ライブチラシ、さらには映画やCMポスターなど、貴重な実物資料を一堂に展示。井出靖個人および内田裕也オフィス所蔵の作品を実際にご覧いただける、またとない機会です。
展示開催を記念し、限定のZINE、Tシャツも販売も致します。
皆さまのご来場を心よりお待ちしております。

 

 

 

 

 

 

 

 

来年、井出は様々な企画を用意しているみたいだ。とりあえず、1月にVINTAGE POSTER SCRAP復刊!& 1月7日より目黒区美術館区民ギャラリーにてポスター展開催される。他にも様々な企画が用意されているという。楽しみでならない。

 


■VINTAGE POSTER SCRAP 復刊記念
井出靖が収集した海外ポスター展
- MUSIC・MOVIE & ART 編 -1950年代から1990年代まで


2026年1月7日(水)- 2026年1月12日(月・祝)
目黒区美術館区民ギャラリー 目黒区目黒2-4-36 
開館時間 午前11時-午後6時
入場料 1,000円
*駐車場はございませんので近隣の有料駐車場をご利用ください。
お問合せ Grand Gallery 03-6407-0750  https://grandgallerystore.com
主催 井出 靖

 


https://grandgallerystore.com/news/69366c953cea4a1445b7791b

 

 

 

 

大貫妙子 コンサート 2025 【Celebrating 50 Years】

2025/11/22(土)東京・昭和女子大学 人見記念講堂

 

 

 

 

 

 

来年、2026年2月にロサンゼルスで行う、初の海外公演の布石か。先週、11月22日(土)に東京・昭和女子大学「人見記念講堂」で行われた「大貫妙子 コンサート 2025 【Celebrating 50 Years】」を見る。1975年にシュガー・ベイブのメンバーとしてデビューした大貫妙子の50周年を祝うものだが、それは50年を集大成しつつ、来るべき、その日のために新たな布石を打つものだと感じた。

 

フェビアン・レザ・パネ(Acoustic Piano)、鈴⽊正⼈(Bass)、坂田学(Drums)、伏見蛍(Guitar)、網守将平(Keyboards)、toshi808(Seq)というレギュラーバンド・メンバーに加え、アルバム『SUNSHOWER』(1977年)にドラマーとして参加したクリス・パーカー、山弦でお馴染みの佐橋佳幸、2013年にリリースされた『大貫妙子トリビュート・アルバム』でカバーを披露しているハナレグミ(永積タカシ)と青葉市子がゲストとして参加した。

 

 

青葉はギターを弾き、彼女は大貫とふたりで「3びきのくま」を披露する。ギター1本で世界を駆け巡る青葉らしく、実に堂々としたもの。そして青葉と大貫にレギュラーバンドが合流して、「ピーターラビットとわたし」を歌う。二人のうさぎぶり(!)が可愛らしく、微笑ましい。聞くものを幸せな気分にする。ハナレグミとの「Happy-go-lucky」は幸運を呼び込み、佐橋も加わった「すてきなメロディー」はシュガーな気分にさせる(同ヴァージョンは佐橋が初めて渋谷・道玄坂の楽器店で見たシュガー・ベイブのように音は明るいのに見た目が暗いという“音と画が合ってない”なんてことはなかったはず!)、目にも耳にも至福が訪れる。

 

 

他にも「横顔」や「蜃気楼の街」、「夏に恋する女たち」、「海と少年」、「色彩都市」、「船出」(2000年7月に東京国際フォーラムなどで開催された大貫、奥田民生、鈴木慶一、宮沢和史、矢野顕子の5人が集まって開催されたコンサート『Beautiful Songs』から生まれた楽曲)など、50周年を総括する豪華絢爛なセットリストながら、やはり白眉は“シティポップ”の名盤として国内外で再評価著しいアルバム『SUNSHOWER』のレコ―ディングに参加したクリス・パーカーをゲストに「Summer Connection」や「都会」、「くすりをたくさん」など、“シティポップ”の名盤に収録された名曲たちを披露したセットだろう。

 

 

かの名曲に彩を添え、現在の名曲へとアップデート。特に佐橋はオリジナルの大村憲司や渡辺香津美、松木恒秀に成り代わり火の出るようなソロを聞かせてくれる。クリスと佐橋の掛け合いは見事。改めて、その“人力”に気圧される。そういえば、奇しくも苗場で山下達郎のカッティングを目の当たりにして多くの方が驚愕したことを思い出す。2025年は技術と音楽性の“クロスオーヴァ―”を再確認する年になったのではないだろうか。大貫妙子は50年を経ても進化と成長を見せてくれる。なんて、素敵なことだろう。来る2026年のソロデビュー“50週年”も楽しみでならないのだ。

 

 

当日の模様はWOWOWで2026年1月に放送・配信(※放送配信終了後~1カ月間アーカイブ配信あり)されるという。見逃した方は是非、見ていただきたい。

 

 

また、本日、11月27日(木)は『ユリイカ2025年12月臨時増刊号 総特集=大貫妙子』(青土社)の発売日である。同書のリンクを貼りつけておくが、是非、目を通していただき、手に取ってもらいたい。牧村憲一や小沼純一、日笠雅水‥‥など、豪華絢爛の執筆陣で、山下達郎や長門芳郎、千住明などもコメントを出している。大貫のインタビューや大貫と青葉市子との対談もある。大貫妙子の50周年を多角的に検証している。そんな同書に私も関わらせてもらった。未だに引用され続ける「MUSIC STEADY」の40年以上前の「MUSICIAN FILE 大貫妙子徹底研究」の一部を再録している。今回、改めて事務所に確認いただき、再録の許諾を取っている。記事の文字起こしだけでなく、特集の扉ページもスキャンして、掲載している。これは、これまでなかった、初のこと。特集の扉には撮りおろしの写真に、このためにご本人直筆(直筆ではなく、活字のものもある)の書下ろしのお言葉(コメント)を載せている。大貫妙子が表紙を飾った「MUSIC STEADY」1983年3月号は扉の写真を安部英知が撮影している。撮影場所は当時、大貫が所属していたRVCレコードの裏にあった児童公園。また、2014年に発売された『大貫妙子 デビュー40周年 アニバーサリーブック』(河出書房新社)に「MUSIC STEADY」の1983年11月号に掲載された大貫妙子×伊藤銀次×杉真理の鼎談が再録されているが、その写真も彼だった。ちなみに安部はかのバナナリアンズのメンバーだった。あの「東京ロッカーズ」などと同時代に活動している。来年、2026年3月27日に写真家・地引雄一の自伝的エッセイ「ストリート・キングダム」を原作に田口トモロヲ監督×宮藤官九郎脚本による「ストリート・キングダム 自分の音を鳴らせ。」が公開されるが、バナナリアンズは誰が演じるのだろうか!?

 

 

雑誌『ユリイカ』大貫妙子特集号発売

 

https://onukitaeko.jp/archives/202510-eureka/

 

 

https://www.seidosha.co.jp/book/index.php?id=4088

 

 

 

 

 

シュガー・ベイブでのデビューから50周年を迎えた大貫妙子。

東京・人見記念講堂にて開催される一夜限りの記念公演の模様をWOWOWにて放送・配信!

 

https://www.wowow.co.jp/release/007480

 

 

 

 

2026年2月にロサンゼルスで初の海外公演を開催

https://onukitaeko.jp/archives/202602-live-in-la/