山口県内全域でのロケ満載の日活アクションをAmazonプライムビデオで観ました。初見。
監督は西河克己。予告編は見つかりません。
山口県警本部の岩佐刑事(二谷英明)が妹昌子(岩崎加根子)の暮らすアパートを突然訪問。たまたま休暇が取れたと言ってますが、目的は別にあります。5年前、新婚旅行時に殺人事件の目撃者になってしまった妹夫婦の証言で岩佐が逮捕した犯人が出所するため、密告した仕返しで妹夫婦を襲うのではと思ったからであります。警察側で刑事を張り込みさせて犯人を待ち構えていましたが、岩佐はわざわざ警察を辞職して、愛する妹夫婦を守る気マンマン。しばらく泊まることになった岩佐が妹夫婦のアパートで夕食をしている時に電気屋さんが日立冷蔵庫のセールスをしに来る白々しいタイアップシーンがありますが、陽気に踊る電気屋さん(杉山俊夫)は犯人一味が出所前から妹夫婦の様子を探るためにスパイでした。
冷蔵庫を納品するふりをして妹夫婦宅に侵入した犯人一味は抵抗する妹を射殺して逃亡。大切な妹を失った岩佐は、重傷を負った夫から5年前の事件の隠された事実を聞いてビックリ。当時の事件現場にあった6000万円が紛失したため、犯人逃走後にその金を妹夫婦がネコババしたと思って奪還に来たとのこと。ただ、妹夫婦はその現金を盗んでいませんでした。岩佐は犯人を追う警察と共に逃走した犯人一味を追跡。やがて、警察に出入りしていたカメラマン(小高雄二)が電気屋の兄だと判明。さらに、現金を盗み出したのは犯人一味の1人であることも判明。一味のボス(浜田寅彦)と腹心の部下浅見(内田良平)が現金の隠し場所である秋芳洞で仲間割れしていた時、警官隊が包囲。ボスを殺して逃げる浅見を岩佐が追い詰めて・・・というのが大まかなあらすじ。
劇場公開は1961年9月10日。同時上映は石原裕次郎主演の「あいつと私」。爆破つきでそこそこのアクションが楽しめる、いかにも添え物のプログラムピクチャーといった内容で、見どころは山口県内各地のロケーション撮影シーンの数々。徳山市の駅前から始まって、光市の室積海水浴場、防府市の太平山ロープウェイ、山口市内の七夕祭り、岩国市の錦帯橋、美祢市の秋芳洞、宇部市のセメント工場などの景色が拝めます。それと、電気屋の幼馴染でクラブ歌手をしている美女として当時16才の松原智恵子が話の本筋とほぼ関係なく出演しているのが目の保養になりました。妹役の岩崎加根子や端役の松尾嘉代も初々しかったですよ。あと、数名の死者を出すことになった6000万円の現金はニセ札でしたというオチもありました。