今更七夕話。
パラレルですよって!
楽しそうに機を織る君の姿に魅せられて、君を手に入れたいと思った。
だけど君の心は、奔放な心を持つあの男のもの。仕事だと嘘を吐き、別の女の元に通うあいつに、君に想われる資格なんてないというのに。
俺は力を使って、君とあいつを引き離した。対岸に別れた二人が会えるのは、一年に一度きり。君は涙を流したけれど、男は同じ岸にいる女と人目をはばかることなく会えると喜んだ。会える条件は、二人が各々の職務を全うすること。真面目で勤勉な君は、今まで以上に機織りに精を出した。しかし男は、このままでいられるようにと、以前よりも堕落した生活を送るようになった。
俺はそれを理由に、二人が会うことを禁じた。約束の日に降らせた雨は川を氾濫させて、泳いで渡ることも不可能だ。一日も怠ることなく仕事と向かい合っていた君は、その日ばかりは床に臥せていた。
そんな弱っている君の元に現れた俺に、君はひどく驚いた。大きく見開かれた目に映る、俺の姿を見つけた瞬間、俺の理性のたがは外れてしまった。
彼女の匂いのする布団に転がり込んで、彼女を抱き締める。一拍置いてから暴れる体を押さえつけて、この目で見てきた男の現状を囁く。
男が、君以外の女に入れ込んでいること。
男が、今の状況に満足していること。
男が、条件を果たして君に会う気がないこと。
残酷なのは、君に伝えたことに、何一つ嘘も脚色も無かったことだと思う。
溢れだした君の涙を吸い取って、抵抗をなくした君の体を組み敷いて・・・・・・俺は君を、手に入れた。
今年も訪れた夏の匂い。それを嗅ぎとって、俺は小さく手を振った。すると、しとしとと雨が降り始める。男は今日も女の元で自堕落な日々を送っているけれど、万が一にも気まぐれを起こさないように。
かたんかたんと機織りの音を聞きながら、俺は彼女の膝に甘えた。構ってほしいけれど、織り終わる目途がつかないうちにしつこくすれば、彼女に烈火のごとく叱られるのをよく知っている俺は、諫めるように髪を撫でる手を捕まえて、手のひらに口づけるにとどめた。
俺の意図を汲んだ鵲たちが、俺と彼女の家の軒先で羽を休めている。その姿を見つけて、俺は微笑んだ。じきに、雨を降らす必要もなくなるだろう。鵲が橋を作っても、そこに立つ者はいなくなるのだから。
機を織る手を眺めるのは飽きない。これが見たくて、仕事を早く終わらせているようなものだ。彼女の元に早く帰りたいという理由が一番だけれど。
どんなに彼女が愛おしくても、仕事を放り出したりはしない。そんなことをすればあの男と同じになってしまうし、何より彼女に愛想を尽かされてしまう。
一年に一度なんて、俺には我慢できないから。
だから今日この日も、他の364日と同じように、織り姫がその職務を全うするのを今か今かと待っているのだ。
end.
七夕晴れない→もしかして意図的に織姫と彦星会わせないようにしてるんじゃない?→天帝さんじつは織姫好きなんじゃない?
という流れで(笑)天帝×織り姫にしてみました~
彦星は…言わずもがな(  ̄▽ ̄)