「Closing Dynasty」(2023)

 

NYに住む中国系少女の短編映画をNETFLIXで観ました。

 

 

監督はロイド・リー・チョイ。予告編はコチラ

 

NYのある平日の朝、地下鉄でカンパを求める少女(ミリンカ・ウィナタ)。学校のバスケ部再建の資金集めをしてるようですが、乗客たちは彼女を軽くあしらっています。収穫ゼロかとぼやいてそうな表情を浮かべて、地面に落ちてたタバコ耳に挟みます。で、トボトボ歩いてる途中に路上で拾った空き缶やペットボトルをリサイクル施設に届けると小銭をゲット。その辺のガラクタ置き場では、大きなダイヤもゲットして大ハシャギ。でも、質屋のオヤジにニセモノだと言われてガッカリ。ツイてないなとタバコをふかすマネをします。つづいては、雑貨店からこっそり盗んだ花束を路上で売り始めます。それで稼いだお金でケーキを買ってひと休み

 

しばらく街をうろついてのんびり過ごしていると、いつのまにか日が暮れています。今度はオープンハウスの家こっそり侵入して、デザートを勝手に拝借。2階のデスクを物色しているところを従業員に見つかって逃走。その後、ようやく自宅に帰ってきます。家の前でパパがイスを売却してる姿を見て、自宅にいたママに迎えられる少女。彼女の名前はクィーニーであることが分かります。彼女の家は中華料理店のようで、稼いだお金をこっそりレジに入れます。店のイスがなくなっているのを見て不安になるクィーニー窓の外を覗くと、1人でタバコに火を点けているパパの姿があって・・・というのが大まかなあらすじ。

 

原題はそのまま。"王朝の終焉"という大仰なタイトル。ラストのワンカットで中華料理店の名前が"Dynasty"だと判明。冒頭から守銭奴みたいな行動をずっと繰り返す小賢しい少女でしたが、両親が店を畳みそうなことを彼女なりに感じ取っていて、少しでもお金を稼ごうと、学校をサボって奔走していた1日を瑞々しい映像で綴った内容ゆえのタイトルであることが最後に分かる仕掛けとなっています。NETFLIXが短編映画製作のスポンサーになって作られた本作。この韓国系カナダ人監督の長編デビューとなるチャン・チェン主演作「Lucky Lu」(2025)は今年のカンヌ国際映画祭「監督週間」に招かれているので、今後大物になるかもしれません。