1.
クリームチーズを上から少しずつ使って
しばらくしたら
空洞があるのだが。
どうしてだ。
ナカナカ奥行きのある、イヤな空洞である。
購入後に重さを測って確認するなどという
疑り深いことはしたことないが、というか誰もしないと思うが、
こうなると始めに重さを測ってみたかった気がする。
2.
調理中、あやまって包丁を落としてしまい、
とっさに飛び跳ねて足に刺さるのを防いだのだが、
「ドッ」
という音がしたので、着地した包丁を見ると
直前まで足のあったところに
ぐっさり。ヒイー。
防衛本能バンザイ!!
喜ぶと同時にこの包丁の卓越ぶりに
思いを馳せる筆者であった。
この包丁は、そこらへんで売っているのとはワケが違い、
亡き叔母の遺した秀逸な包丁をうらやましがる筆者に
従姉がくれた、叔母のと同じ一流メーカーによる包丁なのだ。
叔母の包丁にまつわる驚きのエピソードを述べる:
叔母が死んで数年経過したある日、叔母の家で従姉と台所に
立っていた筆者が叔母の包丁の切れ味の良さに感動し、
しょっちゅう研いでいるのかと従姉に尋ねたら、なんと
最後に研いだのは叔母であると言う返事が帰って来たのであった。
包丁なんて研ぎ後ものの数週間で鈍り、それでもなんとなく
しばらく使うが、数カ月が関の山であるから、平均より包丁を使わない
筆者の場合でも年に3、4回ほどは砥石を引っ張り出すことになる。
とっくに死んでこの世にいない人が、多分死ぬよりさらに大分前に研いで
出した切れ味を、その人の3回忌が終わっても保つ包丁など、
聞いたこともなかった。
それで、さらに大感動したら誕生日に買ってくれた。
メーカー名は「有次」。創業は16世紀という京の老舗である。
そのときは軽くもらっておいたが、のちに筆者のキッチン用品関連の
価値観から言うと目ン玉飛び出るほど高いと知った。
なんでそんな高いものくれたのだろうか。
魔がさしたのかもしれない。
これだから魔は隅に置けないというのだ。
この包丁は非常に硬く、サイズの割にずっしりと重い。
しかるに切れ味が良いためか、不思議と使用時には重みを感じさせない。
そして、筆者もここ数年研いでいないのに、
すばらしい切れ味をキープし続けた挙句、
80㎝ほど自由落下しただけで、いとも簡単にフロリーリングに
グッサリ刺さってしまったというわけだ。
他に筆者が持っているのは全てホームセンターで購入した安物の洋包丁だが、
そのどれについてもフローリングに刺さって立つなど、
とても考えられない。
そもそも洋包丁は柄の方が重いから、切っ先から着地しない気がする。
それにしても、こんなのが足にブッスリ来た日には、
筆者の甲の低い足なら、最低でも厚みの半分、
悪くすると3分の2ぐらい刺し通していたことだろう。
有次の包丁だけは落とさない方が良い。


