こんな夢見ました | zuzu's room ズーズーズルーム

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私は数年に一度、奇想天外な夢を見るが、

夕べのもそうだった。



ひとしきり寝たら目が覚めて、夏のクセで薄めに開けたままの

窓のシャッターから陽が射していた。

近所で誰かが庭掃除でもしているのか、

金属製の熊手の歯が地面を掻く耳障りな音がする。

どうもこの熊手の音が私の目を覚ましたらしい。



もう少し寝ようかな、と目をつぶり、やっぱり起きようかな、

と目を開けたら部屋が真っ暗になっていた。

目をどうかしたのかと思ったが、おいてあるものの輪郭は

うっすらと見え、なんとなく目のせいではない直感があった。



外が突然真っ暗になるなんて、変だ・・・

心のうちに恐怖が芽生える。

事態を一層不気味にしているのは、外で熊手を使う音が

一度も途切れないことだ。

熊手を使っている人は、私が目覚めた時から不変の一定の間隔で、

地面を掻き続けている。

外が急に暗くなったことなどおかまいなしなのだ。

変だ。変だ。

心臓がどきどきし始める。



しかし、部屋のドアを開けて廊下へ出たら、そこは当たり前の午前中の光に

満ちていて、なにも変わったところがなかったので、

ということは、寝室の方向だけに起こった異変なのか、と、寝室に戻ろうとしたら、歩けない。

脚は動くのだが空回りして、床を蹴ることができない。

身体が上へ持ち上がって、地面につくのが爪先だけになっているのだ。

え? と思う間もなく、そのままどんどん浮かんで

身体全体が天井に押し付けられた。

その勢いが強いので、天井への当たりを和らげようと、

壁の、廊下と玄関の角になっている部分を手で必死につかんだ。

これを低気圧の極端な状態なのかと考えたから、

息もできなくなる予感にしばしおののいたが、空気に問題はなさそうだった。



そもそも天候の加減でこんなことになったりするはずがない。

国がなんか間違えて・・・いやどう間違ってもこんなことには

なるまい。とすると・・・

・・・宇宙人しかないではないか。

ほとんどいきなりこの結論に飛びつく私だったが、ある朝唐突に

こんな奇妙なことになったら、それしか考えようがなかろう

と、起きている今でも思う。

いやだ、宇宙人に連れて行かれたり実験されたりするのは!

と思う間にだんだんと体が床に降りてきた。

とにかくはやれやれ、と立って、窓から外を見ようと思うとまた浮かんで

天井についてしまった。

こちらをバカにしきった宇宙人への怒りと、自分の体を全然コントロールできない

自分への苛立ちを感じながら、フワフワと浮かんでしまう。



そして、その間、全く変わらず熊手の音は続いているのだ。

すると、これは、熊手じゃなくて、宇宙人のたてている音に違いない。

何をやっているのだろうか、私はどうされてしまうのだろうか。

せめて窓から様子が見られたら・・・!



というあたりで夢は途切れた。

惜しいところで打ち切りになってしまったアメリカのSFドラマのように。



遠因には覚えがないこともない。

寝る前に、何とはなしにアタマがフワフワするな、と思っていたことと、

昔読んだスティーブン・キングの「Under the Dome」上下巻を捨てようかどうしようか

考えたのが、夢でワイルドに発展してしまったものと思う。



無重力は体験したことがないはずなのに、妙に巧みに再現できていたのは、

ダイバーだったころの水中体験を土台にしたものと思われる。



本人の知らないうちに、いろんなところから遠い材料を集めてきて

本人が思いつきもできないようなイメージを作り出し、自分で自分を

驚かすなんて、脳というものは分からないことをする。



認知症の進むうちの母が、ほとんど見知らぬ人になり果てて、

本人にも誰にも意味の分からぬ行いをすることを、母が変わってしまった、

と認識しがちであったが、これも母の脳みその、これまで表に出ていなかった

部分が、最もワイルドな形で起きているときに出てくるようになった、

と考えるのが正しいのかもしれない。

そんなふうな感想の生まれた夢であった。