盆に思う。 Some Thoughts at Bon Days | zuzu's room ズーズーズルーム

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いかがですかお盆の具合は。



筆者の実家も一応盆灯籠・花・お供えを

セッティングしたが、

ホントに先祖が帰って来てる感じがする!

などの確信が持てず、

この行為にどれほど意味があるのか、

どうしようもなく半信半疑である。



先日、年始に亡くなった伯父の初盆の供養を

しに従兄宅に来た出家の人が、


「ウチの宗派では死んだ人は(盆には)帰ってきません。」


と断言したことから、筆者のこの半信半疑感はハンパなく

強化されてしまった。



ウチと伯父のところは宗派が違うから、

伯父は帰ってこなくってもウチのは帰って来る、という論法は成り立つが、

先祖たち本人が、

「オレは浄土真宗だから盆にシャバに帰るとかナシ。」

だの、

「ワシちょっと帰ってくるワ、日蓮宗じゃし。」

だの、認識してキッチリやっていたりするだろうか?

いや、そもそもせっかく成仏したのに毎年毎年未練がましく

地獄並みに暑い盛りのシャバに帰って来る意味がどこにあるのだろうか。



考えれば考えるほど筆者は思う。

「帰って来てるハズない。」

と。



しかし、それはそれとして、である。

「ウチの宗派では帰ってきません(キッパリ)。」

と言いながら


「お宅、初盆でっさかい、いつもの盆より布施の上増しの方、ヨロしゅうな。


などと盆に先駆けてお知らせしてくる寺とは一体なんなのだ。



この出家の人は続けて言う。

「お盆に亡くなった方が帰って来る、というのは仏教の考えにはありません。

もともとあった民間信仰とごっちゃになったものと思われます。」



なるほど、民間信仰とゴッチャに。

だから、先にも類似の疑問を呈したところだが、

そこまでハキハキ理解しておきながら

お盆になるとミツバチのようにテリトリーを飛び回り、

蜜を集めるがごとくにお布施を集めて夜にはお寺に帰って行く。

そんなおたくら一味の行動は一体なんと解釈すれば良いのか?



「だからナスとかキュウリとかに脚付けたやつとかは要りません。 

帰ってきませんから戻って行くこともないわけで。ア、そうそう、初盆の時は

コッチの袈裟を着けるように言われてるんでした!ゴソゴソ。(仏教バッグの中から

キラキラ感のアップした袈裟を取り出し、着け替えながら)マア料金の関係だと

思います、ハイ、コッチの袈裟にするのはね、ハイ。」

繰り広がる途轍もない矛盾を前に

「はあ、なるほど。」

さもありがたそうに返事をする家族と筆者。



ナルホド、初盆だから、というより、料金に見合うだけのサービスを、

との観点からきらびやかな衣装を。

いや、ちょっと待て、もうあんた

「料金」

てゆうてしもてるやん。

「布施」ちゃうんかい。



その「料金」であるが、いつもは5000円を包んでいる従兄であったが、

初盆だからそれなりの上増しを、と前もって注意されたので

増やしたことは増やしたが、ハッキリいくらにしろ、と書かれていなかったため、

不安である。

しかし、布施の額を向こうからハッキリ決めてくるわけないわな、いくらなんでも。

などと思ったりしていたのだが・・・。

出家の人が仏壇フロントに着座するなり、従兄はたずねる:

「あのー、初盆につき多目に、と書いてあったんですが、

どのぐらい多目にしたら良いんでしょうか?」

すると出家の人:

「エ!?ハッキリ書いてませんでしたか!?おかしいですね、

いつもはハッキリいくらと書いてご案内しているんですが!

そうですか、書いてませんでしたか。

それは、諭吉さんのことを言ってるんだと思います。

決まってないんですよ!!決まってないんです!

諭吉さんをくれ、と言っているわけではなく、

あくまで、目安です目安!!

場合によっては樋口さんとか、(ヒドイ場合は)野口さんが3人とかの

お宅もありますハイ。ですから一応の目安です目安。ハイ。あまりこうして話していますと

どんどんどんどんと時間が経って、自分で自分のクビを絞めることになってしまうのでございます。

はい、では、始めます。お楽に!お楽に!お楽に!!なまんだーぶなまんだーぶ・・・」


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読経が終わり、さらにありがたいようなありがたくないような講話を長引かせて

自分で自分のクビを絞め終えて、

キラキラ袈裟をカバンにしまうと出家の人は座を立った。

その後を家族がゾロゾロついて玄関へ。



「暑いですね、いつも思うんです、この汗が全部脂肪だったら痩せられるのに、と!

もう脂肪と糖質のカタマリでございますのでハイ。

こうしてクーラーの効いた部屋でお勤めをして、

(部屋を出つつ)こう廊下へ出ますと、モワッと一段階暑くなり、

(三和土へ降りて草履を履き、玄関のドアを開けながら)

そして外へ出ますとまた汗がドッと流れてくるのでございます。

こうして要らないお話をしているとまたどんどんと時間が経ってしまうのでございます。

こちらで4軒目、今日はあと7軒まわるのでございます。それでは!」


最後にもう一度キッチリと自分のクビを自分で絞め、

入れ替えるヒマもツモリもなかったために

樋口一名および野口二名の入ったまま従兄が渡した布施いや料金袋を持って、

出家の人は次の花へ蜜を取りに向かうのであった。
なまんだーぶなまんだーぶなまんだーーーぶ。