目を細めて準備をしておかないと、
ダイレクトに差し込む光でダメージを受けそうな、そんな強くて明るい陽光の1日だった。
(やっと春なんだなぁ~)と目を閉じて光と風を仰いでみる。
暦の上ではもうとうに春なのに、
気配に春を感じたのは、やっとこの2・3日だった。
生物に太陽光が必要な理由は、きっと難しくて理解できないのだろうけど、なんとなく心と身体が知っている。
おのずと心が陽気になり、それに伴って身体も軽くなるように感じる。
「さぁ!なにか始めようか」
そんな単純な思考も出てきてしまうのが、お天気の良い日の特権なのだろう。
洗濯物を畳み、息子の部屋に運ぶ。
ふと書棚に目を向ける。コミックと文庫が入り混じった整理のされていないそのゴミ箱のような宝物の山を眺めてみる。
少し興味のある本もチラホラ。(借りて読もうかな)
自己啓発本かHowTo物しか読まない私にしては珍しく小説を手にした。
最近、やっと大きなベッドの真ん中で寝ることに慣れてきた私は、
大きな枕二つを背もたれにし本を読み始める。
真っ暗な部屋でベッドサイドのスタンドだけが、文句を言わずに働いてくれていた。
数ページ読み進めた時、この作者好きかも?と感じた。
大げさではなく、くどくない背景描写がとても私にピタリときた。
思考力・想像力・咀嚼、反芻能力の乏しい私は、あまりに長く、くどい
背景描写だとイメージが追いついていかないからだ。
もっと先が知りたい!読みたい!
でも、その欲求を止め、眠りに付くことにした。
明日、コーヒーでも飲みながら先を進もう。
そう考えたが、お気に入りのコーヒーがちょうど切れていたことに気付く。
(明日、買いに行こう。それからだ!)
40分かかる隣町まで買いに行くことに決めた。
コーヒーを飲みながら本を読みたい!
そのためにコーヒーを買いに行く。
こんなちっぽけな事を幸せに思える自分でいたい。
そんなことまで考えてしまう1日だった。
眩しい太陽光が1日の終わる瞬間まで暖かで優しい気持ちをくれた。
そんなことに感謝もしつつ、最近めっきり下がってきた口角を上げ、
笑顔の状態で眠りにつくことにした。
