「狼/男たちの挽歌・最終章」(1989)のセルフリメイクをAmazonプライムビデオで観ました。
パリ在住のジー(ナタリー・エマニュエル)は裏社会の大物ゴベール(エリック・カントナ)の腹心の部下であるフィン(サム・ワーシントン)の子飼いの殺し屋。その業界では"死の女王"と呼ばれて恐れられています。ある日、ナイトクラブのパーティー会場に颯爽と現れて、標的を皆殺しにします。唯一の生き残りは米国人歌手ジェン(ダイアナ・シルバーズ)。銃撃戦で飛び交ったガラスの破片が目に突き刺さって失明したジェンだけは一般人だと思って、生かしたまま現場を去って行くジー。同じ頃、麻薬売人の摘発に動いていたセイ刑事(オマール・シー)と相棒のジャックスが白昼の市街戦で売人ココを射殺。セイは正義感溢れるハミダシ刑事。行き過ぎた行動で上層部から怒られることもしばしば。その後、ココの恋人がジェンであることが判明して、二つの事件と、ジーとセイが繋がっていきます。
ジーは全員殺せと言っただろとフィンに怒られて、米国大使館員に変装して病院に向かいますが、悲しみにくれるジェンを殺すことができません。ここで聞き込みに来たセイと初対面。ジーが去った後、彼女が不審人物だと気づくセイ。セイが殺したココはアラブ某国の王子がフランスに持ち込んだ大量のヘロインを強奪した事件の首謀者でした。王子はゴベールのクライアントで、ヘロイン強奪事件関係者を抹殺するためにジーを刺客に送ってクラブを襲撃したことが判明。強奪現場にいたジェンを生かしておくわけにはいかないゴベールに指示されたフィンは、ジーの代わりの殺し屋を病院に派遣。反発したジーは病院に先回りして殺し屋たちと撃ち合い。たまたま病院にいたセイも銃撃戦に参加。ここからさらに二転三転あって、セイは裏社会に追われる身となったジーと共闘することになって・・・というのが大まかなあらすじ。
原題は「The Killer」。ジョン・ウー節たっぷりのセルフリメイク作。教会。飛び交うハト。失明した美女。本作では孤独な殺し屋を女性に変更。演じるのはゲースロのミッサンディでおなじみのナタリー・エマニュエル。心を許せるのはペットの金魚だけ。趣味はクロスワードパズル。生活は地味だけど、殺し方はハデ。冒頭のナイトクラブでは、取り外し可能の日本刀で敵をなぎ倒します。もちろん、二挺拳銃使いも大事なスキル。ジャンプしながら、さらに高く空中を舞いながら、敵にまたがりながらも二挺拳銃をフル活用。動きも軽快で、いいケツをしています。ジーの命を狙う刺客でも女性が活躍。ラストの教会でジーとシノギを削る三つ編み女はかなりの強敵。射撃のプロには製作スタッフにもクレジットされているジョン・ウーの娘(アンジェルス・ウー)も参戦。カースタントも爆破もあるので、邦題のキーワードの詰め込み具合に負けないくらい、見どころも盛りだくさん。
最初は敵として対峙するものの、徐々に友情が育まれて一緒に闘うことになるオマール・シーもガタイが良くて、こちらの動きもシャープ。主人公二人のコンビプレイは画面映えします。変装のコスチュームを作ってくれる仕立て屋のオヤジとして、殺し屋の指南役が似合うチェッキー・カリョが出演しているのもうれしい限り。ゴベール役の元サッカー選手エリック・カントナの男臭さもなかなかなので、全ての事件の黒幕であるオジサンの存在感が薄くなっているかも。それと、パリでのロケ撮影をアピールするかのように、しつこいくらいエッフェル塔が映り込みます。主人公の孤独感や、失明女性に同情する理由、腐敗した警察組織など、いろんな面で描き込みがボンヤリしている大味な感じは否めませんが、あまり気にしてはいけません。とはいえ、凝縮したブロマンスが充満していた記憶があるオリジナルをまた観たくなりました。




