「ジャックポット!」(2024)

 

オークワフィナ主演の新作コメディをAmazonプライムビデオで観ました。

 

 

監督はポール・フェイグ。予告編はコチラ

 

2030年のLA。財政難のカリフォルニア州は、スペシャルな宝くじを導入。当たれば36億ドルの高額賞金。ただし、当選が発表された午前中から日没の間までに当選者を殺すことができれば、殺人者がその賞金をゲットできます。拳銃以外は何を使って殺してもOK。当選者は専用ドローン居場所をリアルタイムで追っかけられているので、市民の誰もが命を狙えます。その当事者となったのが、LAに引っ越してきたばかりのケイティ・キム(オークワフィナ)。長年、他の土地で引きこもり生活を送っていたケイティは、宝くじ制度の存在を知りませんでした。女優志望でやって来たオーディションは不合格。しかし、突然、周りの人間が自分に襲い掛かって来たもんですからビックリ。IDカードの認証時、自動応募されていた宝くじが当選した模様。絶体絶命のピンチを救ったのは、宝くじ当選者専用ボディガードのノエル(ジョン・シナ)。当選金の10%で日没までの護衛を引き受けると、頼んでもいないのにアプローチ。自分が置かれている立場をようやく理解して、仕方なくノエルに護衛を依頼することにします。

 

逃げ回っていくうちに、敵の数はどんどん増えていきます。ケイティが住む部屋を提供したシャディ(エイデン・メイエリ)も、恋人DJと共にケイティ殺しに参加。警察官すらも命を狙って来る状況にビビったケイティは、宝くじ当選を辞退したいと言い出します。街の外にある施設までたどり着けば解除できますが、それも至難の業。命を賭けて守ると言うノエルのことも、完全には信用できないまま。その後、ラッパーのマシン・ガン・ケリーの豪邸に押し入って避難するも、市民が押しかけてきたため、ノエルは旧知のルイスに助けを求めて脱出に成功。ルイス(シム・リウ)は傭兵時代からのノエルの戦友で、現在は宝くじ当選者専用ボディガード会社経営の第一人者。二人の間には、ある因縁があります。ルイスとも契約を結んで、沢山のボディガードを抱える施設で日没までの時間を安全に過ごすはずのケイティでしたが、そこには思わぬ落とし穴があって・・・というのが大まかなあらすじ。

 

原題は「Jackpot!」。"大当たり!"の意味。最初の20分くらいでケイティのおおよその素性を紹介して、当選者となってからはずっと追われる展開になるため、話はスピーディー。オークワフィナは無様な目に遭う姿が似合います。逃走劇の相棒はジョン・シナ。幼少時はいじめられっ子で、コンプレックスを抱えたまま、異常な正義感を持つようになった複雑な人物像。コミカルな怪力男という、かつてシュワちゃんが試みていたキャラの継承者らしい好演。二人が交わすアメリカンジョークの数々が、日本人の私にはニュアンスを汲み取れないのが残念。脇を固めるコメディアン、ラッパー人脈も馴染みが薄いため、内輪ノリの小ネタのやりとりにもついていけない部分が多し。反目しながら次第にお互いを理解して唯一無二の存在となっていくパターンはラブコメの王道なのに、人種の違う二人が仕事のパートナーとして堅い絆で結ばれるに留まる終わり方は現代的というか、味気ないというか。貧富の差を軸にした笑いも、富める側が演じてると思うと。。。終始愉快な雰囲気が持続する楽しい映画ではございました。