黄金の身分証明書が傷付く その4 My ID Card Gets Scarred: Vol. 4 | zuzu's room ズーズーズルーム

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(前回までのあらすじ)

善良ドライバー・筆者を取り調べる警官の

検挙トークが終わらない。


* * *

警官はひとしきりの導入トークを終えて、やっと実務を開始した。

ところで、悔しさと怒りと久しぶりの検挙で動揺中ではあるが、

筆者には、警官に誘導されて停車した瞬間から非常に気になっていることがあった。

それはこの道の幅の狭さである。

筆者の中型車がどんなに左に寄せて止まっても、右側を

他の車が通過できるとは到底思えない。

こんなところに停まっていていいのだろうか。

だが、誘導したのは交通のプロであるはずの警官である。

これは手続きにかかる時間がよほど短いのに違いない。

最悪の気分にはさせられたものの、Y子との待ち合わせ時間には

十分間に合うらしい。

半信半疑ながらも、ひとまず安心の方向へ向く筆者の心であった。



ところが、筆者の運転免許証を持って警察単車のところへ

行った警官が、待てど暮らせど戻ってこない。

5分過ぎても7分過ぎても戻ってこない。

他の車が来たらどうするつもりなのだ!?

そして、募る筆者の焦燥が現実となった。

当然すぎることだが、後ろから車が来てしまったのである。

これ以上ないところまで路肩に寄せるも、土台話にならぬ。

2台の車が並ぶには道巾がゼンゼン足りないのである。

退避をあきらめた筆者は車中にて数秒待った。

警官が対処するのを期待したのである。

しかるに、バックミラーに映る警官は対処どころか顔も上げない。

書類に記入する以外の一切の思考をしようともしないのである。

一体なんのつもりなのだ。



筆者は車を降り、後ろの運転手にしばし待つよう頼んで

警官のいる単車に向かって歩き出す。

その間にその後ろからもう1台、大型のワンボックスが進入してきた。

渋滞が始まろうとしているのだ。

それなのに警官はまだ目も上げない。

もしかして、これはちょっとアホなのでは・・・?



ここに至るまで、筆者は彼個人に対してはなんらの怒りも

覚えておらず、一言の文句も言わず、言われるがままに

従ってきた。

何度も書いたように、筆者の不満は彼に起因するものでは

ないということを、筆者は十分に分かっていたからなのだ。

しかし、こうなると話は別である。



 「あの、車が詰まって来ているんですが。」


気づいていないとは思えないが、気づいていないかもしれないから

とりあえず状況を伝える。

警官は一瞬顔を上げて


 「もうすぐなんでちょっと待ってもらえませんかね。」


と言う。

誰に言っているつもりなのだろうか。

筆者ならば、待つ。

どんなにハラが立とうが悔しかろうが、どんなに自身の安全確認行為に

一点のやましさもなかろうが、道交法の定める一旦停止の定義に準拠しない、

と言われれば、この社会では甘んじて罰せられる以外ないのだから、

筆者は待つ。

しかし、当然ながら前途をふさがれた後続のドライバーたちには待つ義務も

義理もない。

それを待てと言うのなら、当のドライバーたちに直接頼む以外に

方法はない。

筆者に言ったって何にもならないではないか。

そしてもう一台来た。渋滞である。


(続く)