季節外れ感がすごいですが、2013年のクリスマス&キョコ誕お祝い話①です。
キョーコ視点。パラレルで、蓮がサンタクロースです。
「……行っちゃうの?」
明けの遠い、漆黒の空。まだ空に高くのぼる月の光を浴びて、彼は赤い衣装に身を包んでいた。私はシーツの中からその様子をじっと見つめていて、振り返った彼の申し訳なさそうな顔に唇を尖らせた。
「そんな顔をしないで」
髪をすく彼の手のひらに、私はぐりぐりと頭を押しつけた。
わかってる。彼を待っている、たくさんの人がいること。そのために、彼は1日を目一杯使って、日本中を走り回るのだ。
「日付の変わらない内に帰れるように、頑張るから」
その約束が守られたことはない。彼はいつも、日付がすっかり変わってしまった頃に帰ってくる。
子供の頃は待ち遠しかったのに、彼を待ちながら、一人の部屋で浮かれる街を見下ろしていると、こんな日なんて、なければよかったのにと思う。
クリスマスなんて…と。
「行ってくるよ、キョーコ」
ちょんとキスをくれて、彼は部屋を出ていく。
私は一人残されたベッドの中で、体に残る彼の感触に、少しだけ涙を流した。
「……誕生日、なのに」
私の恋人は、サンタクロースです。
to be continued...