「Pyaar Ka Saaya」(1991)

 

「ゴースト/ニューヨークの幻」(1990)のインド版リメイクを観ました。初見。

 

 

監督はヴィノード・K・ヴァーマ。予告編はありません。

 

富裕層の青年アヴィナッシュ(ラフル・ロイ)が田舎にある別荘を尋ねると、女性に部屋を貸しているので泊まれないと使用人から言われます。その女性は、家に向かう途中に起こした接触事故で泥だらけの水たまりに落っことしてしまったグロリア(シーバ・アガワル)でした。泥だらけになって戻ってきたグロリアは「さっきのアイツ!」と叫びます。自分を置いてけぼりにしたアヴィナッシュとケンカになるかと思いきや、積極的な美女グロリアにアヴィナッシュもメロメロになって、踊ったり唄ったりしているうちにラブラブになった二人結婚します。さっそく、アヴィナッシュが住む都会で新婚生活を開始する二人。アヴィナッシュは「月のような顔。赤い唇。溺れてしまいそうな大きな目」とグロリアの美貌を形容して、彼女にゾッコンです。

 

アヴィナッシュの自宅には従兄弟のヴィマルも同居していることを聞いたグロリア。幼い頃に両親を飛行機事故で亡くしたアヴィナッシュは叔父の家庭に育てられていました。ただ、ヴィマルが浪費家であったため、祖父の遺産を引き継いだアヴィナッシュが現在は彼の面倒を見ているわけです。遊び人のヴィマル(モニッシュ・バール)は真面目なアヴィナッシュとは正反対の性格ですが、大親友の結婚を祝福します。しかし、映画鑑賞の帰りの新婚夫婦を暴漢が襲撃。すると、死んだ夫を抱いて助けを呼ぶグロリアを見ている自分がいました死んでしまったことを自覚して絶望するアヴィナッシュ。その後、ハゲチャビンの幽霊インチキ霊媒師マヤと出会ったアヴィナッシュは自分が殺された真相を知ります。そして、次の標的となるグロリアを守るべく、真犯人との闘いに挑んで・・・というのが大まかなあらすじ。

 

原題は "愛の影"という意味。正式なリメイクではありませんが、『Unchained Melody』のインストはちゃっかり流れるし、ろくろシーンもあり。大まかなストーリーはオリジナルと同じで、新婚早々に殺される点や犯人に最初から殺意がある点が違います。また、未亡人となったグロリアが妊娠するという新設定も追加。父親になるんだと言って陽気に唄い出すアヴィナッシュ。霊媒師に協力させるために近くで唄い続ける嫌がらせをするなど、事あるごとに踊りが挿入されるのはボリウッド映画仕様。で、ネタバレすると・・・、真犯人を倒した後、現世をさまよう必要がなくなったアヴィナッシュはグロリアに別れを告げて去って行きます。年老いたグロリアが無事に子供を立派な成人(ラフル・ロイの二役)に育て上げた後は天寿を全うして、死んだ夫の元に旅立っていくエピソードで映画は幕を閉じます。オリジナルには到底及びませんが、日本版リメイクよりは二人の愛の深さが伝わる内容でございました。