「アーサーズ・ウィスキー」(2024)

 

3人の老女が突如若返るヒューマンコメディをU-NEXTで観ました。

 

 

監督はスティーヴン・クックソン。予告編はコチラ

 

英国の老女3人のお話。ジョーン(パトリシア・ホッジ)の夫アーサーに落雷が直撃して急死。葬儀後、親友のリンダ(ダイアン・キートン)スーザン(ルル)と一緒に発明マニアだったアーサーの小屋を大掃除をしていると、数本のウイスキーのボトルを発見します。リビングでそのウイスキーを飲んで、そのまま寝入って翌朝目覚めた3人はビックリ仰天。なんと、20代前半の肉体に若返っていました。アーサーがその直前に発明したのは、若返りのウィスキー。図らずも若い体を手にした3人は、やってみたいことリストを作成して、ひとつひとつ実行していきます。


カフェに行ってもクラブに行っても男たちの視線が違います。ただ、若返り効果は数時間しか続かないため、途中でおばあさんに戻ってしまって、近くにいた人を驚かせることもあったりします。ただはしゃいでいるだけじゃなくて、自分たちの過去について、思い残したことを語り始める2人。離婚した男への恨み節。独身を貫いた人生で唯一好きになった妻子持ちの男の話。結婚前に同性の女性を愛していた甘い思い出などなど。そのうちの1人が偶然出会った中年男に真剣に恋する一幕も。やがて、奮発したラスベガス旅行繰り出した後、大きな転機が訪れて・・・というのが大まかなあらすじ。

 

原題は「Arthur's Whisky」。若返りによるドタバタと老いに向き合うほろ苦さが半々くらいの塩梅。徐々に若返る、老けるといった特撮要素はバッサリ省略。いろいろあったであろう3人の熟成した人生の深みをしみじみと振り返るまでには至っていませんが、サラっとした感動を味わえる大人向けの作品でした。ヘンに若作りをしていない老女優たちのハツラツとして姿が清々しいです。中でも、ダイアン・キートンのオシャレババアっぷりは驚異的。ドラァグクイーン(ローレンス・チェイニー)に促されて登壇したラスベガスのステージ場面では、ボーイ・ジョージが特別出演。ダイアン・キートンの若い頃を演じたジュヌヴィエーヴ・ゴーントがキュートでした。