「小悪魔はなぜモテる?!」(2010)

 

エマ・ストーンが自分のウソでビッチ呼ばわりされる騒動を描いたコメディをU-NEXTで観ました。初見。

 

 

監督はウィル・グラック。予告編はコチラ

 

カリフォルニア州オハイに暮らす17歳の高校生オリーヴ(エマ・ストーン)がウェブカメラに向かって、ここ数週間で起こった出来事について告白を始めます。ヒッピーの両親を持つ親友リー(アリソン・ミシェルカ)からの週末の家族キャンプを断る口実として、大学生の彼氏とデートするからと言ってしまったことが全ての発端であったこと。実際は家の中に籠りっきりだったのに、週明けのリーとの会話で存在しない彼氏と初体験をしたと学校のトイレでウソを突いてしまいます。そのやりとりを敬虔なクリスチャンである生徒会長マリアンヌ(アマンダ・バインズ)が聞いていたもんですから、オリーヴの行動は一斉に学校中で広まってしまいます。噂の発信者であるマリアンヌは仲間と一緒にオリーヴを淫らなオンナだと弾圧を開始。これまで話題の的にならなかったオリーヴは、悪い意味で一躍時の人になる羽目に。

 

すると、ゲイの友人ブランドン(ダン・バード)が相談を持ちかけてきます。広まったウソで印象を変えられるなら、自分とセックスをしたことにしてゲイじゃないように周囲に思わせてくれないかという内容でした。ずっと中傷で思い悩んでいたブランドンを助けるためにウソを引き受けることにしたオリーヴ。この作戦が成功すると、ブランドンから真相を聞いた悩める男たちが続々とオリーヴに依頼してくる事態に発展。現金、金券、割引券などを報酬にして、男たちにオリーヴと寝たというウソの事実を与えていきます。男子生徒と不倫してしまった学校のカウンセラーの身代わりにまでなったりもします。ただ、真相を知る人以外の全員がオリーヴのウソを信じ切っている中で、中学時代からお互いに片思いのままでいたトッド(ペン・バッジリー)だけは、それがウソであることをちゃんと見抜いていて・・・というのが大まかなあらすじ。
 

原題は「Easy A」。スラングで"尻軽女"という意味。親友よりちょっと優位に立ちたい思いからついた軽はずみのウソで、周囲の見る目が一変してしまう女子高生の騒動を描いた青春コメディ。ホーソーンの『緋文字』での姦婦(Adulteress)を示す赤い"A"の字を服につけられた主人公になぞらえて、エマ・ストーンが"A"の文字をつけた服を着て学校に通うようになります。同じく『緋文字』が原作でデミ・ムーアが演じたバージョンの「スカーレット・レター」(1995)映画館で上映されているシーンもあり。ウワサだけを鵜呑みにして断罪しようとする大衆心理の愚かさを本作ではライトに描いているのが特徴。ゲイの少年、非モテ男、宗教を妄信する堅物の女子、物分かりの良すぎる両親といったステレオタイプなキャラクターがバランス良く配置されていて、一つ間違えば深刻にこじれそうな偏見との戦いを軽く笑い飛ばせる範囲内で処理させていました。モテ男、モテ女のキャラがあまり出てこないのは珍しいかも。

 

一番誤解してほしくない人がちゃんと本当の姿を分かってくれているナイスガイだったことで、スムーズにハッピーエンドへと帰結。主人公自身で本音をさらけ出すネット配信をするところが楽天的で、誤解していた人たちもその告白を見て勘違いだったのねとあっさり納得。強引な展開をサラッと楽しめるのは、エマ・ストーンの変顔を駆使したファニーな魅力が大きいです。脇を固める俳優陣では校長先生役にマルコム・マクダウェル、オリーヴの両親役にスタンリー・トゥッチパトリシア・クラークソン、生徒と不倫するカウンセラー役にリサ・クドローが出演。あと、ジョン・ヒューズ映画へのオマージュどころか、「すてきな片想い」(1984)「ブレックファスト・クラブ」(1985)「フェリスはある朝突然に」(1986)の名場面が引用されていました。他には、「キャント・バイ・ミー・ラブ」(1987)「セイ・エニシング」(1989)のシーンも立て続けに挿入されていました。