『恋人はサンタクロース』より少し前の、二人が出会うお話です。
私の彼との出会いは、私がまだ少女だった頃。
翌日の誕生日パーティと、朝目覚める時には枕元に置いてあるだろうプレゼントを心待ちにして、私は眠りについた。
しかし不意に、意識が浮上した。目覚まし時計の鳴る前になぜかすっきり目覚めてしまった時のような、そんな感覚。パチリと目が開き、私は体を起こした。
すると、枕元に置いておいたサンタクロースの道標――靴下が、もこりと膨らんでいたのだ。今までの私なら、ただその事実を喜んだだろう。だけどその時の私は、目の前の光景が信じられず、大きく目を見開いた。
靴下は、膨らんでいる途中だった。つまり、プレゼントが詰め込まれている最中だったのだ。
真っ赤な衣装を身につけた、サンタクロースの手によって。
衝撃のあまり気絶した私は、そう、感受性の強い子供だったのだ。再び目を覚ました時に、しっかりと靴下に納められたプレゼントを見て、私はサンタクロースの秘密を見てしまったのだと思った。だってサンタクロースは、その存在は知られながらも、姿を見せたことは一度も無かった。お隣の奏江ちゃんも千織ちゃんも、見たことがないと言っていた。だからあの時、私に姿を見せてしまったのはサンタクロースの失敗だったのだ。
そこまで考えて、私は秘密を見てしまった私の元に、もうサンタクロースが来てくれないのではないかと不安になった。だから私は、サンタクロースを見てしまった、という事を、秘密にすることにした。そうすればきっと、来年とサンタクロースはプレゼントを持ってやってきてくれる!そう信じていた。
斯くして、翌年のクリスマスにも、サンタクロースはプレゼントを持ってきてくれたのだけど……。
そのすぐ次の年の春、私は信じられないものを目にした。
母の仕事の関係で、隣の県に引っ越すこととなった。
その際に引っ越し業者に荷物の運搬を頼んだわけだけれど、その業者の中に、いたのだ。
私があの夜目撃したサンタクロースと、寸分違わぬ体のバランスを持つ男性が……。
to be continued...