遠い山の景色がいつもとは違っていた。
隙間なく白にペイントされた山をここ数年見慣れていた。
今年は、ところどころに青みがかったグレーの地肌が見てとれる。
(やっぱり今年は小雪だったんだなぁ~)と実感する。
やがて、その白い絵の具は春になり海に逢いに行く準備をするために溶け出す。そして気の遠くなるような旅を覚悟して川に向かい海へと走る。やっと巡り合い、海と川は抱き合い、溶け合い、まどろむ。
そうやって彼らは何百年も何千年も、また逢う約束を果たすため永遠(とわ)に繰り返す。
そんな事を考えながら、ひたすら車を走らせる。
コーヒーに逢うために。
ネットで買えばいいものを・・・・そんな反省もしつつ、こういう時間を楽しみたいのも事実なんだなぁ~と独り言を言ってみる。
家に帰ってすぐにコーヒーを入れる。
アメリカからお嫁入りした、少し古くなったCuisinartのコーヒーメーカーがポコポコと唄を歌い、お気に入りの香りを得意そうに振りまきはじめた。
あっ~~~と深いため息をついて、その香りを楽しんだ。
息子の部屋から拝借した本を読みはじめ、そして一気に読み終えた。
感想は?と聞かれたら・・・どう答えるのかな?
面白かった。確かに面白かった。
でも、わかっていたことだが、小説はやはり、お気に入りの1行がどうしても見つからない。何年経っても覚えている心に残る1行が・・・・・
さて、次は何を読もうかな?
少し軽めの物を。。。。
んっ?これは?
あっ!あの時の!あのときいただいた本だ。
随分前に精神科に勤めている知人からいただいた本があった。
少しだけ読んで挫折したっけ?そんなに難しくもなさそうなのに・・・
今日からこの本が私のベッドサイドにお邪魔することになったようだ。

